【進学にかかるお金のこと】中学から私立だと倍に!国公立大学と私立大学でどれくらいの差?
2023/08/27
子どもの希望はなるべくかなえてあげたいけれど……進学についての一番の心配事といえば、なんといっても「お金」のこと。大学までにかかるリアルな金額と、それをどう備えたらいいか、徹底調査しました!
<教えてくれた人>: ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら
なごみFP事務所にて個人のコンサルティングを主軸に講演・執筆活動を行っている。2児の母。著書に『奨学金 上手...
Q 学費の準備は、いつから始めるのがベスト?
M・Mさん(33歳/子ども4歳双子)
A 子どもが生まれてから小学生までが一番の貯め時!早めのスタートがカギです
子どもが生まれたら即、学費の準備を始めるのが鉄則。一般家庭では、3歳児から幼稚園・保育園が無償化になり、家計の負担が減っています。小学校も公立であればそれほどお金がかからないので、この時期に学費を貯める仕組みをしっかり作って貯め続けていくことが大事!「かわいい子どものため」と、習い事や服、おもちゃなどにお金をかけすぎないよう注意しましょう。
学費はまだ何も貯めていなくて、漠然とした不安が……
A・Sさん(38歳/子ども10歳、7歳)
◇小学校までに貯めてない場合は、iDeCoの控除で住民税を下げ、高校の支援金を利用する裏ワザも
小学校高学年以降から貯蓄を殖やすためにまず行うべきは、今の家計でムダな支出がないか徹底的に見直しすること。また、老後資金の積み立てにiDeCoを利用し、所得控除で税金を下げることで、高校無償化の恩恵を受けやすくする裏ワザもあります。
Q 大学に通わせるにはいくら必要?国公立と私立でどれくらいの差があるの?
S・Kさん(42歳/子ども5歳、3歳)
A 高3の秋までに最低1人400万円目標で貯めておきたいところ
学費が一番かかるのは大学進学のとき。高校までにかかる授業料などは家計からやりくりし、学費を貯めるのが基本です。私立大の入学金と4年間の授業料でかかるお金の目安は約400万円。これが最低ラインと心得て準備を。最近は、学校推薦などの年内入試で受験する子どもが増えています。合格すると早めに入学金を振り込まなければならないので、高3の秋までに備えておくのがベストです。中学・高校で私立に進学した場合や、理科系や医歯系の大学を希望した場合は高額な学費がかかり、貯蓄だけでは賄えないことも。奨学金制度を利用するのも手ですが、選び方や返済計画は慎重に検討して。
◇医歯系は6年制。理科系で大学院に進学すると、さらに負担増!
医学部・歯学部は6年制のため、授業料が4年制の1.5倍に。また、理科系の場合は大学院への進学率が高く、その分学費が増えることに。親がどこまで負担できるのか、話し合いながら進路を決めることが大事です。
◇中学から私立だと、公立に比べて学費が倍増!進路を考えて対策を
私立中学に進学すると学費が倍増するので、家の経済力で支えられるのかじっくり検討して。高校は私立でも授業料の支援金が受けられると、上記よりも実質的な負担額は減る可能性があります。
Q 大学の学費をどのように貯めたらいいかわからな~い
J・Sさん(41歳/子ども3歳)
A コツコツ積み立てを継続することが大事!サブでNISAなどを利用して
生まれてすぐに、児童手当と月1万円の積み立てをスタートしてコツコツ継続するだけで、貯蓄400万円は達成可能です。スタートダッシュに遅れた場合は、毎月の積み立てを増額して対応を。つみたてNISAなどの投資信託を学費用に利用する人も増えていますが、短期間の投資だと損をするリスクがあるので要注意!投資信託は、学費用貯蓄をある程度確保したうえで利用するのがおすすめです。
学資保険は途中で崩しにくいので、貯蓄が苦手な人向き(加入は子どもが2歳までに)
途中解約しにくく、契約者(親)が亡くなったとき保険料の支払いが免除されるのが利点。保険料の払込期間を5年・10年と短くすると、返戻率がアップ。早めに払い込みを終了した分、中学からの塾代などに回すこともできます。
つみたてNISAは長期で投資することで、殖える可能性も
現行の「つみたてNISA」は、年40万円までの投資で、20年間非課税で運用できる制度。長期的に運用することで利益が見込める可能性がありますが、元本保証はないのでサブの備えとして活用して。(「つみたてNISA」は23年末で終了。24年から新NISA制度に変わります。)
<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 竹下さくらさん
なごみFP事務所にて個人のコンサルティングを主軸に講演・執筆活動を行っている。2児の母。著書に『奨学金 上手な借り方新常識』(青春出版社)。
参照:『サンキュ!』2023年9月号「どうする?進路と学費お悩み相談スペシャル」より。掲載している情報は2023年7月現在のものです。構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部