卵高騰中!いっそ高い卵を買ってみる?平飼い卵のメリット

2023/05/08

サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
鳥インフルエンザの影響により、卵の値上がりが止まりませんね。
普通の卵が10個パックで200円台後半となっている中、少しずつ幅をきかせてきているのが平飼い卵の存在。
10個で400円台半ばから500円くらいのものが多いですが、普通の卵とは何が違うのでしょうか。

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平飼い卵とは?

日本で一般的な卵はケージ飼育のものです。
中でもバタリーケージと呼ばれる、高層マンションのような立体的で狭い仕切りのあるケージを使用するものは、鶏の動きを大きく制限します。

それに対して、平飼いというのは囲われた地面を歩き回ることができる環境にあるもの。
平飼いにも種類があるそうですが、少なくともバタリーケージより動き回りやすいのは確か。
止まり木にとまったり、はばたいたり、砂浴びをしたりという本能的な動作もできるのが特徴です。
平飼いの鶏が産んだ卵が平飼い卵というわけですが、運動量が上がるぶん生産性は下がり1個あたりの卵の値段は上がってしまいます。

栄養価はあまり変わらない

平飼い卵を買う人は、栄養があることを期待しているのではないでしょうか。
文献で確認したところ、一般的なバタリーケージ飼育で生産された無精卵と平飼いの有精卵では大きな栄養価の違いはないとのこと。
栄養素の数値の表を見比べてみても、ほぼ一緒でした。

それもそのはず、卵の栄養価は飼育環境よりも与えている飼料に大きく左右されるからです。
これではわざわざ高いお金を出して平飼い卵を買う理由なんてない、と思われそうですね。

平飼い卵の本当のメリット

平飼い卵の本当のメリットの筆頭は、最近問題になってきているアニマルウェルフェアに配慮されていることです。
アニマルウェルフェアとは日本語では動物福祉のこと。動物が幸せに生きる権利を守ろうという動きを受けてできた言葉と言えるでしょう。

アニマルウェルフェアの条件の中には動物本来の行動を妨げないことや不快感を与えないことなども入っています。
EUではすでにケージ飼いが廃止となっているそうです。

また、バタリーケージは過密飼育である上に砂浴びや日光浴もできないため病気にかかりやすくなるというデメリットがあります。
その弱点を克服するために同日齢の鶏を同じ日に移動、ふ化直後からワクチンを接種、鶏舎の徹底的な洗浄や消毒、若鶏に抗生物質を与えるなどの対策が。
古い言い方をすれば、バタリーケージの鶏は箱入り娘。平飼いの鶏はおてんば娘でしょうか。
どちらがより健康的かはわかりますね。

平飼いをしている養鶏場では抗生物質を使わないこともあるようです。
抗生物質の投与は若鶏のうちだけとはいえ、やはり最初から使わない方がより安心して食べられる気がしますね。
ストレスが少ないので、平飼いの卵はおいしいという意見もあります。
私は食べてみてもさほど違わない気がするのですが、言われてみればいい意味であっさりして癖がない感じも。

野鳥との接触リスクは平飼いの方が高めですが、病気に対する抵抗力があるために鳥インフルエンザの影響は少ないのかもしれません。
病気の鶏が出たら全群淘汰が基本のバタリーケージでは、感染が確認されると処分される鶏も大量になります。
零細農家が多い平飼いなら、万が一のことがあっても殺される鶏の羽数が少ないのは確か。
平飼い卵の値段がほとんど変わらないのはこのあたりにありそうだとにらんでいます。

我が家では卵を食べる回数が少ないので、1カ月に1回は平飼い卵を買います。
もちろん普通の卵も買う時はありますが、家計の許す範囲で買い続けていきたいと思っているのです。

※参考文献
・高木伸一『たまご大事典』2013年、工学社
・平野進『ぜひ知っておきたい日本の畜産』2005年、幸書房
・古瀬充宏『シリーズ〈家畜の科学〉4 ニワトリの科学』2014年、朝倉書店

◆この記事を書いたのは・・・danngo
物心ついた時から生き物大好きだった40代主婦。美しく平和な地球と子どもの未来を守りたいと考えています。面倒くさがりのため、できるだけ手抜きしてズボラでもできるエコ活動を模索中。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

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