美を求める気持ちが人を元気に輝かせる!これ世界共通~連載「はじめよう!フェムテック」
2022/07/28
2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。
●パーソナリティー
伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。29歳の長女一人。
東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。
●ゲスト
阿子島文子さん Fumiko Akojima
ロート製薬株式会社 広報・CSV推進部所属。大学卒業後に入社した製薬会社を退職し、2009年にJICA青年海外協力隊として、ケニア共和国のHIV/エイズ対策業務に従事する。帰国後、2012年にロート製薬に入社。ケニア現地法人を立ち上げて現地に赴任し、5年の駐在を経て帰国する。アライアンスフォーラム財団出向を経て、現在は広報部門にて「女性の健康」に関する取り組みを担当、未来社会デザイン室「ロートこどもみらい財団」も兼務する。プライベートでは、3歳児の母でもある。
まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。今回のゲストは、ロート製薬株式会社で広報を務める阿子島文子さんです。「優雅な語り口で、大和撫子という佇まいの阿子島さん。経歴を拝見し、実は、JICA青年海外協力隊として、ケニアで活動されていたということを知り、そのイメージとのギャップに驚きました。間違いなく、あふれるほどの行動力と内に秘めた熱い思いをおもちだと思うので、ケニアにおけるフェムテック事情など、お話を伺う前からワクワクしています」(伊久美)
ケニアで、健康と美は、人間に普遍的な活力を与えると確信
■東島アナ「今回のゲストは、ロート製薬で広報を務めていらっしゃる阿子島文子さんです。特に“女性の健康”にまつわる広報をご担当されています。ロート製薬というと、みなさん、目薬というイメージをおもちかもしれませんが、美容液などスキンケア製品もたくさん扱っていて、美と健康に力を入れていらっしゃいますよね」
■阿子島「そうなのです。弊社は創業123年になりますが、医薬品など健康だけでなく美容に関する製品にもとても力を入れています」
■伊久美「阿子島さんは、ロート製薬に入社する前に、JICA青年海外協力隊としてケニアで活動されていたそうですね。どんな思いで、また、日本とまったく環境が違うケニアを渡航先に選んだのはなぜでしょう」
■阿子島「昔から国際社会への関心があり、学生時代もバックパッカーとしてアジアなどを巡っていたのですがアフリカまでは到達できず、心残りがありました。大学を卒業後、製薬会社に就職したのですが、そこで、人間が健康に生きることの重要性を実感し、人々の健康を応援する活動がしたいと思うように。そんな時、JICA青年海外協力隊の募集があり、最も貧困や健康に関する情況が厳しいといわれるケニアで、何かできることはないだろうだろうかと思ったのです」
■伊久美「“困っている人々の役に立ちたい!”という、阿子島さんの強い思いが伝わってきました。素晴しいですね」
■東島アナ「2年半ケニアで働かれた後、ロート製薬に入社されるわけですが、そのきっかけはどういうことだったのでしょう」
■阿子島「現地でJICA青年海外協力隊の活動をしながら、社会開発に取り組んで行きたいという思いが強くなっていったのです。いろんな会社のかたに出会って、さまざまな開発の方法があることも学びましたが、行われているすべての活動が現地の人の幸せにつながっているかどうかについては、漠然とした不安や迷いがありました。そんな中で、健康と美には普遍的な力があり、現地の人々、そして私たちにとっても、幸せやウェルビーイングにつながる活力の源になっていることを実感しました。そこで出会ったのが、“言葉だけでなく、社会を支える明日をつくる”をという理念で世界を舞台に事業を展開しているロート製薬でした。ボランティアの立場でできることに限界も感じていましたし、入社することを決意しました」
■東島アナ「入社後、ケニアで現地法人を立ち上げられたのですね。具体的にどんな活動をされていたのでしょう」
■阿子島「はい。女性にとって大切な美を通して、人々がポジティブに生活していくためのお手伝いができたと思います。例えば、ニキビに長年悩んでいた多くの女性たちが、お手入れ法を知ってケアすることで、ニキビの改善につながりました。月収3万円の女性が、ヘアケアやスキンケアに3000円も使います。その費用を稼ぐために働こうと思う人が増えているんです」
■伊久美「素晴しい! 美しくなりたいという気持が、人を元気に輝かせるのは、世界共通なのですね」
日本女性は、もっと一人一人にしかない美しさを大切に
■東島アナ「今回のテーマは、アフリカ女性の美と健康に関する意識についてです。ケニアで活動されていて、現地の女性たちに触れて、どんなことを感じられましたか」
■阿子島「おしゃれをすることや美しくありたいという思いが、現地の女性たちにとって生きるモチベーションになっています。そして、そのことをとても誇りに、大事にしているなぁと感じました」
■伊久美「アフリカの女性は、ヴィヴィッドなカラーを楽しんでいるという印象がありますね」
■阿子島「そうですね。鮮やかな色を、みなさん上手に着こなしています。そして、“それ、とてもあなたに似合うわよ”など、必ずお互いに褒め合っているのです」
■伊久美「これまでの番組の中でも、日本人は褒め合うのが下手という話題がたびたび出ました。褒め合うことは、素晴しいことですよね~」
■阿子島「そうですね! 日本は昔からの風潮と、現在では見た目に関してコメントすることにナーヴァスになっている面があるのかもしれません。でも、ポジティブなことは、自分に対しても他人に対しても、どんどん口に出した方がいいなぁと私は思います」
■東島アナ「健康に関するアフリカの女性の意識はどうですか」
■阿子島「まず、体型に関する意識が日本人とは違います。例えば、私は日本だとぽっちゃりタイプだと思うのですが、ケニアにいると“あなた、痩せすぎ”といわれます(笑)。それくらい、あちらの女性は豊満で曲線的な体型の人が多く、それが健康的だと思われています」
■伊久美「日本は“痩せていれば痩せているほど素敵”と思う傾向がありますが、違うと思うのです。もっと自分を肯定し、ひとりひとりに美しさがあるのだから、そのことをお互いにたたえ合うという風潮が広がっていくといいですよね」
■阿子島「おっしゃるとおりで、その人の内側からにじみ出てくる健康的な雰囲気。それこそが本当の美しさだと思うのです。ケニアの女性たちは自分の体をどう美しく見せるかを研究することが大好きで、日々おしゃれを楽しんでいます。そういった点は、日本女性も学ぶべき点があるかなぁと」
■東島アナ「まずは自分を好きになり、個性を大切にして、ポジティブに毎日を過ごす。そのことが、女性の美と健康を支えるキーワードですね」
合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!
●次回も、ロート製薬株式会社・広報の阿子島文子さんをゲストにお迎えします。
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki