大学全入時代「うちの子の進路、どうしよう?」地元&現役志向が高まる傾向
2023/09/08
子どもの進路、どうしよう?今どきの受験事情って?年頃の子どもとの進路の話し合い方から、最近の受験や推薦の傾向、1人暮らしにかかるお金まで。悩める読者から寄せられた質問にお答えします!
<教えてくれた人>: 進学指導のプロ 谷本祐一郎
ベネッセコーポレーション教育情報センター長。島根県総合教育審議会委員。大学入試や教育動向の分析、教員向けの情...
<教えてくれた人>: ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら
なごみFP事務所にて個人のコンサルティングを主軸に講演・執筆活動を行っている。2児の母。著書に『奨学金 上手...
- Q 少子化でだれでも大学に行ける時代って本当?
- 先輩ママに聞いた!うちは地元にこだわりました
- 先輩ママに聞いた!子どもとの進路の話、うちではこうしてます
- Q したいことがわからない子どもと進路についてどう話せばいい?
Q 少子化でだれでも大学に行ける時代って本当?
H・Nさん(44歳/子ども14歳、12歳)
A “大学全入時代”と言われるけれど、人気の大学はやっぱり入るのは大変……
18歳人口の減少で、今は大学の入学者数が全国の大学定員総数を下回り、数だけ見れば志望者全員が大学に入れる状態に。これを“大学全入時代”と言います。「とはいえ志望者全員が希望の大学に進学できるわけではなく、難関の国立大や有名私立大などは依然として倍率が高く、狭き門に。いっぽう少子化の影響で定員割れや閉校する大学も増えていて、大学の人気・不人気の二極化が進んでいます」(谷本さん)
経済的な理由から地元&現役志向が高まっている
少子化にもかかわらず、この30年で地方の公立大学の数が3倍に増え、地方での進学の選択肢にも広がりが。学費の負担を少しでも減らしたい親の思いと安定志向の強まりから、大学への進学も地元や現役志向が高まっています。
先輩ママに聞いた!うちは地元にこだわりました
借りる奨学金を少しでも減らしたくて地元に進学
かずみさん(愛知県 48歳/長女22歳、長男18歳)
長女は地元の公立大学、長男は貸与型の奨学金を借りて地元の医療系の専門学校へ進学。
奨学金返済に苦労した夫を見て、奨学金の借入額は少しでも抑えたいと痛感。子どもにも伝え、2人とも納得して地元に進学。地元での就職も決まり、これで良かったと思っています。
先輩ママに聞いた!子どもとの進路の話、うちではこうしてます
子どもが好きなことをとことん聞き出し、自分を知ってもらう
くりさん(大阪府 42歳/長女18歳、長男16歳)
当初、長女は国公立大を目指していたものの、学課内容が学びたいものと違うと判断し、通学圏内ギリギリの私立大学に入学。
ドラマを見て「こんな仕事もあるんだ。この中なら、どれに興味ある?」などと娘と話したり。サッカー好きの息子には「プレイするのと作戦立てるの、どっちが好き?分析とかはどう?」など質問攻めにしたり。子ども自身が何にワクワクするか知ってもらうことが、進路について考える第一歩になると思います。
LINEなら、将来の突っ込んだ話がしやすい!
山ちゃんさん(埼玉県 42歳/長男16歳、二男2歳)
シングルで長男を育て、再婚後に二男を出産。長男の学費の準備不足の反省を活かし、二男の分は早い段階から準備。
将来の夢や進路のことなど、少し踏み込んだ話をしたいときはLINEを使っています。本人も「いろいろ夢を語りたかったけれど、面と向かうと恥ずかしいからLINEがいい」と率直に思いを話してくれるように。
オープンキャンパスで先生に何度も相談し、夢への道すじが見えた!
おちゃこさん(静岡県 52歳/長女25歳、二女22歳、三女20歳)
長女と三女は私立大、二女は専門学校へ進学。進路の話をする際、子どもに家計状況を伝え、3人とも奨学金を利用。
二女の将来の夢には、理学療法士や柔道整復師などの資格が必要。大学か専門学校かで迷い、親子でオープンキャンパスに行って現場の先生に相談。資格の違いやかかるお金を総合的に考え、専門学校を選びました。
Q したいことがわからない子どもと進路についてどう話せばいい?
K・Mさん(52歳/子ども21歳、17歳)
A 子どもが好きなことや得意なことを深掘りしよう
将来の夢や目標がまだない場合は、子どもが興味のあることから会話を広げ、それを学んだり、仕事にするにはどんな選択肢があるのか、親が一緒になって話したり、調べたりする姿勢が大切です。「高校の授業の『探究学習』は生徒自身が問いを立て、情報分析や意見交換をしながら答えを導き出す科目で、生徒の進路選択の面でも注目されています。家庭でも同じように、親が子どもの本音や探究心をいかに引き出していくかが。
進路とお金を“見える化”できる「家族マネー会議 ワークシート」もおすすめ!
子どもが希望する進路を実現するには、いつ、どんなお金がいくら必要になり、どう準備するのか?このワークシートに記入することで、わが家の家計の現状がわかり、今後のマネープランを立てやすくなります!
<教えてくれた人>
進学指導のプロ 谷本祐一郎さん
ベネッセコーポレーション教育情報センター長。島根県総合教育審議会委員。大学入試や教育動向の分析、教員向けの情報発信などを行い、メディア出演も多数。
<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 竹下さくらさん
なごみFP事務所にて個人のコンサルティングを主軸に講演・執筆活動を行っている。2児の母。著書に『奨学金 上手な借り方新常識』(青春出版社)。
参照:『サンキュ!』2023年9月号「どうする?進路と学費お悩み相談スペシャル」より。掲載している情報は2023年7月現在のものです。構成・文/鹿島由紀子 編集/サンキュ!編集部