無意識にやってない？さまざまな不調が現れる自律神経が乱れる原因はコレ！

頭痛や肩こり、不眠にだるさなど……さまざまな不調の原因となる自律神経は、行動や感情の変化などで簡単に乱れがち。その原因を知っておけば、たとえ自律神経が乱れてもすぐにリセットすることができます。

＜教えてくれた人＞
順天堂大学医学部教授　小林弘幸先生
自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手などのパフォーマンス向上指導にかかわる。著書に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』（アスコム）など。

そもそも「自律神経」って何？

生命活動にかかわる内臓の働きや血流、呼吸などを"いい感じ"にコントロールしている神経のこと。自律神経は、体をアクティブにする「交感神経」と、体をリラックスさせる「副交感神経」で構成されていて、このバランスがくずれると、心身にさまざまな不調が現れます。

●最近何かと不調続きの乱子さん
39歳。同い年の夫と5歳の長男の3人暮らし。フルタイムの会社員。毎日バタバタ過ごすことが多く、常に肩こりやだるさを感じている。

乱子さんの1週間を追ってみた！

【SUNDAY】
ネットドラマにドハマり中。子どもを寝かしつけたあと、自分が寝る直前までスマホでドラマを見続けてしまう。

■ブルーライトを浴び続けると、睡眠の質が下がります
睡眠は、自律神経のバランスを整えるのに欠かせないポイント。スマホの画面の光を浴び続けると、脳が覚醒して睡眠妨害に。また、寝る前に刺激的な映像などを見ると、交感神経が高まって睡眠の質が低下し、不調につながります。


【MONDAY】
夜更かししたせいで、朝寝坊してしまった。時間がないのに、なかなか準備してくれない子どもにもイライラ……。

■睡眠不足は、イライラしたり、ぼんやりしてしまう原因に
寝不足の日は、起きてからずっと副交感神経の働きが低い状態が続き、血流も悪くなります。そのため、頭に充分な酸素や栄養を送れなくなり、イライラしたり、ぼんやりしたりしがち。肩こりや頭痛を引き起こす原因にもなります。


【TUESDAY】
仕事でバタバタしていて、ランチをゆっくりとっている暇がない！今日も麺類をかき込むように早食い。

■よくかまずに早食いすると、胃腸の働きに悪影響が！
早食いすると、脳の満腹中枢が察知する前に食べすぎてしまい、胃腸に負担がかかって自律神経が乱れるもとに。ゆっくり食事できないときも、腹6～7分目の量で「よくかむ」ことを意識するだけで消化管への負担が減らせます。


【WEDNESDAY】
仕事で大事なプレゼンがあり、朝からおなかが痛～い！人前に立つだけで、動悸が激しくなり、のどもカラカラに。

■緊張が高まるほど、呼吸が浅くなり、不調を招くことに
緊張しているときは、交感神経の働きが過剰になっている状態。呼吸が浅くなり、体もこわばります。自律神経と腸内環境は密接に関連しているため、プレッシャーやストレスを感じると、腸の働きが悪くなり、便秘や下痢になるのです。


【THURSDAY】
昨晩は早めに寝たのに、朝から何か体がだるいし、やる気が出なくて、憂うつな気分に……。

■「木曜日は自律神経が乱れやすい」と意識することが大事
あらゆる年代の自律神経の数値を計測した結果※、働く人の層のデータで1週間のうち最も自律神経の働きが低下するのが、木曜日でした。金曜日は「翌日休み」という意識が働くため、数値が回復します。木曜日は疲労が蓄積していると自覚し、無理に予定を詰めすぎないようにしてリフレッシュを。※順天堂大学の自律神経研究チーム調べ


【FRIDAY】
「平日頑張ったごほうび！」と、夕食は家族で外食へ。遅い時間まで食べすぎ＆飲みすぎてしまった～。

■夜遅めの食事や食べすぎは、乱れに直結！
夜は、昼間の交感神経優位から副交感神経優位にシフトする時間帯。夜遅い時間まで暴飲暴食すると、胃腸への負担が過剰になり、自律神経のリズムがくずれるもとに。睡眠の質が下がるため、寝ても疲れが取れず、体の不調につながります。


【SATURDAY】
予定がない休日は気が抜けてしまい、朝ゆっくり起きてゴロゴロして1日が終わってしまいがち。家事もやる気が起きない～。

■目的なくゴロゴロ過ごすと、逆に疲れやすくなります
休息のとり方は人それぞれですが、特に目的なく1日を過ごしてしまうと、かえってストレスがたまって自律神経の乱れにつながります。いつもよりゆっくり朝食をとる、家族と多く会話するなど、満足感が得られる行動を意識して取り入れてみて。



参照：『サンキュ！』2022年3月号「自立神経を整える」より。掲載している情報は2022年1月現在のものです。構成・文／宮原元美　編集／サンキュ！編集部