1歳半からの事故予防!おうちの安全チェックポイント4か所
2022/03/23
0歳代の頃と比べると、1歳代は立って歩き始めているなど活動範囲が広がり、ひとりでできることも格段に増えているのではないでしょうか。成長に伴って子どもの行動が変われば、起こりやすい事故も変わります。家の中の事故予防も、見直しのタイミングです。
<お話をうかがった先生>
山中龍宏(やまなかたつひろ)先生
緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。こどもの城小児保健部部長を経て現職。NPO法人Safe Kids Japan理事長。産業技術総合研究所人工知能研究センター客員研究員。『Injury Prevention』(小児事故防止の国際誌)編集委員、第10回日本外来小児科学会会長などを歴任。
今すぐチェック!安全対策ポイント【浴室】
浴室で一番気をつけたいのは湯を張った浴槽への転落・転倒です。
水深10cmでも溺れる!浴槽に湯は残さない
浴槽をのぞき込んで落ちてしまった場合、たとえ10cmの深さしか水がたまっていなくても溺れてしまうので要注意です。
湯を残す場合は浴室にカギをかける
子どもが入れないように浴室のドアにカギをつけましょう。カギを取りつけられない場合は、鈴などをつけて、開けたら音が鳴るなどの工夫を。
わが家の対策
先輩・同輩ファミリーが行っている安全対策です。
●浴槽の中にすべり止めマットを
私が体を洗っている間、浴槽の中ですべって溺れかけたので、浴槽の中にすべり止めマットを敷きました。(沖縄県 くー)
知っトクヒヤリ体験
先輩・同輩ファミリーの過去の体験から気をつけておきたい内容をご紹介。
◆親がシャンプーしているときは要注意
私が髪を洗っている間に、シャンプーのボトルをなめていたことがあります。友人は、自分がシャンプーしているときに子どもが湯船に落ちそうになったと言っていました。(秋田県 じゅん)
◆大人のまねをして湯船に落ちそうになった
私が、お風呂の湯加減を見るためにお湯をかき回す様子を子どもがまねして、湯船に落ちそうになりました。(京都府 伸ちゃん)
今すぐチェック!安全対策ポイント【ベランダ・窓際・階段】
高い場所からの転落は、命に関わることもあるのでしっかり対策を立てましょう。
ベランダには椅子や台を置かない
子どもが上れる椅子や台などを置いておくと、その上に上がってベランダから転落する可能性があります。子どもが乗れるものは置かないことを鉄則に。エアコンの室外機など、どうしても置かざるを得ないものは、できれば柵で囲っておきましょう。
知っトクヒヤリ体験
◆網戸を開けてベランダに出てしまった
網戸にしていたら、いつの間にかベランダに出ていてびっくりしたことがあります。油断大敵ですね。(静岡県 あずちゃん)
階段には柵をつける
階段は子どもにとって魅力的な遊び場ですが、階段の上から転落したり、下からひとりで上って足をすべらせたりしないように、柵を取りつけておきましょう。
窓の近くに置く家具は子どもが乗れないものを
ソファーやベッドなどの上に乗って、窓から下を見てバランスを崩し転落することがあります。子どもが上れそうな家具は、できるだけ窓際に置かないようにしましょう。
わが家の対策
●2階の部屋のドアに柵をつけて転落防止
階段を一緒に下りていたとき、最後の1段で気を抜いたら転んでしまいました。階段上には柵が取りつけられない構造なので、2階の部屋のドアに柵をつけました。(長野県 たえちゃん)
今すぐチェック!安全対策ポイント【台所】
子どもが入れないようにするのが基本ですが、料理中にぐずったときの対策もとっておきましょう。
炊飯器&ポットは手の届かない高さに
炊飯器から出る蒸気はとても熱く、蒸気にふれたり、炊飯器の上に手を置いたりするとやけどをしてしまいます。電気ケトルや電気ポットも同様です。子どもの手の届かない所に置きましょう。台所の入り口には柵をつけて、子どもが入れないようにするのが前提ですが、入ってしまったときのことも考慮しておきたいものです。
ガスコンロの場合はロックをする習慣を
子どもがガスのスイッチをさわっても着火したり、ガスが出たりしないように、ロックをする習慣づけを。ロック機能がない場合は、元栓を閉めましょう。
わが家の対策
●危険なものは台の奥に置くようにする
子どもが鍋の取っ手に手をかけたことがあります。間一髪で間に合いましたが、熱いものや危ないものは、台の奥に置いてさわれないようにしています。(兵庫県 コウ母)
●子どもがぐずったら調理をやめて相手をする
ぐずったので抱っこをして朝食を作っていたら、子どもの体にフライパンが当たり、やけどをさせてしまいました。それ以来、時間に余裕ができるように、起床時刻を早くして、ぐずったときには調理をやめて子どもの相手をするようにしています。 (大阪府 カンキツmama)
知っトクヒヤリ体験
◆扉を開けて包丁を取り出していた!
