野菜の切れ端を捨てずに再生!エコ&育てて楽しい"リボベジ"

2023/07/02

野菜の切れ端を育てて収穫する再生栽培="リボベジ"が、新しい家庭菜園として注目されています。栽培のポイントを教えてもらいました!エコ&育てて楽しいうえに、手軽に収穫できて食費節約にも◎。

19年に農業コンサルティング企業「イチゴテック」を創業。YouTubeで、幅広い植物に関する情報を発信し、チ...

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彩りや薬味に少しだけ使いたい野菜を"リボベジ"すれば、節約効果大!

「"リボベジ"のいいところは、種や苗を買う必要がなく、もしうまく育たなくても、野菜を使うたびに切れ端が出るので、気軽に再チャレンジできること。家庭菜園をやったことがない人でも安心です。料理のとき少量しか使わないけど、買うとちょっと高価な香草や薬味に使う野菜を自宅で栽培すれば、いつでも必要分だけ収穫できるので、節約に役立ちます」。

水につけるだけで手軽に収穫

水は毎日換えることが大事!

基本は、野菜の根元や茎を水につけておくだけですが、水が腐ると菌が増え、植物が枯れる原因に。水は毎日入れ換え、容器も食器用洗剤で毎日洗うことが長持ちさせる秘訣です。

約1カ月間ずっと収穫できる小ネギ

【収穫までの期間:約1週間】

1週間後

元々、根がついたまま販売されているので、切った根元を水につけるだけでグングン成長。5~7日後、伸びた葉をハサミで切って収穫を。葉が伸びなくなってきたら収穫終了。

軸の切れ端から葉を育てるニンジンの葉

【収穫までの期間:約2週間】

10日後

軸の切れ端を水につけ、伸びてきた新しい葉をカットし、スープやサラダの彩りに。水の量は、葉が出てくる部分がつからない程度の少量でOK。ヘタの部分が腐ったり、葉が伸びなくなったら収穫終了。

土に植えてしっかり育てる

土栽培(葉物)の基本の手順

※ほうれん草や小松菜、クレソンなどの葉物、ミント、バジルなどの香草の場合。

1 水につける

プラコップなどに水を入れ、野菜の根元から2~3cm上で切り落としたもの(または茎の先端)をつける。水の量は、根元(茎)が1~2cmつかるくらい。水は毎日交換し、根や葉が伸びてくるまでこのまま育てる。

2 容器と培養土を準備する

プランター(または鉢)、野菜用の培養土、鉢底石を用意。プランターの底に鉢底石を敷き詰め、その上に培養土を入れる。土の量は、プランターの9割程度に。培養土には肥料が含まれているので、肥料は加えなくてOK。

3 土に植える

1の根が3~5cm程度に伸びたら、株の間隔をあけて根元が土に埋まるように植え、底から水が出るくらいまで全体的に水やりする。その後、日当たりのいい場所に置く。水やりの目安は、土の表面が乾いてから、たっぷりと。

4 収穫する

植えて1カ月たったら追肥を。茎、葉が伸びてきて、市販の野菜よりも少し小ぶりくらいまでに育ったら、根元の部分を残し、ハサミなどでカットして収穫する。花が咲いてきたり(植物によって異なる)、茎、葉が枯れてきたら収穫終了。

夏から育てるのにおすすめの野菜

太陽の光
flyingv43/gettyimages

生命力が強く、どんどん増えるミント

【収穫までの期間:約1カ月】

2週間後

茎を水につけ、根が3~5cmに伸びてきたら、10cm間隔で土に植え替え。しっかり根付くまでは、日光に当てすぎないように注意!1本の茎から増えてきたところを手で摘んで収穫。冬枯れしたら収穫終了。

切り戻しすると増殖力アップバジル

【収穫までの期間:約1カ月】

2週間後

大きな葉は摘み取っておく。茎を水につけ、根が5cm程度伸びてきたら、20cm間隔で土に植え替え。秋に株の根元で切り戻しするとより成長する。茎が枯れるか、花が咲いたら収穫終了。

発根が早く、育てやすいクレソン

【収穫までの期間:約1カ月】

2週間後

小さめの葉を残し、茎を水につける。根が3~5cmに伸びてきたら、10cm間隔で土に植え替え。水生植物なので、土植え後は水枯れしないようにたっぷり水やりを。花が咲いたり、茎が固くなったら収穫終了。

芽が出たイモから増やすジャガイモ

【収穫までの期間:約4カ月】

芽が伸びたジャガイモを土に植えるだけ。日光が不足すると大きく育たないので、日当たりのいい場所に置いて。植える時期は8月下旬がベスト。

1 土に植える

高さがあるプランターに鉢底石、培養土を入れ、ジャガイモの芽がたくさん出ているほうを上にして、深さ3cmに植える。株の間隔は20cm程度。

2 芽を減らす

植えてから2~3週間後、1つのイモから5~6本の芽が出てくる。イモをより大きく育てるには、その芽の中で大きく育った3本だけ残して、ほかの芽は抜き取る。

3 土寄せをする

新しいイモは、最初に植えたイモの上にできるので、芽を減らしたあと、元肥入りの培養土を上から足す。植えてから1カ月過ぎたら、追肥する。

4 収穫する

伸びた葉が半分以上枯れてきたら、収穫可能の目安。土の中を掘り起こし、イモを収穫する。1株から何個も収穫できるので、奥のほうまで掘り起こす。

※植物の発根や生育の状況は、栽培環境・気温などの条件によって異なります。

<教えてくれた人>
農業コンサルタント 宮崎大輔さん
19年に農業コンサルティング企業「イチゴテック」を創業。YouTubeで、幅広い植物に関する情報を発信し、チャンネル登録者数は18万人超!最新著書は、『キッチンからはじめる!日本一カンタンな家庭菜園の入門本 おうち野菜づくり』(KADOKAWA)。

参照:『サンキュ!』2023年7月号「エコ&育てて楽しい"リボベジ"始めてみませんか?」より。掲載している情報は2023年5月現在のものです。写真協力/神保達也 イラスト/omiso  構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部

 
 

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