すっきりのはずが、頭がぼんやり…?コーヒーの飲み過ぎで起こる意外な健康トラブル

2025/04/19

頭がすっきりするイメージがあるコーヒーですが、飲み方によっては「頭がぼんやり」することも。

コーヒーの効果や上手な飲み方などについて、パーソナルトレーニングジム「Dr.トレーニング」のトレーナーで、管理栄養士の資格を持つ高橋美空氏に聞きました。

Q.コーヒーが体にいいとされる理由はなんですか

コーヒーがいいとされるのは、 コーヒーに含まれるカフェインとクロロゲン酸というふたつの成分に、 体にうれしい働きがあるからです。

それぞれの成分の特徴は、以下の通りです。

・カフェイン:カフェインには脳を刺激する作用があります。コーヒーを飲むと頭がすっきりし、 集中力や注意力が高まりやすくなります。また、 運動の前に飲むと、スタミナの持続や脂肪燃焼のサポートが期待できます。

・クロロゲン酸: クロロゲン酸は、コーヒーに多く含まれるポリフェノールの一種です。体の酸化を防ぐ抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の予防に役立つとも言われています。クロロゲン酸は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるという報告もあります。

さらに、日常的に適量のコーヒーを飲んでいる人は、心臓病・脳卒中・糖尿病・肝がん・大腸がんなどの発症リスクが低くなるという研究結果もあります。

ただし、コーヒーの摂取が直接的に病気のリスクを下げるわけではないので、注意が必要です。

Q.コーヒーを飲むときに注意したほうがいいことはありますか

健康に役立つコーヒーですが、 飲み方によっては体に負担がかかってしまいます。コーヒーを飲むときには、次のことに気をつけるといいでしょう。

・カフェイン摂り過ぎに注意する:一度にカフェインを多く摂ると、 動悸・不眠・不安感などの症状が出ることがあります。また、 長期間飲み続けるうちに、カフェインに依存的になる危険性もあります。 「コーヒーを飲まないと頭がぼんやりする」 と感じたら、 カフェインの摂り過ぎかもしれません。一度、コーヒーの量を見直してみましょう。

・夕方以降のコーヒー摂取は控える: 目を覚ます作用を持つカフェインは、 寝つきの悪さや睡眠の質の低下を引き起こす原因となります。カフェインは体から抜けるまでに約8時間かかるとも言われています。夜しっかりと眠るためには、夕方以降の摂取は控えるのが理想的です。

・貧血気味の方は飲むタイミングに注意する:コーヒーに含まれるタンニンには、 鉄分の吸収を妨げる働きがあります。特に貧血が気になる方は、 食事中や食後すぐのコーヒーは避け、30分~1時間ほど間を空けてから飲むといいでしょう。

・胃が弱い方はミルクを加えて飲む: コーヒーは胃酸の分泌を促すため、 胃に負担を感じやすい方もいます。その場合は、ミルク・豆乳・アーモンドミルクなどを加えると、刺激を和らげることができます。

Q.コーヒーの効果的な飲み方を教えてください

写真AC

コーヒーをより健康的に楽しむためには、 量やタイミングを工夫することが大切です。

・適量は1日に2~3杯程度: コーヒーは適量を楽しむようにしましょう。カフェインの摂取量は1日300mg前後、コーヒーカップでいうと2~3杯が目安です。カフェインの摂り過ぎは、 胃の不快感や睡眠の質の低下の原因になり得るため、飲み過ぎには注意が必要です。

・飲むタイミングを工夫する:カフェインの効果は、飲んでから30分~2時間後にピークを迎えます。以下のようなタイミングで飲むと、 カフェインの覚醒効果を上手に利用できます。

集中したい作業の30分前 →集中力や注意力が高まります。
昼寝の直前       →すっきりと目覚めやすくなります。
運動の30分~1時間前   →脂肪燃焼や運動パフォーマンス向上をサポートします。

Q.コーヒーを飲まない方がいい人はいますか

コーヒーには良い面がたくさんありますが、 次のような方は飲む量を減らすか、 控えることをおすすめします。

・妊娠中の方: 妊娠中はカフェインの分解が遅くなり、体内に残る時間が長くなります。胎児への影響も考慮すると、1日200mg以下(コーヒーカップ1~2杯程度)に留めるのがいいでしょう。その際、カフェインレスコーヒー(デカフェ)を選ぶとより安心です。ただし妊娠後期は特に、母体と胎児両方への影響が大きくなるため、コーヒー自体を控えるのが望ましいとされています。

・カフェインに敏感な方:体質によっては、 少量のカフェインでも動悸・吐き気・不安感などの症状が出ることがあり ます。そういった場合は、 無理せずコーヒーを避けるようにしましょう。

・胃の調子が良くない方 :逆流性食道炎や胃炎がある方は、 コーヒーの刺激で症状が悪化する可能性があります。カフェインレスコーヒーに切り替えると刺激が緩和されるケースもありますが、体調を見ながら調整するのがいいでしょう。

コーヒーは量やタイミング・体調に配慮して飲むことで、 健康をサポートしてくれる飲み物です。自分の体に合った飲み方を見つけて、 日々の生活に取り入れてください。

教えてくれたのは・・・

高橋 美空トレーナー

管理栄養士の専門知識を持つトレーナー。学生時代、 部活動での怪我を経験した際に、 トレーニングだけでなく食事管理の重要性を痛感し、 管理栄養 士の資格を取得。 栄養学の専門知識とトレーニング理論を融合させた指導を行っている。 現在は、 ダイエット・産後ダイエット・マタニティ・健康増進など幅広いニーズに対応し、 一人ひとりに寄り添ったトレーニングと食事アドバイスを提供。 知識と技術だけでなく、 お客様のライフスタイルに適した実践的なサポートを心がけている。

取材/文:山名美穂(Instagram「@mihoyamana」)
編集:サンキュ!編集部

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