“自分を後回しにしない”ことが、健やかな日常生活つくる~連載「はじめよう!フェムテック」
2022/09/09
2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。
<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。30歳の長女一人。
●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった32歳。
<ゲスト>
●山本沙織さん Saori Yamamoto
1971年岐阜県生まれ。大学卒業後、保険会社を経て、1997年にベネッセコーポレーション入社。主婦向け情報誌『サンキュ!』副編集長、書籍ムック部副編集長、姉妹誌、WEBサイト立ち上げ、『サンキュ!』のブランドマーケティングを経験。通算20年以上、ママむけメディアの編集やマーケティング、イベント事業に携わる。現在は、不況下でも生活実用情報誌8期連続購買数NO.1※ を続ける『サンキュ!』の編集長として活躍中。企業向けの講演、セミナーなど多数行う。プライベートでは、小4と年中、姉妹の母親でもある。
※日本ABC協会 発行者レポート2021年7月~12月 月刊誌販売会社部数
まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。今回のゲストは、ベネッセコーポレーション、『サンキュ!』編集長の山本沙織さんです。「沙織ちゃんのお話は、すべて生活に密着していることなので、これまでこの番組で語られてきた内容とは違った視点でフェムテックについて語り合えるのが新鮮です。身内ながら、なかなかよいことを言いますよね(笑)心に残ったなぁ」(伊久美)
目・歯・髪 ~今、女性たちは、健康への先行投資を始めている
■東島アナ「今回もゲストは、生活情報誌『サンキュ!』の編集長・山本沙織さんです。主婦のみなさんはもちろん、女性の強い味方である『サンキュ!』ですが、フェムテック事情も詳しく掲載されていますよね。編集長である山本さんは、フェムテックをどのように捉えていらっしゃいますか」
■山本「“自分を後回しにしない”ことが、女性の健やかな日常生活の中で、大切だと思っています。一見、自分勝手な振る舞いのように聞こえますが、自分を大切にすることで家族に対しても明るく穏やかでいられ、そのことで家族も幸せになり、仕事や育児もうまくいく。そう実感されているかたが、『サンキュ!』にもたくさん登場しています」
■伊久美「“自分を後回しにしない”って、すごいキーワードだと思う。つい頑張り過ぎてしまう人にこそ、ぜひ心に留めておいてほしいですよね」
■東島アナ「編集部のメンバーの大半は女性とのことですが、健康に関する話題は多いですか」
■山本「よく話しますね。コロナ禍ですし、更年期世代の部員も多いですし、読者の年齢が上がってきているということもあります。創刊したころは、読者の関心事はダイエットでしたが、今は健康特集のほうが人気ありますね」
■東島アナ「具体的に、読者からは健康に関するどんな悩みが寄せられていますか?」
■山本「自分のことを更年期だと思っていないかたが多いですね。“肩凝りがつらい”“トイレが近くなってきた”“家族に対してキレてしまう”といった、“なんとなく不調”を感じているという声が寄せられています。ですからストレートに「更年期対策」と特集するよりも「◯◯という症状はない? そんなときどうする?」というタイトルのほうが、読者にとっては響くようです。最近、最も人気があった特集は、「女性ホルモンが減らない暮らし方」です。“なんとなく不調”は、ホルモンバランスの乱れによるものだということを、いろいろな角度から取材し、企画にしています」
■伊久美「フェムテックという言葉を知らなくても、みなさん、日々、フェムテックを課題にしていますよからね」
■山本「そうですね。そして、フェムテックという言葉を知っているかたも、最近ではかなり増えてきていると思います」
■東島アナ「フェムテックの特集というと、月経、更年期、ホルモン系の話題が中心となると思いますが、他にはどんな特集が読者に人気がありましたか」
■山本「目と歯を大切にするという企画です。自分だけでなく、家族全員に関わることですし、どちらも、一度ダメになると治療費の桁が違うので、大量出費につながるということも、読者の気を引くポイントだったのかもしれません」
■東島アナ「他にはありますか」
■山本「ヘアケアの企画ですね。最近は、マスク生活なので、顔が隠れているので、より髪の毛に目がいくと感じているかたが多く、白髪や髪の乾燥対策に関する記事は、反響がありました。コロナ禍で、自分自身の体調に敏感になり、目、歯、髪へのケアなど、次に弱りそうなところに対し、先行投資として時間とお金を使おうとする人が増えているようです」
■伊久美「フェムテックとお金、という視点は新しいですよね」
フェムテックに関しても、読者はいろんな人の実践例が知りたい
■東島アナ「多くの読者のかたがたの声を吸い上げて、企画を練っていらっしゃると思いますが、読者と直接、またはオンラインでフェムテックに関してお話をして、印象に残ったことはありますか」
■山本「毎月、自分の月経の時期を夫と子どもに伝え、“今月はこの辺りの期間、きっとイライラしているからよろしく!”と、伝えている読者がいらっしゃって。これぞまさにフェムテックだなと!その情報を早速読者にシェアしました。今後もみなさんのフェムテック活動を、この番組のまとめ記事も発信しているサイト『サンキュ!わたしのカラダLab』で情報を流したり、イベントを通してアウトプットしていきたいと思っています」
■東島アナ「だれかのフェムテックに対する取り組みを、自分の生活にとり入れてみたいと考えるかたは、きっとたくさんいらっしゃいますよね。『サンキュ!』の編集部として、フェムテックを通して、どんな世の中になっていくとよいと思われますか」
■山本「フェムテックという言葉を初めて聞いたときに、“女性に目を向ける”ということだと思い、自分も女性として嬉しく思いました。フェムテックを通じて、女性が自分の心と体を大切にすることの重要性が、女性だけではなく男性にも理解されていくとよいなぁと思っています。女性はホルモンバランスの影響で、自分の心と体の状態が不安定になることがあります。男性にはわかりづらいことだと思いますが、少しでも同じ目線に立って知ろうとする気持ちを持ってもらえるだけで、男性も女性がイライラしている理由を予測できるようになり、心地よい関係性になっていくのではないかと思います」
■伊久美「まさにこの番組のメッセージと同じ、“女性が幸せになれば、男性も。そして、社会全体がハッピーになる”ですね」
■東島アナ「女性が“なんとなく不調”を感じているとき、家族と一緒に『サンキュ!』の特集を見てみるのもよいですね。今後の記事にも期待しています!」
合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
●次回は、睡眠コンサルタントの友野なおさんをゲストにお迎えします。
【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!
【イベント】女性の“健康”と“活躍”を支援する「Femtech Tokyo」開催!
女性のライフステージにおける様々な課題を解決できる「フェムテック・フェムケア」を手がける企業が集まるイベント、第1回 Femtech Tokyoに、ニッポン放送「はじめよう!フェムテック」と『サンキュ!』が協力媒体として参加します。当日は、様々な企業が生理・妊活・妊娠期・産後・プレ更年期など女性の心身の悩みを解決するコンテンツを展示する予定です。
2022年10月20日(木)~22日(土) 会場:東京ビッグサイト 「展示会の詳細&入場のお申込(無料)はこちら」https://www.femtech-week.jp/ja-jp.html
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki