心身の健康を向上させるのも悪化させるのも自分自身!~連載『はじめよう!フェムテック』

2023/05/12

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、レタスクラブやハースト婦人画報社の編集部を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。30歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった32歳。

<ゲスト>
●大久保 愛 Ai Okubo
食薬の第一人者、薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師、日本初の国際中医美容師、薬膳料理研究家、作家、アイカ製薬代表取締役。未病を治す専門家としてAI漢方・食薬相談システム『CrowdSalon』開発や『食薬アドバイザー』資格養成、商品開発、企業コンサルティングなどに携わる。著書『心がバテない食薬習慣』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。著書多数。https://crowdsalon.com/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組。ゲストは、漢方薬剤師で食薬アドバイザーの大久保愛さんです。「大久保先生のお話を伺い、改めて毎日の食生活の重要性を感じました。春に摂取すべき食材についても教えていただいたので、みなさんも健康維持の参考にしてくださいね」(伊久美)

現代に合った具体的な食事を提案する“食薬”に注目

■東島アナ「ゲストは、漢方薬剤師で食薬アドバイザーの大久保愛さんです。昨年10月以来、再びお越しいただきました。改めて、先生の肩書きにもある “食薬” について教えていただけますか」

■大久保「古くから、体を治すための健康食として薬膳があります。何千年もの実績がある薬膳は体を整えるためによいのですが、少し抽象的でわかりにくい部分があると思います。近年では、非常に予防医学が発展してきていて、実際どんな物質を食べたら体によいのかがわかってきました。食薬では漢方の考えを柱に、そこに腸内環境や栄養学、遺伝子などを融合して、より具体的な食事を提案していますので、効率よく体を整えることができると思います」

■伊久美「薬膳と食薬は違うのですか」

■大久保「大きな概念でいうと同じです。今、どんな気候なのか、そして自分の体調はどうなのかという点を考慮して、自分に適している食材や調理法を検討して食べること!それが薬膳であり、食薬になります。さらに、どういう観点から食材を選択するかという点で、より精度が高く、予防医学などの近代的な要素を取り入れているのが食薬です」

■東島アナ「薬膳がより進化したものということですね。食薬に関する医学的な研究も進んでいるのでしょうか」

■大久保「漢方の考え方には “先天の精” という遺伝によるものと、自分の生活習慣を見直していく “後天の精” という2つの柱があります。今まで遺伝だからあきらめるしかないと思われていましたが、近年、エピジェネティクス(後成学)という研究が進んで、自分たちの遺伝子は変わらないけれども、生活リズムや食べているものなどの環境要因によって作用の仕方が変わる。生活習慣の見直しは体にとってとても効果的だということが分かってきたのです」

■伊久美「“遺伝だからとあきらめなくてよい”と聞くと、安心するかたが多いのではないでしょうか」

■大久保「後天の精の影響は、とても大きいのです。自分自身の健康は、誰かが助けてくれるわけではなく、最後まで自分で選択して行動していかなくてはなりません。遺伝だとあきらめた瞬間に、もうそれ以上健康になることはないのです」

■伊久美「誰も助けてくれない、自分でやるしかない、あきらめてはいけない。先生、厳しい(笑)! でも、体のことは、確かにそうですよね」

春は香りの高い食材で、胃腸の働きを高めストレスケアを!

■東島アナ「季節ごとの健康対策についてお伺いします。以前この番組で、春は寒暖差によって自律神経が乱れ、心と体がバテる “春ダル・春ダレ”状態になるとご紹介しました。漢方の視点から、“春ダル・春ダレ”に対する予防策はありますか」

■大久保「自律神経の問題も大きいのですが、最近は気候や気圧の大きな変動など、その他さまざまな環境変化があります。多くの情報を自分で処理しなくてはならなかったり、新しい環境の中でプレッシャーを感じたり、非常に忙しく過ごされているかたが多いと思います。そうなると、生活の中で削ってしまいがちなのは、食事や睡眠、運動の時間なのですが、どれも健康に対してマイナスになり、体を壊す外的要因となります。結果、ゴールデンウィークなどに緊張の糸が切れて、自律神経が乱れやすくなり心の状態が悪化。また、生活リズムが崩れることで、体に悪いものを摂取し過ぎて腸内環境が乱れ、ニキビなどの肌トラブルが生じたり、便、おなら、おりものなどの匂いがきつくなるなどの異変が出やすくなるのです」

■伊久美「確かに、ゴールデンウィーク中に体調を崩してしまった、という話はよく聞きますよね。なぜ春になるとバテるのですか」

■大久保「新しいことがスタートする春は忙しく胃腸が疲れやすい時期ですから、食事から整えることが大事です。時間がないと丼やラーメンなど、簡単に食事で済ませ、野菜が不足してしまうかたが多いと思います。まずは和食に切り替え、旬の食材を盛り込んでいただくとよいと思います」

■東島アナ「食薬の観点から、この時期におすすめの食材には、どんなものがありますか」

■大久保「春には香りの高いものがよいとされているので、オレンジやグレープフルーツ、特にグレープフルーツは食欲を抑える作用もあるのでダイエットにもよいですし、ストレスを軽減し、抗酸化作用も高いです。あとは香りの高い野菜ですね。アブラナ科の野菜、キャベツ、マスタードなどです。例えば、キャベツ千切りにして、オレンジをカットして、粒マスタード、オリーブオイルを一緒に合えて、少しお酢をかけたらフルーツサラダができます。キャベツは胃腸の調子を整え、オレンジにはストレスをケアする働きもあるので、このサラダを一品加えていただくだけでも、体の中から胃腸の働きを高めストレスケアもできるので、メンタルにもよいのです」

■伊久美「香りが高い野菜というと、パクチーなども人気がありますが、あのくらい激しい香りの香草などもよいのですか」

■大久保「非常によいです! 香りが高いものを選んでいただければよいので、大葉、玉ねぎ、山菜などでも。基本的にどれも解毒作用があります」

■伊久美「春は和食主体にして、香りの高いものを食べるということですね。今すぐできそうです! ありがとうございます」

合言葉は「はじめよう!フェムテック‼」

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます https://www.1242.com/femtech/

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND