野菜の高騰が続く中、趣味と実益を兼ねて野菜作りを楽しむ人が急増中。初めてでも、庭がなくてもすぐに始められるプランター菜園のコツを、園芸研究家のはたあきひろさんに教えてもらいました。プランター菜園の実例もご紹介!

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いいこといっぱい!プランター菜園
小さなスペースがあればOK!100円ショップの物で始められる!管理しやすい!など、いいことづくしのプランター菜園。初心者さんでも安心して始められるから、さっそくマネして挑戦してみよう。
・プランターの下にレンガなどを敷き、通気性と排水性をアップ!
・エアコンの室外機の近くは避けて!
大量収穫できるプランター菜園の始め方
全部100円ショップで揃うよ!
用意するもの
・土
肥料が入った、「園芸用土」や「培養土」と書いてある物が便利。25L入りで700円以上の物を目安にチョイス。100円ショップでも揃いますが割高です。
・種
蒔ききれないほどあっても困るので、量が少なめの物を選ぼう。早く収穫したい場合は、苗から始めるのがおすすめ。
・プランター
プラスチック製で鉢底がメッシュになっている物が◎。深さは、葉物野菜は15cmくらい、トマトやなすは30cmくらい必要。
・鉢底石
軽石が一般的ですが、「赤玉土」の大粒がおすすめ。植え替えて土を再生して使う時に土と分けずに済み、そのまま栽培用に使えて便利。
・肥料
速効性のある液体タイプや、水やりするごとに肥料成分が溶ける置くタイプなどありますが、初心者は土に混ぜ込むタイプが使いやすい。
はたさんおすすめの肥料
野菜の充実肥料
1.3kg×3袋 ¥5,340/タキイ種苗
粒に特殊なコーティングを施し、成分がゆっくり溶け出す。
マグァンプK中粒
500g ¥1,210/ハイポネックスジャパン
土に混ぜ込むだけで約1年間効果が持続し、野菜の生育をよくする。
さあ、始めるよ!
●土を入れる
鉢底石を敷いて園芸用土を九分目まで入れ、底から水が流れ出るまで水やりします。種を蒔いてから水をやると、種が流れて発芽率が低下するので注意。
●種蒔き
深さ1cmの溝を作り、1~2cm間隔で種を1粒ずつ蒔きます。土を掛けて手の平でそっと押さえたら、種が流れないように土の表面をぬらす程度に水やりします。
●水やり
プランターは乾燥しやすいため、発芽後は水やりは欠かせませんが、根腐れの原因になるのでやり過ぎは禁物。表面が乾いたら、底から流れるまで水やりするのが基本。
ベランダは地中海 環境に合った野菜を育てよう!
一般にベランダは日差しが強く、乾燥気味な場所です。つまり、ベランダは地中海性気候に近いため、イタリア料理で使うトマトやバジルなどの栽培に向いています。逆に日当たりが悪い場合は、弱い光でも育つ野菜を育てるとよいでしょう。
弱い光でも育つ野菜
パセリ、みょうが、青じそ、万能ねぎなど
強い光を好む野菜
きゅうり、ピーマン、ミニトマトなど
料理を格上げ♪家計も助かる!みんなのプランター菜園見ーせて!
ひと足早くプランター菜園を始めている読者に、どんな野菜を育てているか教えてもらったよ!
種いもの2~3倍は収穫できる! じゃがいも
<教えてくれた人>
喜元文さん〈仮名〉(福岡県 33歳)
「サンキュ!家計やりくりコンテスト」23年銅賞受賞。年間約15種類の野菜をはじめ、すいかやいちごをプランターと地植えで栽培中。家族で消費する野菜の半分くらいを家庭菜園で収穫するすご腕主婦。
栽培しやすさはピカイチ。園芸用土の袋に排水用の穴をあければ、直接植えて栽培することも可能。「水をやり過ぎないのがポイント。とれたては皮がめちゃ薄く、感動もののおいしさです!」袋のまま栽培できるのも魅力!
