黒の卒業キャップまたはモルタルボード、青と赤の鉛筆をボトルに入れます

「推薦入学のメリットは?」「1人暮らしの仕送りはいくら必要?」先輩ママに聞いた!進学にかかるお金のこと

2023/09/11

子どもの進路、教育費は実際どれくらいかかる?最新の受験や推薦の傾向、1人暮らしや仕送りにかかるお金はどうやって準備する?先輩ママの体験談とともに、気になる疑問にプロがお答えします!

ベネッセコーポレーション教育情報センター長。島根県総合教育審議会委員。大学入試や教育動向の分析、教員向けの情...

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なごみFP事務所にて個人のコンサルティングを主軸に講演・執筆活動を行っている。2児の母。著書に『奨学金 上手...

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Q 推薦入学の子が増えているって本当?推薦で入れば節約になるの?

Y・Aさん(48歳/子ども17歳、14歳)

A 推薦で入学する人の割合は50%以上。私立大学では60%超に!

Seiya Tabuchi/gettyimages

近年は学校推薦型選抜や総合型選抜などの推薦入試が増え、私立大での割合は60%超に。これらは年内に合否が決まることが多く、「年内入試」と呼ばれています。大学がより学生の個性や多様性を求めるようになったことや、早めに学生を確保したい大学側と浪人は避けたい受験生側のニーズが一致したことも大きな要因に。最近は私立大だけでなく、国公立大でもこうした推薦入試の枠が増えています。

先輩ママに聞いた!推薦入学のメリット

「メリット」アルファベット文字木製ブロック
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長女が指定校推薦を取り、塾や受験代が浮いた!

くりさん(大阪府 42歳/長女18歳、長男16歳)
長女が国公立から私立に志望先を変更する際、「私立の学費めちゃ高いけれど、指定校推薦の枠を狙うので、取れれば受験費用がかからないし、塾もやめるから」と熱いプレゼンが(笑)。有言実行で推薦を取れてホッ!

Q 中学校を休みがちなうちの子。本人にムリのない進学先を探さなくちゃ……

E・Aさん(42歳/子ども14歳)

A 不登校の小中学生の数が過去最高の24万人超に。進路や学び方も多様化しています

学習画像
taka4332/gettyimages

文部科学省の調査によると、21年度の小中学生の不登校者数は約24万5000人。「コロナ禍のオンライン授業の普及で学校に通うことの意義が問われ、登校しないという選択への抵抗感が薄れたことも、不登校の子どもが増えた背景に」(谷本さん)。全日制の高校以外にも、通信制やフリースクールなど中学卒業後の進路の選択肢が広がる中、タブレットやパソコンなどを使った学習の導入で、学ぶ環境やスタイルも多様化しています。

※1 編集部調べ(登校があるコースは費用が加算されることが多い)。※2 出典/東京都教育委員会「令和5年度東京都立高等学校定時制課程入学案内」。※3 出典/公益社団法人東京都専修学校各種学校協会「令和2年度 学生・生徒納付金調査」。※4 文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」。 ※各金額は目安で、地域や学校によって異なります。また、高等学校等就業支援金制度の対象となる場合もあります(所得制限あり。月単位のフリースクールは除く)。

タイパ重視のZ世代に通信制高校が人気急上昇中!

最近はスポーツや芸術、芸能などに打ち込むため、時間拘束の少ない通信制を選ぶ人も。22年度の「文部科学省 学校基本調査」では通信制高校の生徒数は23万人以上。高校生の13人に1人が通っていることに。

Q 自宅から通えない場合、1人暮らしの準備や仕送りはいくら必要?

H・Nさん(44歳/子ども14歳、12歳)

A 1人暮らしの準備のお金は50万円以上、仕送りは月10万~13万円超が目安に

実家を出て1人暮らしする場合、物件探しや引っ越し、生活用品の購入などの準備金で約50万円以上の支出に。また、日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査」によると、家庭から子どもへの給付は私立大の場合が年約164万円、国立大の場合が年約116万円。「月の仕送り代の相場は、子ども1人につき約10万~13万円超となっています」(竹下さん)。

※上記の各費目の額と合計は平均額。各費目を合計したものと合計額は一致しない。 出典/全国大学生活協同組合連合会「2022年度保護者に聞く新入生調査」

先輩ママに聞いた!県外入学のお金、これだけかかって、こう準備しました

不動産・住宅・住宅購入の査定イメージ
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4年間の生活費だけで500万円超。国立大でも県外だと支出が大きい……

ナナキノさん(山梨県 43歳/長男20歳、長女13歳)
長男は希望の学部が通学圏内になく、県外の国立大学へ。「入学当初は様子を見るために数回行き来したので、交通費もかさみました」。

進学や1人暮らしの準備金は学資保険と貯蓄から捻出。生活費は毎月の送金が面倒で、親の口座から引き落としに。でも、子ども自身でやりくりする経験が必要なので、定額を送金する方法も考え中です。

お金を計算する日本人女性
mapo/gettyimages

大学でかかったお金
・ 授業料(4年間) 約220万円
・ 入学金、納付金 約30万円
・ 1人暮らしの準備金 約120万円(部屋探しや契約金、家具、家電代など)
・ 生活費(4年間) 約570万円 
4年間トータル約940万円(見込み)

娘2人が県外の国立大へ。在学が2年重なり、仕送りだけで月20万円!

さごはちさん(石川県 48歳/長女25歳、二女23歳)
シングルマザー。娘2人の大学費用は児童手当や離婚時に解約した学資保険の返戻金など、1人当たり500万円の貯蓄+養育費で準備。

毎月の仕送りだけで1人月10万円かかり、在学が重なった2年間は合計20万円の負担に。自分の老後費用の準備は子どもが大学を卒業してからと割り切り、それまでの貯蓄を切りくずしてギリギリ乗り切りました。

カレンダーとお金
AH86/gettyimages

大学でかかったお金(長女の場合)
・ 授業料(4年間) 約147万円
・ 入学金、納付金 約35万円
・ 1人暮らしの準備金 約65万円(部屋探しや契約金、家具、家電代など)
・ 生活費(4年間) 約480万円
4年間トータル約727万円

<教えてくれた人>
進学指導のプロ 谷本祐一郎さん
ベネッセコーポレーション教育情報センター長。島根県総合教育審議会委員。大学入試や教育動向の分析、教員向けの情報発信などを行い、メディア出演も多数。

<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 竹下さくらさん
なごみFP事務所にて個人のコンサルティングを主軸に講演・執筆活動を行っている。2児の母。著書に『奨学金 上手な借り方新常識』(青春出版社)。

参照:『サンキュ!』2023年9月号「どうする?進路と学費お悩み相談スペシャル」より。掲載している情報は2023年7月現在のものです。構成・文/鹿島由紀子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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