今どきの大学受験は複雑すぎる!?受験のプロに聞いた「知らないと損する」制度解説

2025/06/19

親世代の学生時代とは様変わりした今の大学受験。
まだまだわが子は幼いから関係ない…と思っている人はちょっと待って!受験に費やす時間とお金をムダにしないためにも、親はどうサポートしたらいいのか、今から知っておくことはとっても大事です。
知らないと損する!大学受験の最新ニュースを受験のプロに聞きました。

大学合格のための受験戦略や情報収集術を体系化し、全国の高校や予備校等での講演、各メディアで提供。著書に『大学...

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今の大学受験で大切なのは「情報力」!“合格”を呼び寄せる戦略を親子で立てよう

「今や大学受験は『情報戦』。制度が複雑なため、情報を集めて戦略を立てることが重要です」と鈴木さん。「合格を勝ち取るには学力も大事ですが、情報不足だと勉強に注ぐ努力と時間が空回りで終わることも。まずは多様な受験方式や制度があることを知り、子どもに最適な合格ルートを探すことで有利に戦えます。子どもが勉強に集中できるよう、また受験費用を抑えるためにも、親は情報収集を担当してサポートしましょう」。

知らないと損する!大学受験 最新NEWS

高校選びの段階で「指定校推薦」の枠をチェック!大学受験をサラッとパスできるかも

高校を選ぶ際に、「どんな大学の推薦枠がある高校か」を調べて。「ただ指定校推薦の情報は在校生以外には公開しない学校も多いため、通っている生徒の先輩ママや塾が持っている情報を入手!また、高校1年生のうちに推薦希望を高校に伝えておかないとダメな場合もあるなど、独自のルールがあるので、入学後は早めに先生に相談を(鈴木さん/以下同)」。

「大学入学共通テスト利用入試」なら、受験の負担がグッと軽くなるケースが!

「私立大志望なら3科目に集中できますが、国公立大志望だと共通テストで8科目を受験するのが一般的。そのため、滑り止めの私立大受験では私立に絞っている学生と比べてハンデがあるとも言えます。共通テスト利用入試を活用すると、共通テストの結果のみで合否が決まり、私立大の個別試験を受けずにすむのでラクですよ」。

GOOD POINT

□ 個別試験を受けずに、複数の大学を受験できる
□ 遠方の大学でも受験しやすい
□ 学部別入試に比べて受験料が約2万円安い場合も!

「予約型奨学金」に申し込んでおくと、合格したらすぐ奨学金を受け取れる

一般的に奨学金が支給されるのは大学入学後の5月以降。「でも予約型の奨学金は高校在学中に採用が決まり、その大学に入学が決まると間もなく現金で支給されるか、入学金や授業料などから減額されます。日本学生支援機構の奨学金のほか、各大学が独自で設けている奨学金もあるので、ホームページなどで情報を集めて」。

成績優秀じゃなくても、「大学の奨学金制度」を申し込める学校が増えている!

私立大では学生を獲得する目的で、ほどほどの成績でも申し込める返済不要の奨学金を設けていることも。「500名など採用者が多いものや所得制限がないものもあります。私立でも学費の半分が支給されれば国公立並みの学費で学べるので、奨学金が出る大学や受験方法を狙うのも手。大学のサイトや受験総合サイトで探してみましょう」。

第一志望に落ちても、編入や大学院進学で“志望校”に入る手もある

「もし第一志望じゃない大学に進むことになったとしても、2~3年生で志望校の編入試験を受けて途中から入学したり、大学院に進むつもりなら志望校の大学院試験にトライすることもできます。昔と違って今は編入試験や院試の方が大学入試より入りやすい場合もありますから、『受験に失敗した』とあきらめなくて大丈夫!」。

「英語外部検定試験利用入試」を選べば、受験のとき英語の試験を免除される場合も。高2までにクリアすると後がラク

英検などの検定試験(外検)を受験の合否判定に利用する大学が増加中!「大学ごとにルールは違いますが、英検2級など一定の成績を取れば入試の得点に加算されたり、英語の試験が免除されることも。外検の有効期限は入試日からさかのぼって2年以内が一般的で、受験前から英語対策ができて有利!使わない手はないですよ」。

「学校推薦型」を狙わないなら、受験科目に絞って勉強する方が効率的

「高校受験と違って、大学受験では学校推薦型でない限り、内申点はほぼ関係ありません。全教科まんべんなく高成績を目指すのは子どもも大変ですから、早めに進路を決めて志望校の受験に必要な科目を見極めると◎。貴重な勉強時間とエネルギーを受験科目に集中できて、志望校合格にグッと近づきます!」。

親が押さえておくべき大学受験 超きほん用語集

【国公立大学】

一般選抜が約8割を占め、学校推薦型は約15%、総合型は約5%。一般選抜は共通テスト(6教科8科目が基本)と、個別学力検査(2次試験。2~4科目が基本)や小論文、調査書、面接などで合否が決定。

【私立大学】

一般選抜と学校推薦型がそれぞれ約4割、総合型が約2割。推薦の割合が高い傾向にある。一般選抜の個別試験は3教科が基本。他にもさまざまな受験方式(後述)がある。

【大学入学共通テスト(旧大学入試センター試験)】

2021年スタート。「情報」を含む6教科8科目が基本で、必要な科目は大学によって異なる。最近は思考力や判断力、表現力を重視する問題が増加。私立大でも利用するケースが増えている。以下「共通テスト」。

【専願】

合格したら必ず入学することが条件の入試方式。主に推薦入試で採用される。

【併願】

複数の大学や学部を受験し、合格した中から進学先を選ぶ入試方式。

【一般選抜(旧一般入試)】

試験当日のペーパーテストや面接で合否が決まる、学力重視の入試方式。大学や学部により科目と配点が異なる。国公立大と私立大では受験の日程や、形式が違う(「国公立大学」「私立大学」参照)。

<教えてくれた人>
アクシブアカデミー代表 鈴木優志さん
大学合格のための受験戦略や情報収集術を体系化し、全国の高校や予備校等での講演、各メディアで提供。著書に『大学受験 志望校に「合格する子」の親がやっている6つのこと』(PHPエディターズ・グループ)。

志望校に「合格する子」の親がやっている6つのこと

※この特集で掲載している情報は25年4月現在のものです。

参照:『サンキュ!』2025年7月号「今ドキの大学受験、親がやるべきこと緊急調査!」より。掲載している情報は2025年5月現在のものです。イラスト/鈴木衣津子 構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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