スマートフォンを使用して魅力的なアジアの女性

ツイッターで見つけた、会社を辞めて最初の仕事。「あたらしい働き方」が自分の可能性を広げてくれる

2024/01/25

さまざまな働き方で、自分らしくキャリアを積んでいる女性たちを取材しています。南川優奈さん(仮名・36歳)はフリーランスのキャリアカウンセラー。前回は、妊活への理解が得られず、会社を退職した経緯などをうかがいました。

今回は、フリーランスとしてのメリット・デメリット、そして、女性の活躍できる環境の作り方について、お話を聞いていきます。

自分が利用していたアプリの人事担当に直接メッセージ。お仕事をいただく

編集部:フリーランスになって、仕事はどうやって開拓されていますか?

南川さん(以下、南川):今の仕事はすべてX(旧ツイッター)経由で見つけたお仕事です。

不妊治療のアプリの会社さんは、もともとそのアプリを知っていたので、XからDM(ダイレクトメッセージ)を送って「私こういう資格を持っているので働けませんか」と。

職業訓練校の方は、SNSで知り合った同業者からの紹介のような形です。その方も職業訓練校の社長さんからツイッターで「職業訓練校をやるからキャリアコンサルタントやりませんか」とDMが送られてきて、という流れです。

ネットは危ないものもあるかもしれないけれど、話の内容をきちんと確認して利用すれば、きっかけを広げてくれるよいツールですよね。副業マッチングサイトみたいなものを活用するのもいいと思います。

編集部:もうみんなSNSで人脈を持っているってことなんですね。就職活動も進化してますね。

南川:私も名前も出して活動しているので、たまに同じようにフリーランスで働きたい方から、「どういう活動してますか?アドバイスください」みたいなDMが送られてきたりもします。

そうやってビジネスの知り合いを作っているんです。繋がって良かったことが多いです。

フリーランスは、自由だけれど孤独でもあります

編集部:今の仕事で辛いことってあったりしますか?

南川:たくさんあります(笑)。

働き方で言うと、やっぱりフリーランスかつフルリモートかつ地方在住なので、めちゃくちゃ孤独だなっていうのを感じます。同僚が隣にいないのが、会社員だと考えられなかったので。

仕事の内容としては、クライアントさんとうまくコミュニケーションができない時とか、こっちの思ってることが違うように伝わってギクシャクしちゃったような感じがあると、この業務ってやっぱり大変だなーって思います。

時にはプライベートの話も聞かざるを得ない仕事なので、ご家族との関係とか、ご自身のメンタルを崩されたお話とかを聞いているときは、私たちはメンタル領域には介入できないし、そこのもどかしさ、救いきれなさ、みたいなのが苦しい時があります。

キャリアコンサルで大切なのは、話しながらその人の良さを引き出すこと

編集部:この仕事やっててよかったなぁ、というようなことは?

南川:カウンセリング中に「こうやって不妊治療中でも働いてるよ」っていうお話をすると、驚かれて「パッと視野が広がりました」と。当初私のような働き方を考えてもいなかった方が、一歩踏み出されて同じように働かれるようになったことがありました。

あとは就職支援がうまくいって「内定もらえました」ってご報告いただけたりすることも。すごく嬉しいし、やりがいを感じます。

キャリアコンサルタントのメインは、その人の良さを引き出すことなんです。だからアドバイスっていうよりは、質問して言葉を引き出して「あなた、こういう良いところあるじゃないですか」みたいに気づかせてあげる仕事なんですよね。

キャリアカウンセラーは「いいとこ探し」が仕事
キャリアカウンセラーは「いいとこ探し」が仕事

本当は、会社員とフリーランスのいいとこどりがしたい。まだまだ新しい働き方を探していきます

編集部:すごく力をもらえる仕事ですね。今はもう会社に戻りたいとは思わないですか?

南川:正社員になりたいとは思ってないです。ただ、いいとこ取りはしたいなっていう思いがあって。

週20時間とか30時間レギュラーで働いて、サブで副業として業務委託の仕事をやるっていうハイブリッドな働き方ができれば、色んなリスクが網羅的にカバーできるかなって思うので。

そういう意味では、会社に所属するのもいいかなっていうのは思っています。

編集部:ハイブリッド、いいですね。

南川:理想は正社員で、皆さんが不自由なく働けるってことかなとも思います。会社組織っていろいろ整っていてやっぱりいいところもありますし。

フリーランスだと育休とか産休といった保証がない。全て自己責任になってしまいます。

少子化が問題視されているけれど、現実的には企業に依存するしかなくて、個人ではなかなか保証を得られないので、そこはちょっとな…と思います。

編集部:人事をずっと見てきた南川さんとしては、思うところが大きいですよね。

働き方にもっと選択肢が増えたら、中断せずに伸ばせるキャリアもあるのに

南川:男性の働き方の見直し。必要だなと思います。

子育てって夫婦でするものなのに、なんで女性だけが犠牲にならなきゃいけないんだろう。日本のキャリア女性は自己を犠牲にしすぎていると日々感じます。

カウンセリングで職業訓練中の方の話を聞いていると、子育てで自分のキャリアを中断しちゃったのがすごく悔しかったと言う女性、多いんです。

だからキャリアチェンジをしたくて、今マーケティングとかウェブデザインを皆さん学んでいらっしゃいます。でも、そもそもキャリアを止めない働き方、多様な働き方があったら、一旦休みたい方も休みたくない方も、そのまますすめるのになと思いますね。選択肢がまだまだ少ないですよね。



今が一番楽しく仕事ができていると言いながらも、これがベストだとも思わないという南川さん。
自分に限らず、日本の働き方にはまだまだ課題を多く感じていると、人事担当らしく語ってくれました。

【お話を聞いた人】
●南川優奈さん(仮名・富山県・36歳)
夫との二人暮らし。結婚3年目、現在不妊治療中。大学で教員免許を取得したが、学校の勉強ではない大人の教育をしたいと思い、企業人事の道へ。人事・労務として3社で経験を積んだ。

○お仕事データ
勤務形態 フリーランス
勤務時間 9:00〜12:00+18:00〜19:00など日による
年収 約100万円
お仕事内容 職業訓練校などの業務委託として、キャリアカウンセリング(オンライン)を行う。

南川優奈さん(仮名・36歳)
南川優奈さん(仮名・36歳)

イラスト/すぎやまえみこ 取材・文/尾崎真佐子 企画/サンキュ!コメつぶ編集部

 
 

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