リリーフポーズの女性

専門家に聞いた!あなたは大丈夫?「頑張りすぎ」な人に起こりがちな悪循環4つ

2024/03/13

「頑張りすぎ」は心の疲れの元!無理な頑張りをやめれば、やりくりも家事もグッとラクに。頑張りすぎな人に起こりがちな、行動や気持ちの変化やその対処法について、精神科の医師に教えてもらいました。

<教えてくれた人>
精神科医・医学博士 西多昌規さん
早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。専門は、精神医学、睡眠医学、身体運動とメンタルヘルス。アスリートのメンタルケアにも取り組んでいる。著書に『やめてもいいこと86 心の疲れをとる事典』(朝日新聞出版)など。

出典:楽天ブックス

頑張りすぎて疲れると、挫折癖がついてしまう

「頑張るということは、そもそも自然な形ではなく、どこかで無理をしていることなのです。無理をしているから、頑張りすぎると疲れがたまり、やる気も下がって挫折してしまう原因に。完璧主義の人や、自分のキャパ以上に仕事や家事などを抱え込む人ほど、暮らしがうまく回らない悪循環に陥りがちです」。

自分を過大評価せず、「手放す勇気」が必要

「現代は、スマホの普及などで常に情報が入ってくる状況です。しかし、脳の情報処理能力には限りがあるので、そんな情報過多の状況で仕事や家事、家計管理と複数のタスクを同時に処理するなんて到底無理なこと。それを自覚し、1人で抱え込んでいることに優先順位をつけて少しずつ手放していきましょう。情報処理力にも余裕が生まれ、効率的に物事が進むようになります」。

<あなたは無理に頑張りすぎていない?チェックリスト>
□決めたことを完璧にこなさないと気がすまない
□近所に出かけるときもしっかりメイクをする
□食事は手作りにこだわりたい
□家事や仕事の合い間、常にスマホを見ている
□衝動買いすることが多い
□他人からもっと「いいね!」と言われたい
□「やらなければいけないこと」で頭がいっぱい
□長所より短所に目がいくことが多い
□「時間がない」が口癖だ
□他人に任せるより自分でやった方が早いと思う
□想定外のことがあるとテンパってしまう
□他人の目を気にしがち
□「要領が悪い」とよく言われる
□なるべく周りに迷惑をかけたくない
□一度挫折するとなかなか立ち直れない

【診断】自分に当てはまる項目数は?
0~4個→程よい頑張り屋さん。今のペースでOK
5~10個→やや頑張りすぎかも? 生活習慣を振り返って見直しを
11~15個→ストレスMAXで赤信号状態。「やめる」ことを実践して

「頑張りすぎ」はこんな悪循環に!

●完璧にできないと心が折れる → やる気がダウン

考えている女性
miya227/gettyimages

はたから見たら十分できていても、自分が求めるレベルに達していないと自信を失い、やる気が一気にダウン。「またやってもムダ」と感じ、継続力もなくなります。


●「こうあるべき」という強迫概念にとらわれる → 本来の目的を見失う
責任感が強い人ほど、「こうあるべき」という概念にとらわれすぎる傾向が。例えば、家族の幸せのためにやりくりしているのに、過度に節約しすぎて疲れてしまうのは本末転倒です。


●複数のことを同時進行してテンパる → 結局、何もしない

廊下に座っている中年女性
maruco/gettyimages

あれもこれもと同時に頑張ろうとして思い通りにいかず、イライラが募る一方。その結果、思考能力が低下して、どれも中途半端なまま何もしない状況に陥ってしまいます。


●周りの人の評価を求めすぎる → 自己肯定感が下がる
頑張るほど、「この成果を認めてもらいたい」という承認欲求が高まります。それが評価されないと「やっぱり自分はダメなんだ」と自己肯定感が下がって、ますますうまく回らなくなる原因に。

「頑張りすぎ」をやめるための処方箋

暮らしがうまく回らず、イライラしたり、モヤモヤするな~と感じたら、「頑張りすぎ」のサイン。そんなときはこの3つを試してみて!気持ちがリセットされ、負のスパイラルから抜け出せます。

【1】スマホを見ない時間を1日数回作る

クリッピングパスを備えた白いモックアップスマートフォンの空白の画面に隔離された電話を保持する男性の手
Anawat_s/gettyimages

スマホからの情報を絶えず脳に流し続けると、情報処理が追いつかなくなり、気力が低下。頑張っても成果が上がらなくなります。食事中、散歩中は手にしないなど、少しでもスマホから離れる時間を作って。

【2】腹式呼吸を5分間行う
疲れを感じたら、腹式呼吸を5分間やってみて。目を閉じて鼻から息を吸い、倍の時間をかけてゆっくり息を吐き出すことを繰り返し、呼吸に集中すると副交感神経が活発に働くようになり、脳の疲労が回復。

【3】寝る前に「よかったこと」を思い浮かべる

ベッドの背景に対するランプ。夜の時間
Viacheslav Peretiatko/gettyimages

頑張りすぎな人は、寝る直前までやるべきことを考えて、睡眠の質が低下しがち。仕事や家事は一旦忘れて、「その日にあったいいこと」を思い浮かべると寝つきがよくなり、翌朝からのやる気も高まります。



参照:『サンキュ!』2023年4月号「『やめる勇気』で暮らしがもっとラクになる!」より。掲載している情報は2023年2月現在のものです。構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部

 
 

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