コーヒーといっしょに食べちゃダメな食材はある?意外と知られていないNGな組み合わせ
2024/10/31
「コーヒーにはカフェインが多い」というのは知っている人が多いのでは?
コーヒーのカフェインにはメリットもありますが、組み合わせる食品によってデメリットが大きくなることもあるんだとか!
管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、コーヒーの成分と作用や、コーヒーと相性のよくない食品について紹介してもらいます。
コーヒーの成分にはどんな働きがある?
コーヒーに含まれる成分としてもっとも有名なのがカフェインです。
カフェインには、おもにつぎのような作用があります。
・中枢神経に作用して眠気を覚ます
・集中力を高める
・疲労を軽減させる
ほかにも、解熱鎮痛作用もあることから、眠気、倦怠感、頭痛に効果のある医薬品としても使用されています。
そのため、仕事や勉強などの効率を高めることを期待してコーヒーを日常的に飲んでいる人も多いのでは。ちなみに、一般的なコーヒー(※)100mlあたり、およそ60mgのカフェインが含まれています。
そのほかにも、色・苦味・香りのもとである「クロロゲン酸」などのさまざまなポリフェノールが含まれているのもコーヒーの特徴です。クロロゲン酸には、おもにつぎのような作用が期待できます。
・抗酸化作用による生活習慣病の予防
・抗菌、抗ウイルス
・脂肪代謝の調整(抗肥満)
このように、コーヒーには体によい働きを持つ成分が豊富に含まれているのです。
※……ドリップ式やインスタントコーヒーを指します。缶コーヒーやボトル入りタイプの場合、商品によって30~90mgと差があるため注意が必要です(大手メーカー各社調べ)。
コーヒーを飲むときに気をつけるべきことは?
そんなコーヒーですが、適量を超えて摂取してしまうと、体調や体質によってはデメリットが起こることも…。
問題となるのは、コーヒー中のカフェインのとりすぎです。摂取量が多くなると、中毒症状を起こすことがわかっています。おもな症状には、食欲不振、胸の痛み、めまい、興奮、不安感、ふるえ、頻脈、不眠、下痢、嘔吐などがあります。
カフェインに対する感受性は、年齢・体質・体格などによって差が大きいため日本では摂取基準は設けられていませんが、世界各国の基準を参考にすると1日400mgくらいに収めておくのがよいといわれています。
健康的な成人であれば、1日にコーヒー3杯程度が安全に飲める量の目安となりますが、代謝が落ちている高齢者や以前にコーヒーを飲んで体調不良を感じたことがある人は、これよりも少なめにするといいでしょう。
コーヒーと一緒に摂取する際、注意が必要なものは?
このようにメリットとデメリットのあるコーヒーですが、いっしょに摂取する食べ物によっては、デメリットを受けやすくなってしまうことがあります。それは、コーヒーと同じくカフェインを多く含んでいる「チョコレート」や「エナジードリンク」と呼ばれる飲料。
コーヒーとチョコレートは、お店によってはセットで出てくることもあるので意外に感じるかたも多いかもしれません。もちろん、味としての相性はよいのですが、カフェインの含有量という点で見るとチョコレートの種類によっては少し注意が必要なのです。
一般的なチョコレートの場合、100gあたりにおよそ30mgのカフェインが含まれているといわれていますが、カカオ分を多く含む「ハイカカオ(高カカオ)チョコレート」になると、100gあたり100mg以上含まれているものも。
ちなみに、「エナジードリンク」も商品によりますが、100gあたり40~100mg含まれています。ただし、1本あたり250mlほどあるものが多いため、1本で160mg以上含まれていることもあるため注意が必要です。
1日に安全といわれている摂取量に達しない場合であっても、気をつけて欲しいのが短時間にカフェインを大量に摂取すること。食品安全委員会の報告によれば、1度に200mgの摂取であればリスクは低いとされていますが、コーヒーとチョコレート(※1)、コーヒーとエナジードリンク(※2)といった組み合わせを短時間で飲食した場合にはこの数値を超えてしまう可能性が考えられるのです。
エナジードリンクをいっしょに飲むようなことは少ないかもしれませんが、チョコレートであれば味の相性がよいので知らずに組み合わせている人も多いのでは?
もしそうであれば、デメリットを避けるためにも今後は量を控えたり、飲食のタイミングを分けて時間を空けることをおすすめします。
※1……具体例として、コーヒー1杯(200ml=カフェイン約120mg)とハイカカオチョコレート80g(カフェイン80mgと想定)程度。
※2……具体例として、コーヒー0.5杯(100ml=カフェイン約60mg)とエナジードリンク140ml(カフェイン約140mgと想定)程度。
コーヒーを工夫して取り入れてみよう!
ご紹介したように、コーヒーと組み合わせるときには注意したほうがよい食品がありました。ただし、ポイントを押さえておけば問題ありませんので、覚えておくようにしましょう。
なお、なかなか摂取量を減らすことがむずかしい場合は、できるだけカフェイン量が少ない商品を選んだり、ポーション対応・希釈タイプ・スティックタイプのコーヒーを選ぶのもおすすめです。
国民生活センターの調べによると、こういったタイプのコーヒーであれば100gあたり40mlほどとなっており、一般的なコーヒーの7割ほどカフェインが少なくなっているとされています。
ご紹介した内容を参考に、コーヒーを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。