スペシャル企画①~ストレスを抱える40~50代。心と体に健康のアドバイスを!
2023/02/20
2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。2022年は「フェムテック」という言葉がだいぶ浸透してきたように思います。この番組では女性特有の健康問題について、最新のテクノロジーを活かした商品やサービスだけでなく、解釈の幅を拡げて、人間が本来持つ体の機能の向上も目指しています。今回は2022年のレギュラー放送で特に反響が高かったテーマやゲストをお迎えし、読者の皆さんにスペシャル企画としてお届けします。
40代50代が抱える心と体の悩みに、体内環境師の加藤雅俊先生が答えます!
<ゲスト>
●加藤雅俊 Masatoshi Kato
薬剤師・体内環境師・薬学研究者。大学卒業後、製薬会社に入社。研究所にて血液関連の研究開発に携わる。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見てまわり毎年患者数が増えている医療現場に疑問を抱く。薬に頼らずに若々しく健康でいられるための食事+運動+心のケアを一緒に研究し、1995年に予防医療を目指し起業。ホリスティックな観点から健康をとらえ、サロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。モデルや女優の体内環境のケア、プロ野球チームやアスリートのコンディショニングケアも担当する。
Q 体内環境師とは、具体的にどんなお仕事?
「“人間の細胞レベルでみて足りない栄養素を補っていく” という考えを基本に活動しています。栄養が不足することで病気は生じる場合もあるので、足りない栄養素を補い、病気にならない心身をつくる必要があるのです。人間は寝ることによって日々、心と体を修復していますが、一人一人年齢や性別も違うので、個別に“食・睡眠・運動”を総合的にとらえる必要があります。そのお手伝いをするのが体内環境師です」
Q.心と体の健康に作用する女性ホルモン。男性にもわかりやすく説明すると?
「女性特有の病気は、ホルモンの減少によるものです。更年期を境にホルモンが作られなくなっていくので起こります。更年期の不調が更年期障害です。エネルギー代謝がどんどん減っていくと閉経後に肥満、あるいはガンなどが増えていくという報告もあります」
Q.女性ホルモンの変化で体にはどんなことが起こるのですか?
「女性特有の病気は、ホルモンの減少によるものです。更年期を境にホルモンが作られなくなっていくので起こります。更年期の不調が更年期障害です。エネルギー代謝がどんどん減っていくと閉経後に肥満、あるいはガンなどが増えていくという報告もあります」
Q.女性ホルモンそのものにはどんな作用があるのですか?
「女性ホルモンで代表的なのがエストロゲンで、抗がん作用、高血圧をおさえ、筋力の低下防止、自律神経の安定、肌の老化防止など、様々な働きをしています。ホルモンの働きが悪くなっていく閉経後に危険性が高まることがわかっています。年齢が高くなると、男性の場合は肉体が衰えたな~という感覚がありますが、女性は身体的な病気に加え精神的な部分も重なってくるので、病気が見つけにくいと思います」
Q.閉経後の体との向き合い方を教えてください
意識して実践したい3つのこと
1)身近な食材「豚肉」を取り入れた食事から!
「人間の体ってすごいんです。閉経後は卵巣から、腎臓の上にある副腎という臓器に場所を変えてホルモンをつくります。副腎を元気にする薬はないのですが、簡単に元気にできる方法が食事です。そもそも副腎がつくりだすホルモンの原料は、コレステロールなんです。驚きますよね。そしてたんぱく質も必要です。
そのコレステロールとたんぱく質の両方を持つお勧めの食材が豚肉です。副腎がホルモンをつくる際にビタミンB群を大量に使うのですが、豚肉の赤身には特にビタミンBが牛肉の10倍以上含まれているというわけです。豚肉はとても身近で幅広い料理に使えますので、どんどん食べてほしいです。
年齢的には、特に40~50代になると多くの人が運動不足により、筋力が減ってきます。そのためにも豚肉などのたんぱく質をしっかり摂って筋肉を維持したいですよね。変化を感じたら食事から意識するといいと思います」
2)だれでも簡単にできる筋トレを!
「薬だけに頼らず、自分自身の力で健康を維持することが大切。家の中でできる簡単な筋トレでも効果があります。縄なしでエア縄跳びやエアバスケットボールのように少ししゃがんだ状態からエアシュートするのも筋トレになります。1日1分でも30秒でもいいので、必ず筋肉を使う!ということを心がけてほしいです」
3)「姿勢」を意識するのも健康を高めていく方法
「日々の生活の中で、体に負担がかかる姿勢をしがちです。椅子に浅く腰かけて腰痛になったり、スマホを見ると下を向き過ぎて首や肩にこりがでたり。姿勢をちょっと気つけるだけで慢性的な不調が改善できるかもしれません。スマホを見る位置を高くしたり、マメに伸びをしたり肩をまわしたりするだけで健康に大きな差が出ます」
Q.心の健康問題に香りが関係するってホントですか?
「昔から“香り”に興味があり、多くの事を調べてきたのですが、それは薬学の壁というか限界がありまして、脳に塗る薬はないですし、心の不調を治す薬も作れません。でも「香り」が心や脳の健康にとても大事だと分かってきたのです。最近では脳と香りの研究も進んできて、例えば、認知症との関係がデータとしてでています。たいていの病気が、スタートはストレスだったりしますので “香り”は有効ですね」
<心の健康に作用する2つの香り>
●1つは、体が疲れたときには木の香り。おすすめはサイプレス(イトスギ)という精油。ヒノキでもOK
●もう1つは、心が疲れた、精神が疲れたなど、脳が疲労したときにはラベンダー
「ラベンダーには鎮静作用があり、木の香りには副交感神経を高めてくれる作用があります。体と脳で使い分けるとリラックスが効果につながります。この2つの香りは、心の健康のために覚えて、使い分けてみてください」
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記事まとめ/わたしのカラダLab 編集