大切なのは、フェムテックへの理解を深め続けていくこと~連載「はじめよう!フェムテック」
2022/08/24
2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。
<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。30歳の長女一人。
●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。
<ゲスト>
●吉田菜々絵さん Nanae Yoshida
株式会社 明治 マーケティング本部 スポーツマーケティング部所属。4年間の営業を経験したのち、2014年にマーケティング本部へ配属となる。「アミノコラーゲン」のブランド担当を経て、2017年より「女性特有の健康課題解決」をテーマとした新規事業の立ち上げ、マーケティングを行っている。明治がこの秋から本格的に商品を発表するに新ブランド「明治フェムニケアフード」の中心メンバー。
まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。今回のゲストは、株式会社 明治 マーケティング本部 スポーツマーケティング部の吉田菜々絵さんです。「吉田さんは、プライベートでトライアスロンにも挑戦しているというアクティブな女性。明快に、新ブランド “明治フェムニケアフード” のコンセプトや立ち上げ秘話を語ってくださいました。私も、発売が楽しみです!」(伊久美)
新ブランド誕生秘話~男性からの反応は?
■東島アナ「今回のゲストは、株式会社明治 マーケティング本部 スポーツマーケティング部の吉田菜々絵さんです。所属されているスポーツマーケティング部というのは、どういう部署なのでしょうか」
■吉田「プロテインの“ザバス”、美容の“アミノコラーゲン”など、健康を支える商品を取り扱っている部署になります」
■伊久美「どちらも、大人気商品ですよね。さらに、この秋から“明治フェムニケアフード”というブランドが誕生するそうですね。詳しく教えていただけますか」
■吉田「はい。女性特有の健康課題に着目し、食で向き合う新しいブランドになります。ブランド名の“明治フェムニケアフード”は、女性のフィメール、ケア、フードを掛け合わせた明治の造語です」
■東島アナ「食の分野から健康をサポートするということで、注目が集まっている取り組みですよね。どういったきっかけで、このブランドを立ち上げることになったのですか」
■吉田「社内で商品開発をしているときに、日常生活の中で困っていることについて話し合う機会がありました。そこで、私は“月経がつらい”と発言したのです。そうしたら、賛同者が続出! しかも、みんなが解決方法がわからなくて、ひとりで悩んでいるという状況でした。この会議室でこれだけ多くの人が、女性特有の健康課題で悩んでいるのなら、社会全体で考えたら、深刻な状況ではないかということになり、ブランドを立ち上げることになりました」
■伊久美「吉田さんのたった一言から、すべては始まったのですね」
■東島アナ「プロジェクトを進めていくうえで、どんな点が難しかったですか」
■吉田「いちばん時間を費やしたのは、男性に理解してもらうということです。当初、このプロジェクトに対して、男性社員や上職者からの反応が芳しくなかったのです。“どうして、わかってもらえないのだろう”と、やきもきすることもありました。ただ、冷静に考え、例えば月経前症候群(PMS)というのは女性特有の症状なので、経験したことがない男性が、すぐに理解できないことは当然だと思いました。そこで、女性の体のメカニズムやライフステージごとに起こる体の変化、併せて女性特有の症状が仕事に与える影響や労働生産性についても、ていねいに説明するようにしていきました」
■東島アナ「どのくらいの期間で、このプロジェクトを立ち上げたのですか」
■吉田「5年くらいです。結構、長かったです(笑)」
■伊久美「フェムテックが、ここまでのムーブメントになっていなかった時期からのスタートなので、ご苦労も多かったのではないでしょうか。この番組でも、フェムテックに対する男性からの視点について議論してきたのですが、多くの男性から、女性を気遣いたい気持ちがあっても、うまく表現ができないという声がありました。きっと、当初、このプロジェクトに対する反応が芳しくなかったというのも、男性の“照れ”もあったのでしょうね」
新ブランド誕生秘話~女性からの反応は?
■東島アナ「プロジェクトに参加していない女性社員のかたたちからの反応はいかがでしたか」
■吉田「弊社は、営業、研究、工場など、さまざまな職種で女性社員が働いています。工場勤務の女性だと、“夜間勤務と重なるとツライ”。また、営業職からは、“上司と同行しているとトイレへ行きづらい”というような声がありました。このプロジェクトのおかげで、いろいろな部署の女性たちから、女性特有の健康課題に関する多様な報告を聞くことができました」
■東島アナ「今後が楽しみですね。今回の取り組みもフェムテックの一環ですが、今後プロジェクトが進んでいくと、どのような社会になっていくと思われますか」
■吉田「今までタブー視されてきた領域が、フェムテックというムーブメントによって関心が高まることは、素晴らしいと思います。ただ、ムーブメントで終わらせるのではなく、女性特有の健康課題について理解を深め続けていくということで、よりコミュニケーションが円滑になり、持続可能な社会が実現していくと思っています」
■伊久美「私も“フェムテックは、打ち上げ花火で終わらせてはいけない“といつも考えています。そして、この番組のコンセプトが、“女性が幸せになれば男性も、そして、社会全体がハッピーに”ということなので、私たちの思いとも合致していてうれしかったです」
合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
●社会全体で女性特有の健康課題について、理解を深めていくための啓発プラットフォーム 「フェムリンクラボ」https://www.meiji.co.jp/learned/femlink-lab/
●次回も、株式会社 明治 スポーツマーケティング部の吉田菜々絵さんをゲストにお迎えします。
【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!
【イベント インフォメーション】
■女性の“健康”と“活躍”を支援する「Femtech Tokyo」開催!
女性のライフステージにおける様々な課題を解決できる「フェムテック・フェムケア」を手がける企業が集まるイベント、第1回 Femtech Tokyoに、ニッポン放送「はじめよう!フェムテック」と『サンキュ!』が協力媒体として参加します。当日は、様々な企業が生理・妊活・妊娠期・産後・プレ更年期など女性の心身の悩みを解決するコンテンツを展示する予定です。
2022年10月20日(木)~22日(土) 会場:東京ビッグサイト
「展示会の詳細&入場のお申込(無料)はこちら」 https://www.femtech-week.jp/ja-jp.html
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki