収入だけじゃなく、自分らしく働きたい。4人の“自分軸”転職白書
2024/05/21
収入だけじゃなく、自分らしく働きたい!収入にこだわらず、“自分のやりたい仕事”に転職した人にフォーカスしてみました。“自分軸”で転職した、4人の体験&将来の目標や夢をご紹介します。
- 自分の好きなことで、社会に役立つ働き方をしたいと思っている人が半数以上!
- 「個人事業主」を選ぶ人もいます!(※2)
- 【“自分軸”転職CASE.1 】プロ主婦(R) /サンキュ!アンバサダー マミさん(東京都 47歳)
- 「面倒くさいな」と感じたことをどう解決するかが発信アイデアの基に
自分の好きなことで、社会に役立つ働き方をしたいと思っている人が半数以上!
読者へのアンケートで、現在は家庭の事情などで思うように働けない人、今の仕事に満足していない人でも「こんな働き方をしたい!」と夢や目標を持っている人が多数いることがわかりました。
さらに、自分が好きな仕事に熱意を持って取り組み、周囲の人や社会にも役立つことをしたいという人も増えてきています。
Q 今後の人生で仕事に対する夢や目標ってある?(※1)
仕事に対しての夢や目標がある人は約64%。「これからの自分の働き方」を前向きに考えている人が多いことがわかります。
※1 サンキュ!モニターアンケート(22年11月~23年1月実施。回答者数=243人)
「個人事業主」を選ぶ人もいます!(※2)
最近増えているのが、会社に所属せず「個人事業主」としてフリーランスで仕事をする人。Webライターやサロン経営など、家でできる仕事の需要が高まっています。
40代からは自分が好きなことを仕事にしたいと思い、薬草蒸しと腸もみセラピーのサロンを開業しました。(温屋さん 44歳)
Webライターで自己発信をし、セルフマネジメント力に自信がついたので、カウンセリングの仕事で起業しました。(おもちさん 37歳)
※2 サンキュ!モニターアンケート(24年1月実施。回答者数=198人)
【“自分軸”転職CASE.1 】プロ主婦(R) /サンキュ!アンバサダー マミさん(東京都 47歳)
夫(50歳)、長男(18歳)、長女(8歳)の4人家族。3年前、長男の塾代を稼ぐためにWebライターに転身。「サンキュ!STYLE」では月20本以上の記事を発信。
●家政婦⇒プロ主婦(R)
主婦の暮らしを丸ごとコンテンツとして、あらゆるメディアで発信しています。
以前、家政婦を経験したことで、“主婦の仕事”は価値のあるものだと身をもって実感したマミさん。「Webライターとして生活の中で感じたことを記事にしたり、主婦マーケターとして企業の商品を試したりなど、“主婦”の意見を求められている情報がたくさんあり、それが収入につながるとわかり、自信がつきました。そこで思い切って、『プロ主婦』という肩書を商標登録。今後も、胸を張って主婦という仕事を発信し、“外で働いていない主婦は肩身が狭い”と思っている人たちの希望の星になりたいと思っています」。
※「プロ主婦」は、マミさんの商標登録です。
マミさんの「プロ主婦」とは、完璧に家事をこなすからプロということではなく、「主婦であることをそのまま仕事にしている」ということを意味しています。
●マミさんのお仕事歴
【00~04年】
結婚・長男出産
販売のパート
【10~11年】
自宅でカラーセラピーのサロンを経営
離婚
【12~14年】
家政婦として働く
再婚
【15~19年】
長女出産を機に、専業主婦に
【20~現在】
Webライターを始める
21年に主婦マーケターに登録
家事クリエイター2級を取得
24年「プロ主婦」を商標登録
●お仕事DATA
・どんな仕事?
生活情報などの記事を書くWebライター。企業から依頼された商品などについてのリポートをする主婦マーケター。
*主婦マーケターの仕事は、株式会社エクスクリエのフィールドマーケター「DOさん」に登録
・収入は?
月10万~20万円
「面倒くさいな」と感じたことをどう解決するかが発信アイデアの基に
「自分が面倒くさいなと感じたことを敏感にキャッチするよう心がけています。面倒な家事を無理してやるのではなく、どうしたらラクになるかいろいろ試して、その工程を楽しんで記事にすることが大事!」。
●商品を実際に試してリポートも
定期的に100均の新商品をパトロール。購入して実際に試してみて、使った感想などを紹介することも。「洗剤や掃除用具などは、家政婦の経験を生かしてチェックしています」。
●将来の目標、夢
プロ主婦として、全国で講演できるようになりたい!