一度蒔いたら一生もの!?育てない手はない! にら
宿根草のため、一度蒔けば冬以外は何度も生えてくるにら。「害虫にも強く、ほぼ放置していても育ち、初心者におすすめ!」
700円の苗から72個の大豊作! 玉ねぎ
プランターと地植えを併用し、700円の苗から72個の大収穫。「1個10円以下で玉ねぎをゲット。日持ちする野菜なので、収穫後長く楽しめるのも魅力です」
プチ果樹園だって夢じゃない!? レモン
「生産者が1年育てた1年生苗を購入し、約2年育てて収穫。時間はかかりますが、苗から育てるので意外に簡単で、収穫できた時の喜びは最高!」
身近な物をリユースして育てても
プランターがない場合は、エコバッグやペットボトル、牛乳パックで育ててもOK!
●エコバッグでいちご栽培
底に排水用の穴を数カ所あけ、園芸用土と赤玉土を混ぜた物を入れて水やりし、苗を植えるだけ。春植えなら1~2カ月、秋植えなら約半年で収穫できます。
料理のトッピングに万能! バジル
<教えてくれた人>
小島香住さん(神奈川県 40歳)
野菜ソムリエプロ、管理栄養士としての知識を生かし、野菜をおいしく食べる情報を発信。幼稚園児の長男と、野菜の成長を観察中。
風味抜群で育てやすいハーブ。「買うと高いけど、栽培すれば必要な分だけとれて無駄ナシ!種をとれば翌年以降も収穫でき、超お得です」
ベビーコーンは育てた人だけのお楽しみ! とうもろこし
「プランターで大きくするのは難しかったのですが、間引きしてベビーコーンがたくさんとれました。ほくっとして甘~い、と子どもが大喜び」
料理の主役にもなる! なす
上にも横にも伸びるので、深型のプランターが向く。「油と相性抜群で、炒めものや南蛮漬けにして食べました。きれいな花が咲き、鑑賞にも◎」
売れ残りの100円の苗から10個以上とれた! ピーマン
<教えてくれた人>
シンプリスト うたさん(中国地方 38歳)
食費の節約を目的に、約10年前にプランター菜園を開始したシンプリスト。今年はオクラとベビーリーフを栽培する予定。
「ピーマン好きの長男のために、たまたま格安で見つけた苗で栽培開始。ほったらかしで10個以上収穫できたので、今年はもっとちゃんと育てたい(笑)」
苗1本で夏中楽しめる! ミニトマト
<教えてくれた人>
はるさん(大阪府 50歳)
買うと高めなハーブや香味野菜を中心に、プランター菜園歴約13年。ベランダのほかに、キッチンの出窓でハーブを鉢植え中!
プランター菜園で人気No.1。「ほぼ失敗せず、毎夏100~200個収穫できます。いろんな料理に使えて、少しずつ熟していくところもおすすめ」
100円の種で87本の大収穫! おくら
<教えてくれた人>
ライターW
初夏から秋まで収穫できてコスパ抜群。「種から蒔いて3本に仕立てたら、ほぼ毎日のようにどれかから収穫でき、最終的に全部で87本とれた!」
料理研究家Mizukiさん発 食べた種からミニトマトがとれた
「スーパーで買ったミニトマトから楊枝で種をとり、キッチンで育てました。季節外れのスタートだったため成長はゆっくりでしたが、春になって外に出したら急成長。夏には300個以上実をつけ、めっちゃおいしかった!」
<この記事の監修・教えてくれた人>
はたあきひろさん
園芸研究家。人と自然のつながりを大切にした野菜作りや暮らしを、NHKテレビなどで発信中。『コップひとつからはじめる 自給自足の野菜づくり百科』(内外出版社)などの著書がある。
参照:『サンキュ!』2025年5・6月合併号「今年は、『プランター菜園』で大収穫!」より。掲載している情報は2025年3月現在のものです。監修/はたあきひろ イラスト/山下晶代 取材 ・ 文/渡辺ゆき 編集/サンキュ!編集部