日本の女子大生

今、大学が入学して欲しいのはどんな学生?『何を学びたいのかを明確に』

2023/08/29

親世代の頃からどんどん変化する学校教育、ついていけていますか?今どきの教育・進学事情や新しい教育用語を、専門家にインタビュー取材します。今、大学が入学して欲しいのはどんな学生?求められる姿を教えてもらいました。

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<教えてくれた人>
・村山和生さん
ベネッセ i-キャリア・主席研究員。大学向け情報誌「Between」編集委員。大学改革の現場でコンサルティングや調査・研究をしてきた経験から「大学の現在」「大学教育の変化」などについてのメディア取材や講演多数。

・ジャーナリスト 宮本さおりさん
夫の米国留学で新聞記者から専業主婦に。帰国後、子育て・教育分野を中心に執筆。『データサイエンスが求める新しい数学力』(日本実業出版社)著者。大学生と中学生の母。

今、大学が入学して欲しいのはどんな学生?

◆入学後も積極的に学び続ける「学習意欲の高い学生」が欲しい。

ノートや教科書で一生懸命勉強する人間の手
takasuu/gettyimages

大学教育は長らく教える側の視点に比重が置かれてきましたが、最近では「学生自身が何を学び、身につけることができるのか」という、学ぶ側を中心とした視点へとシフトしています。
当然授業スタイルも変化していて、ディスカッションにプレゼンテーション、プロジェクトを軸に思考を働かせるPBL学習など、学生が主体的に動かなければ成り立たない授業が増えました。そのため大学側は、大学入学=ゴールと考える学生ではなく、入学後も学び続ける意欲のある学生が欲しいのです。
総合型選抜などに代表される、年内入試比率の高まりもここに関係しています。年内入試の特性上、入試を受ける段階で、大学のアドミッション・ポリシー(=どのような学生を求めているかを明記した受け入れ指針のこと)を確認し、その大学で何を学びたいかを明確にしておく必要があります。そのため、年内入試組の学生は、入学後に自分がやりたいことと、大学で学ぶ内容とのミスマッチが起きにくいことがわかっています。

【「年内入試」の学生は教育目標の認知率が高い】大学を対象にした調査でも、年内入試で入学した学生は、大学が掲げる教育目標を正しく理解している割合が高い。

大学が年内入試を推進するメリットは?

鉛筆、鉛筆削り、解答用紙または標準化の消しゴムは、バブル回答フォームをテストします。複数選択解答用紙
Tevarak/gettyimages

一般入試で合格する学力レベルの似た学生ばかりだと、ディスカッションの授業などで意見に偏りが出る可能性も。リーダーシップが取れるなど、多様な経験値を持つ学生が年内入試で入学することで、授業が活発に進んだり、議論が広がったりする側面があります。学生の7割が近隣県出身という状況の首都圏では、地方枠を設けている大学がありますが、これも多様性を持たせたいという大学側の意思の表れです。(村山さん)

自分の学びたい内容が学べる学部かどうかは、どうすればわかる?

日本の教室の眺め。2
jyapa/gettyimages

ひとくちに「国際学部」といっても、英語による授業で政治学を教える大学もあれば、英語の習得そのものに力を入れる大学もあります。まずは大学のホームページやパンフレットで、アドミッション・ポリシーを確認し、オープンキャンパスに参加できる場合はぜひ模擬講義を受けてみてください。受験を検討している学部のゼミのテーマや、学生が書いた卒業論文のテーマを見るのもオススメです。(村山さん)

参照:『サンキュ!』2023年9月号「今どきの教育事情どうなってるの?」より。掲載している情報は2023年7月現在のものです。撮影/押尾健太郎 プロップ制作/川村ちゃん 取材・文/宮本さおり 編集/サンキュ!編集部

 
 

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