『サンキュ!』読者・女性の関心事は、“投資”!~連載『はじめよう!フェムテック』

2024/03/15

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。31歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった33歳。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<ゲスト>
●山本沙織さん Saori Yamamoto
1971年岐阜県生まれ。大学卒業後、保険会社を経て、1997年にベネッセコーポレーション入社。主婦向け情報誌『サンキュ!』副編集長、書籍ムック部副編集長、姉妹誌、WEBサイト立ち上げ、『サンキュ!』のブランドマーケティングを経験。通算20年以上、ママ向けメディアの編集やマーケティング、イベント事業に携わる。現在は、不況下でも生活実用情報誌8期連続購買数NO.1※ を続ける『サンキュ!』の編集長として活躍中。企業向けの講演、セミナーなど多数行う。プライベートでは、中3と小4姉妹の母親でもある。https://39mag.benesse.ne.jp/

※日本ABC協会 発行者レポート2021年7月~12月 月刊誌販売会社部数

認知が広まりつつある「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。

今回のゲストは、『サンキュ!』の山本編集長です。「私が編集長を務めていた時代を含め読者の圧倒的な関心事は、やり繰り。『サンキュ!』=節約のイメージが長く続いていましたが、今は若い世代を中心に、もっと合理的に収入源を考えているそう。詳しく伺ってみましょう! 」(伊久美)

やり繰りより財テク!程よい豊かな暮らしのために知恵を絞る主婦が急増

■東島アナ「ゲストは、『サンキュ!』の編集長・山本沙織さんです。2023年は、美容も含む “健康投資” がキーワードということでしたが、振り返られていかがですか」

■山本「“先々困らないように健康対策をしよう” ということで提唱してきたのですが、今ではすっかり定着したと感じています。健康対策について読者に聞いてみると、毎日ヨーグルトを食べるなどの食品摂取系が多いです。以前は、体調不良や加齢への対策のためという理由だったのですが、今は若い人を中心に、なるべく病院へ行かなくてすむようにしようというマインドが、コロナ禍を経て定着したように思います」

■東島アナ「私の身のまわりでも、おっしゃるような空気を感じますね。さまざまな読者を取材している中、働く女性の間で “ストレス” がキーワードとして浮き上がってきたと伺いました」

■山本「はい。昨年、健康投資をテーマに実施した調査結果では、“夜更かし・スマホでポチッと何かを買ってしまう・スマホをダラダラ見てしまう”の3つの行動が、ストレスがあると答えたかたに多いことがわかりました」

■伊久美「私、すごくストレスがあるみたいです(笑)」

■山本「買い物の金額も、ストレスがあると答えた人の方が2倍多いです。私は “打ち消し消費” と呼んでいますが、 ストレスがある人ほどそれを打ち消す消費や時間が必要で、子育ても仕事も家事もあるというマルチタスクが多いかたに、この傾向は強く見られます」

■伊久美「“打ち消し消費”というキーワード、ピンときます!」

■東島アナ「思い当たる、というかたは多いのではないでしょうか。このほかにも、ストレスの一因になっている気になるキーワードがありますか」

■山本「“子育て罰” という言葉が一時ネットでも広がりましたよね。これはお子さんがいらっしゃるかたといらっしゃらないかたで、ビジネス上のチャンスが違っていたり、経済的な格差があることに対する社会学的なキーワードとして浮上しました。お子さんがいること、母になること、父になることが、本当に罰ゲームのように大変である、とネット上でも話題になったので、この言葉は、現役で働いているかたたちの実感としてあるのだろうと思います。あまりよい言葉ではないのですが…」

■伊久美「ネガティブで、私はちょっと悲しかったです」

■山本「そうですよね。『サンキュ!』は、暮らしの豊かさやハッピーになる方法を提案している雑誌で、人気のある読者さんたちは子育ても生活も楽しむために、仕事上でいろいろな挫折があっても、程よい目的をもち、仕事の量、家事、育児のバランスをとって、あまり無理をしないで豊かに暮らそうと実践されています。今の子育て世代のかたは、経済的な余裕は欲しくても、無理はしたくないという気持ちが強いのかなぁと思います」

■伊久美「一方で、“子育て罰” というネガティブな言葉がはやるということは、現実社会にそういうムードがあるということなので、そこは課題ですよね」

■東島アナ「そうですね。程よい豊かさって絶妙なニュアンスですよね。そこにほっとする一方で、程よく働いてしまうと困ってくるのがお金です。そこはどうしたらよいでしょうか」

■山本「『サンキュ!』は創刊28周年になりますが、創刊当時は節約がいちばん人気のテーマでした。最近は新NISAの人気もありまして、やり繰りよりも財テクに関心が移っています。働くだけではなく、いろいろなところに収入源をもつ、副業や投資もして収入を得る。体を壊すまで働くのではなく、程よい暮らしのために知恵を絞るという傾向にあります」

■伊久美「手もとに3月号があるのですが、付録で丸ごと一冊投資ですか!」

■山本「はい。おかげさまで好評をいただいております。主婦=投資というイメージがない時代が長かったのですが、新NISAだけではなく、個別株などにも取り組まれている読者も増えています。“企業はこれをどうやってつくっているのか”ということに関心をもたれ、世の中を広くご覧になっているなぁと感じます」

■伊久美「賢いなぁ!みなさん、意識も高くてすごいですね」

■山本「投資への関心は、特に若い世代に多いと思います」

■東島アナ「お話を伺っていると、“合理的”というキーワードで、投資へ向かうかたも増えているのでしょうか」

■山本「やはり共働きが増えていることで、自分がしっかりしていないと、家族や職場に迷惑がかかります。自己肯定感や自分軸を大切に、まず自分自身を大事にしようと考える合理的な判断をするかたが増えていると感じます。無駄をできるだけ省いて、自分の時間、子どもとの会話の時間をつくるなど、生活にメリハリをつけ、考えて行動していらっしゃるなぁと思います」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回も、『サンキュ!』山本沙織 編集長をゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。国内外を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やし、人物をテーマにした旅やウェルビーイング企画を、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND