男女ともに“無言の配慮”ができる世の中を目指したい!~連載「はじめよう!フェムテック」

2022/08/25

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。30歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

<ゲスト>
●吉田菜々絵さん Nanae Yoshida
株式会社 明治 マーケティング本部 スポーツマーケティング部所属。4年間の営業を経験したのち、2014年にマーケティング本部へ配属となる。「アミノコラーゲン」のブランド担当を経て、2017年より「女性特有の健康課題解決」をテーマとした新規事業の立ち上げ、マーケティングを行っている。明治がこの秋から本格的に商品を発表するに新ブランド「明治フェムニケアフード」の中心メンバー。


まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。今回のゲストは、株式会社 明治 マーケティング本部スポーツマーケティング部の吉田菜々絵さんです。「新ブランド“明治フェムニケアフード”の立ち上げに、5年もの歳月をかけて取り組んできたという吉田さん。女性特有の健康課題を解決していきながら、幸せな社会を実現していこうという熱い思いが伝わってきました。今回は、吉田さんが考えるフェムテックの課題について伺います」(伊久美)

女性特有の健康課題の解決について、より多くの人が知る機会をつくる

■東島アナ「前回に引き続き、ゲストは株式会社 明治、マーケティング本部スポーツマーケティング部の吉田菜々絵さんです。吉田さんは、今後フェムテックを進めていくうえでの課題について、どのようにお考えですか」

■吉田「根本的に、女性特有の健康課題に関する知識不足があると思います。残念ながら、現状の日本の性教育は、充実しているとはいえない。そのことが、女性特有の健康課題をタブー視する風潮につながっているような気がします。当事者だけでなく、社会全体で理解を深めていくことが重要だと感じています」

■伊久美「“日本では性教育が遅れている”という話は、何度もこの番組の中で話題に上っているのですが、吉田さんは、どのように理解力を深めていくのがよいと思われていますか」

■吉田「例えば、女性の体は女性ホルモンの影響を受けて、ライフステージごとにさまざまな不調があること。そして、女性特有の健康課題というのは、具体的にどういう症状があるのかなど、まずは知ることが大事だと思います」

■伊久美「御社では、男性社員にそういうことを知ってもらう機会を設けていらっしゃるのですか」

■吉田「弊社では勉強会を実施していて、男性、女性問わずに“学んでいこう”というムードをつくっています。」

■伊久美「あらゆるコミュニティの中で、実際に学ぶ機会をつくっていくことが大事ですね」

一人一人が“無言の配慮”ができる社会を目指して!

■東島アナ「女性特有の健康課題を深めていこうとする動きの一方で、オープンに、女性特有の健康課題について話をすることに対して、疑問や戸惑いもあるようです。御社では、女性が男性に求める配慮について、どんな意見が出ていますか」

■吉田「人それぞれ、いろいろな考えがあるので、難しいですね。男性からの配慮については、“あえて職場では、女性特有の健康課題について、直接声をかけてほしくない。察してくれるだけで十分”という意見が目立ちます。一方で、パートナーから“僕にできることがあったら言ってね”と声をかけられたことは、気持ちが楽になるようです」

■伊久美「男性社員のかたたちからは、女性への配慮について、どんな意見がありますか」

■吉田「“パートナーが今日はイライラしているなぁと感じたら、おそらく月経前なのかもしれないと察して受け流すと、衝突を避けられるようになった”という話は聞きますね」

■伊久美「男性からすると、“察する塩梅”が難しいでしょうね。スマートに対応できたら、その男性はモテモテですね(笑)。何か男性に、察するためのアドバイスはありますか」

■吉田「男性と女性は体の仕組みが違うので、まずは女性の体のメカニズムを知ることでしょうか」

■伊久美「“メカニズムを知る”というのは、男性には受け入れやすいかもしれません。フェムテックも“テクノロジー”という言葉が入っているから男性にとっても、わかりやすくなったと言われていますので、よいですね!」

■吉田「月経周期によって、女性にはどのような体調や気持ちの変化があるのかを知るだけで、“無言の配慮”ができるようになるのではないかと思います」

■伊久美「“無言の配慮”、これは男性も女性も、双方がもたいないといけないですよね」

■東島アナ「そうですね。さまざまなフェムテックの試みが進んでいる御社ですが、女性にとって働きやすい環境だと、吉田さんは思われますか」

■吉田「以前に比べて、より働きやすくなっていると思います。昨年度から社内で、“DIAMOND(Diversity&Inclusion Activities~Meiji’s Open & New Directions~)プロジェクト ”というのが立ち上がりまして、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を受け入れる)の取り組みを推進しています。この取り組みの柱の一つに“女性活躍”があります。プロジェクトとして“かがやき塾”という、社内のさまざまな部署の女性従業員が自主的に参加するネットワークがありまして、全国で活躍する女性社員や、ロールモデルとなるような女性とつながるような取り組みを行っています。テーマは、女性が働きやすい社会、月経、更年期など、さまざまですが、毎回、活発な意見交換がなされています」

■東島アナ「さらに、御社では、“フェムリンクラボ”というプラットフォームを始めていらっしゃいますね。詳しく教えていただけますか」

■吉田「女性特有の健康課題を阻むのは、女性自身、社会組織、家族、パートナー、それぞれの知識不足が要因だと思っています。そこで弊社では、社会全体で女性特有の健康課題について、さまざまなかたが理解を深めていくために、啓発プラットフォームを立ち上げることにしました」

■伊久美「月経前症候群(PMS)、各企業のフェムテックに関する取り組みについての対談など、記事が充実していますね。私の周囲の男性たちも“すごくわかりやすい!”と興味をもっていました」

■吉田「ありがとうございます。多くのかたがたに“フェムリンクラボ”をのぞいていただき、フェムテックがより世の中に浸透していけばうれしいです!」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回は、生活情報誌『サンキュ!』編集長・山本沙織さんをゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

【イベント インフォメーション】

■女性の“健康”と“活躍”を支援する「Femtech Tokyo」開催!

女性のライフステージにおける様々な課題を解決できる「フェムテック・フェムケア」を手がける企業が集まるイベント、第1回 Femtech Tokyoに、ニッポン放送「はじめよう!フェムテック」と『サンキュ!』が協力媒体として参加します。当日は、様々な企業が生理・妊活・妊娠期・産後・プレ更年期など女性の心身の悩みを解決するコンテンツを展示する予定です。

●2022年10月20日(木)~22日(土) 会場:東京ビッグサイト
「展示会の詳細&入場のお申込(無料)はこちら」https://www.femtech-week.jp/ja-jp.html


●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki

 
 

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