【“自分軸”転職CASE.2】『サンキュ!』読者 ゆかりさん(兵庫県 41歳)
夫(42歳)、長女(9歳)、長男(1歳)の4人家族。自身の小麦アレルギー発症を機に、米粉シフォンケーキの工房を開店。「毎日シフォン」インスタ@yu080816
●洋服販売員⇒シフォンケーキ店
食物アレルギーの人でもおいしく食べられるスイーツを作る!と決意し、自宅で開店。
「米粉、豆乳を使ったシフォンケーキを手作りしたら家族に大好評だったので、私のような食物アレルギーの人にも安心して食べられるものを提供したいと思い、出店を決意しました」。1年かけて、米粉100%のシフォンケーキの試作を繰り返し、納得いく商品が完成。「挫折しそうになったときも、“私がやるんだ!”という覚悟が継続する力に。販売開始後、お客さまからの反響も励みになり、今では自分を表現できる場所はここだったと確信しています」。
●お仕事DATA
・どんな仕事?
自宅敷地内の工房で、米粉100%のシフォンケーキを製造、販売。今は育児優先のため、予約とイベントでの販売のみ。
・収入は?
月々変動あり
試作を繰り返し、たどり着いた自信作。固定ファンも!
開店資金は、貯蓄からまかないました。「今は、米粉シフォンケーキの製造を1人で行っているけど、いずれは大量生産化したい。幼稚園や保育園、介護施設などにも提供できるようにするのが目標です」。
●将来の目標、夢
小さな子どもからお年寄りまで、長く愛される、地元に根づくお店にしたいです。
【“自分軸”転職CASE.3】『サンキュ!』読者 ずっきーさん(青森県 31歳)
夫(35歳)、長女(8歳)、二女(5歳)の4人家族。自治体の新規就農の支援制度を利用し、農家に。「森の葉農園」インスタ@mori_no_ha_farm
●介護施設職員⇒事務⇒農業
家庭菜園好きが高じて農家に。心身ともに健康的な生活になりました。
「家庭菜園をきっかけに農業に興味を持ち、自治体に相談に行ったところ、就農支援制度を知りました。実際の作物ごとの所得平均や作業時間などを見て、私にもできるかもと思えるように」。1年半の農業研修を経て、使われていない畑を借りて農業を開始。「メインの農作物の栽培、収穫はこれからですが、毎日農作物に触れる生活はとても健康的。女性1人でも農業ができることを発信して、農家になりたい人が増えたらいいなと思います」。
●お仕事DATA
・どんな仕事?
個人事業主として、野菜の栽培管理、収穫、販売。23年9月に農業研修を終えて独立。
・収入は?
(24年の所得予定) 約70万円
規格外のほうれん草などを近くの施設で販売することも
「自治体の補助金(年150万円・3年間)を活用しながら、5年後、年250万円所得を目指して栽培計画を立てています。自分で時間調整がしやすく、子どもとの時間が増えたのもメリット」。
●将来の目標、夢
肥料も自給自足で、できるだけ農薬を使わない有機栽培を目指しています。
【“自分軸”転職CASE.4】『サンキュ!』読者 ほしさん(大阪府 40歳)
夫(40歳)、長女(10歳)、長男(7歳)の4人家族。21歳から看護師として働き、23歳のとき保健師資格取得のため、大学に編入学。31歳で行政保健師に。
●看護師⇒行政保健師
収入は減ったけど、家族との時間が増え、将来の目標も見えたので転職して良かった。
「看護師の仕事もやりがいがあったのですが、長女の出産後、夜勤がある仕事への復帰に不安が……。ちょうどその時期、市報で保健師採用の募集があり、持っている資格を生かそうと思い、転職しました」。転職後は残業が少なくなった分、看護師時代に比べて月収が10万円以上減ったそう。「それでも、年20日間の有休が取れ、子どもとの時間が増えたのはメリット。今後は、子どもの発達相談を本格的にやっていきたいという目標ができました」。
●お仕事DATA
・どんな仕事?
行政保健師として、保健所や保健センターで、乳幼児健診などに携わっている。
・収入は?
月約27万円
将来のため、公認心理師の資格も取りました
「子どもの発達相談で、より専門的な指導ができるように公認心理師の国家資格を取得。将来は、保育園や幼稚園と連携し、発達課題がある子どもやその親を支援するシステムを作っていきたいです」。
●将来の目標、夢
子どもも親も安心して働ける環境作りのために尽力したい。
参照:『サンキュ!』2024年6月号「“自分軸”転職白書」より。掲載している情報は2024年4月現在のものです。写真提供/マミさん、ゆかりさん、ずっきーさん、ほしさん 構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部