校舎のアジア女子学生。

大学入試、6割が推薦の時代。親世代とは違う「備え方」を知っておきたい。

2023/02/03

大学に推薦で入学する人のほうが多くなったって本当?推薦入試を受けるポイントとは?親世代の頃と比べて大きく変化する学校教育、ついて行けていますか?今どきの教育・進学事情や用語を、専門家にインタビュー取材します。

<教えてくれた人>
進学指導のプロ 谷本祐一郎さん
ベネッセコーポレーション教育情報センター長。島根県総合教育審議会委員。国内最大規模の「進研模試」のデータ分析などをもとに「これからの大学入試」について指南。メディア取材や講演等も多数。

ジャーナリスト 宮本さおり
夫の米国留学で新聞記者から専業主婦に。帰国後、子育て・教育分野を中心に執筆。『データサイエンスが求める新しい数学力』(日本実業出版社)著者。大学生と小学生の母。

Q 大学に推薦で入学する人のほうが多くなったって本当ですか?

A 推薦などの「年内入試」で入学する人が半数。私立大学では6割を超えています。

桜
ramustagram/gettyimages

私たち親世代は、一般入試で大学に入学する人が圧倒的に多く、主流を占めていました。推薦入試といえば、運動や文化的活動など、いわば勉強以外のところで実績を残した人が受ける入試というイメージではないでしょうか。
ところが、現在の大学入試では逆転現象が起きています。私大では、すでに入学者の約60%が年内に合格を決めています。これは親世代のときの入試と比べると、与党と野党が逆転したくらいのレベルの変化です。こうした入試は、選抜が秋ごろに始まり、ほとんどの私大で年内に合否が決まることから、「年内入試」と呼ばれるようになってきました(一部私大では1月の共通テストを課すケースもあり)。
この「年内入試」には大きく分けて二つの種類があります。校長の推薦が必要な学校推薦型選抜と、推薦のいらない総合型選抜です。指定校推薦も学校推薦型の一種です。最近は私立だけでなく国公立大でもこうした入試の導入が進み、一般入試の後期日程を廃止してその定員を総合型や学校推薦型に充てる大学も出ています。

推薦入試を受けるなら勉強以外に何を頑張ればいい?

アジアの親と娘
miya227/gettyimages

高校の授業で探究学習をして論文にまとめる学校もあります。こうした機会がある場合は有効活用しましょう。家庭でも、小さい頃からいろいろな物に触れる機会をつくってあげてください。その際、子どもたちが感じたこと、思ったことを自分の言葉で語れるように「問いかけ」を心がけることが大切です。こうした親子コミュニケーションが、志願書作成や面接で必要な力を養います。(谷本さん)。

「年内入試」ということは受験の準備も早まる?

総合型選抜は11月、学校推薦型選抜は12月に合格発表のところがほとんど。いずれの入試でも明確な志望動機が求められ、高校までの学びや経験を大学でどう深めたいかが問われます。高2の3学期を目途に大学進学の動機の大枠を固め、高3の1学期に書き上げていくイメージを持つとよいと思います。ただし、年内入試で落ちることもありますから、一般入試への備えも必要です。(谷本さん)。

参照:『サンキュ!』2023年2月号「今どきの教育事情どうなってるの?」より。掲載している情報は2022年12月現在のものです。プロップ制作/川村ちゃん 取材・文/宮本さおり 編集/サンキュ!編集部

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