腸活の基本は、腸内環境を知ること!腸内細菌と仲よくすること! ~連載「はじめよう!フェムテック」

2022/05/19

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

●パーソナリティー

伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。29歳の長女一人。

東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

●ゲスト

古田雄一郎さん Yuichiro Furuta
森永乳業(株)食品素材統括部 販売企画機能性グループ マネージャー。
1996年麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、森永乳業入社。酪農部で生乳取引や飼料販売などを経て、子会社の(株)クリニコで医療食販売や在宅医療事業などに従事。2010年より機能素材事業部で機能性素材販売などBtoB事業を行う。2015年以降も、所属部門の業務を引き継いだ食品素材事業部にて、機能性素材の販売企画に携わり、2022年4月より現職。
https://www.morinagamilk.co.jp/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。ゲストは、森永乳業の古田雄一郎さんです。「さすが!腸内細菌のスペシャリスト! 50代前半とおっしゃっていましたが、お腹もペッタンコで肌もつやつや。まさに腸活を実践されている賜物だと思うので、俄然、腸活に興味が湧いてきました(笑)」(伊久美)

健康な体づくりは、まずは腸内環境を正しくイメージすることから!

■東島アナ「これまでのゲストやリスナーから、“フェムテック=健康の問題がとても大切”という共通のお声をいただいています。そこで今回は、最近よく耳にする健康のキーワード「腸内環境」をテーマにお送りします。ゲストは、心と体の健康をサポートするスペシャリストのご登場です。日本を代表する乳業メーカー、森永乳業の食品素材統括部 販売企画 機能性グループ マネージャーの古田雄一郎さんにお越しいただきました。早速ですが、古田さんはフェムテックという言葉をご存知でしたか」

■古田「はい。我々の会社・森永乳業でも、非常に関心の高い分野の言葉です。当社は、新生児から高齢者まで、さまざまな事業をサポートしているのですが、女性が健康であってこそ社会に笑顔があふれる!ということが非常に大切だと考えています。そのためにも、フェムテックは重要なキーワードだと思っています」

■伊久美「 おっしゃるように、女性の健康課題を解決し、周りのみんなも幸せで笑顔になるということが、フェムテックのゴールです。腸内環境を整えることと、女性の健康維持には、深い繋がりがありそうですね。私が関わっている雑誌『サンキュ!』でも、腸に関するテーマはトレンドで、よく特集を組んでいます。ただ、私自身、“腸を整えると、便秘やダイエットの悩み改善につながる”というくらいの知識しかなくて。腸内細菌や腸内環境という言葉について、改めて教えていただけますか」

■古田「人間の大腸には、40兆個以上の腸内細菌がいます。これらは、みなさんが食べたものの食べカスを利用して、人間の体ではつくれないもの、例えばビタミンなどもつくって、私たちの体をサポートしてくれています。この腸内細菌がつくり出した環境のことを“腸内環境”といいます。そして、世界中でひとりとして、自分と同じ腸内環境の人はいないのです」
東島アナ「腸内環境が大切なのはわかりました、でもイメージするのが難しいですね~」

■古田「目に見えないので、はっきりしたイメージが湧かないかたが多いかもしれませんが、口から肛門は1本の消化管で繋がっています。単純に表現すると、人間の体は“ちくわ”になります」

■伊久美「ちくわ!なるほど~。すごくイメージできました(笑)」

■古田「ありがとうございます(笑)。ちくわの穴を想像すると、穴は体の内側だけでなく、外側にも繋がっていますよね。腸には、食事をすることで口からいろいろな物が入ってきますが、外部からの異物も侵入します」

■東島アナ「そうなんですね!腸は体の内側というイメージでした」

■古田「腸は外部からの入口なので、外部からの異物侵入に備え、免疫細胞の6~7割が集まっています。人間の体の細胞は37兆個と考えられておりますが、菌は細胞よりも多く40兆個以上も存在していると言われているんです」

■伊久美「えっ、細胞よりも菌のほうが多いのですか」

■古田「菌の方が多いです。約1.5kgもあって、だいたい肝臓と同じくらいの重さです。数と重さから考えても、私たちの体にとって重要なのです。先ほどお話したように、腸内細菌と共存することで、人間の体だけではできないことを菌がサポートしてくれていることも、さまざまな研究を経て実証されています」

■伊久美「そうなのですね~。菌っていうと体に悪影響を及ぼすものというイメージですが、共存することが重要なのですね」

健康を支える腸内細菌に“よいエサ”を与えてグッドエイジング

■東島アナ「お話を伺って、腸内細菌や腸内環境についてイメージできてきたのですが、具体的に、腸の状態が全身にどのような影響を与えているのでしょうか」

■古田「女性の場合、ホルモンバランスの変動でお腹が痛くなったり、便秘になったりすると、イライラすることがあると思います。このように、最近では、腸の状態が脳の役割に関与していると言われ、その研究も進んでいます。人間の進化論の観点からも、先に腸、その後に脳ができているため、腸の状態が脳の状態をサポートしている可能性がある、と言われています」

■伊久美「腸ってすごい! いかに腸を整えるかは、生きていく上で重要ですね。加齢によって、腸内環境は変化していくのでしょうか」

■古田「2016年に、当社が世界に向けて発表した調査があります。生まれてから100歳までの方々の腸内細菌が、どのように変化していくのかを観察したところ、体によいと言われるビフィズス菌は年齢とともに減少し、その分悪い菌が増えていくことがわかりました。100歳くらいになると、まったくビフィズス菌がいないかたもいました。また、元気なお年寄りは、ビフィズス菌の量が多いという結果も。人間の体にある菌の総数は変わらないので、いい菌が減るとその分悪い菌が増えて、その比率がみなさんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に繋がっていくのではないでしょうか」

■伊久美「腸内環境を整えると、睡眠の質が向上するという話も聞いたことがあります」

■古田「腸はたくさんの神経が通っている場所なので、睡眠にも大きな影響があると言われ、睡眠と腸の状態の関係性についても研究が進んでいます。実際、ヨーグルトを食べるようになって、眠りが深くなったという方もいらっしゃるようです」

■東島アナ「“自分の腸内細菌に、ヨーグルトのようなよい食事与える”ということですね」

■古田「はい。菌にはよいエサが必要なのです。また、最近では、一人一人が違う菌をもっているので、そのかたにぴったりのエサも違うと言われています。ヨーグルト以外にもオリゴ糖や食物繊維は、腸内環境の改善に効果が期待できて、それらを多く含む日本食は、いろいろな菌を育てるのに優れているようです」

■伊久美「日本食なら私たちの毎日の食事で補うことができますよね」

■古田「その通りです。腸内細菌と仲よくすることで、よりよい年のとり方ができるということです。アンチエイジングより、グッドエイジングを目指したいですね」

■伊久美「グットエイジングって、まさにフェムテックの考え方だと思います。腸内環境とフェムテック、とてもつながるなぁ~と感じました」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回も、森永乳業の古田雄一郎さんをゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki

 
 

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