子どもが包丁を出してさわっていたことがあります。粘着テープで取りつける扉ガードをつけていたのですが、粘着力が弱まっていたため、子どもが扉を開けようとして、ガードごと取れてしまったのでした。ときどき見直さないといけないと反省しました。(島根県 たつのおとしご)
今すぐチェック!安全対策ポイント【リビング・ダイニング】
1日の中で、一番長く過ごす場所です。0歳代との違いを考えて対策を立てましょう。
危ないものは、お子さんの手の届かない範囲を想定して移動させる
椅子の上に上がって、ものを取ることができるようになってくるので、危ないものは子どもが取れない棚の奥の方に移動させるなどの工夫をしましょう。
大人のまねをして起こる誤飲に注意
何でも口に入れてしまうために起こる誤飲は減っていきますが、大人のまねをして、薬を飲んでしまうといったタイプの誤飲が増えます。直径4cm以下のものは子どもの口に入ってしまうことを忘れずに、子どもの手の届かない場所に。
わが家の対策
●熱い飲み物はテーブルに放置しない
ダイニングテーブルに熱いお茶を置いていたら、いつの間にか手が届くようになり、やけどしそうになりました。飲みかけを置きっ放しにしないようにしています。(東京都 みんこママ)
テーブルクロスは使わない
子どもがテーブルクロスを引っ張ったときに、上に置いてあったものが子どもの上に落ちることがあります。この時期は、テーブルクロスは使わない方が賢明です。
知っトクヒヤリ体験
◆椅子によじ登って後ろにバタン!
椅子の上に立てたのがうれしかったのか、手をバタバタさせていたらバランスを崩して、椅子ごと後ろに倒れてしまいました。まわりに危険なものがなかったのでケガはなくて、ほっとしました。(富山県 あまり)
家具のコーナー用カバーはまだ必要です
0歳代のときよりも活発に動くようになっているので、勢いよく転んで強く体をぶつけることがあります。ひとりで歩いたり、走ったりできるようになるこの時期も、コーナー用カバーは大切です。
指を挟まないようにドアにクッションやカバーを
強く指を挟むと、指が切断されてしまうこともあります。ドアがバタンと閉まらないようにドアノブ側にはクッションになるものを、ちょうつがい側には指が入らないようにカバーを。
ちょうつがい側は牛乳パックを広げてテープで貼る方法も。
わが家の対策
●コンセントは椅子でブロック
コンセントに興味があり、さわろうとするので、椅子を置いてさわれないようにしています。(神奈川県 ちゃこ)
床がすべりやすいなら裸足で過ごす
たくさん歩き回る今だからこそ、フローリングなど床がすべりやすい場合は、冷えないように気をつけつつ、裸足で過ごすようにしましょう。
わが家の対策
●ソファーとテーブルを離して頭ゴッツンを防止
ソファーの上に立って遊んでいたらバランスを崩して、頭からテーブルにゴッツン。ソファーとテーブルを離しておくようにしました。(新潟県 ジュン)
カーペットのめくれなどつまずき要因をなくす
家の中でも小走りするようになり、カーペットやラグなどにつまずいて転倒することがあるので、敷物の端をテープで固定するなどしてつまずかないようにしましょう。
わが家の対策
●おもちゃを踏んで転倒。一度片付けてから次を出す
おもちゃを踏んで転び、頭をぶつけました。おもちゃが散乱していると危ないので、次の遊びをするときは、子どもと一緒に片付けてから、違うおもちゃを出すようにしています。(岐阜県 きらめきのママ)
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