30年ほど前からベランダ菜園をしているという節約アドバイザーの丸山晴美さん。食卓の彩りが豊かになるだけでなく、節約にも役立っていると言います。そこで、今の時期に始めるのに適していて、初心者でも簡単に育てられ、節約に役立つおすすめの野菜を聞きました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2025年3月時点の取材情報を基にしています。

監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「節約に役立つ家庭菜園」!
おすすめは、おかずにも彩りにもなる野菜3種
家庭菜園とひと口に言っても、ベランダなのか庭に地植えするのか、日当たり具合はどうなのかなどによっても異なります。そこで今回は、私と同じベランダ菜園をする場合のおすすめについてお話しします。
わが家は今年度から息子の弁当作りがスタートしたのですが、弁当にも役立つ野菜としておすすめなのが「ミニトマト」「ピーマン」「オクラ」です。この3つは今の季節から植えるのに適していて、いずれもタネを蒔いて水をあげていれば、大した手間をかけずにしっかり実がなってくれます。
育てやすさではきゅうりやゴーヤもいいですが、これらはツルが長く伸びるのでベランダ菜園には不向き。また、葉もの野菜は、夏に育てると虫がたくさんついてしまうので、冬に育てたほうがラクです。
ミニトマト、ピーマン、オクラはおかずになるだけでなく、彩りとしても使えます。肉がメインの料理は茶色っぽくなりがちですが、そこに少し赤や緑が入るだけで、見た目も食欲もアップします。
ちなみに、彩りとして活用するだけなら、小ネギや大葉(しそ)、パセリなども育てやすくておすすめです。
種や道具類一式が100円ショップでそろうのも手軽
家庭菜園で使用する種は、私はすべてダイソーで買っています。
ミニトマトには「鈴なりミニトマト」と「手間いらずミニトマト」があります。ピーマンやオクラも種類があるので、よく特徴を読んで、好きなものを選びましょう。
値段はよりどり2パックで110円。発芽率も問題なし。この安さと手ごろさは本当にうれしいですよね。
プランターなどの道具類もすべて100円ショップでそろいますが、土や肥料は100円ショップだとコスパが悪いかも。ホームセンターなどで売られている容量が大きいものを購入した方がお得です。
土や肥料はリサイクルテクでコストを抑えて
収穫が終わって枯れたら、土に残っている根などを取り除きます。土は都度交換するのではなく、乾燥させた後に腐葉土や肥料を混ぜ、繰り返し使います。
その際、家にあるものでコストをかけずに肥料や土壌を整える、といった工夫もしています。例えば卵の殻は、洗って乾燥させたものを砕いて土に混ぜ、カルシウムの補給にします。海苔などに入っている石灰の乾燥剤は、土に混ぜると土をアルカリ性にすることができます。
土壌をアルカリ性にすると保水性や保肥力が向上したり、病原菌の活動を抑えるたりすることができ、比較的健康な植物を育てやすくなるそうです。ただし、入れすぎは禁物です。
また、生石灰は水と反応すると発熱してしまうので、そのまま撒くと根を傷める原因になります。そのため乾燥剤はしっかりと湿気を吸わせてから土に混ぜるのがおすすめです。
なお、トマトやピーマンなどは連作障害が出やすい野菜です。連作障害とは、同じ場所に同じ作物を栽培することで土の中の栄養分が不足するなどして、野菜の育ちが悪くなることです。これを防ぐため、私は翌年には違うプランターにするなどしています。
4月からまた多くの食材が値上がりしました。野菜の高騰もいつ終わるのかわかりませんし、キャベツのようにこれまで価格が安定していた野菜でも、場合によっては高額になることもあります。
さまざまな野菜高騰リスクを想定しつつ、食費に貢献する家庭菜園で、楽しみながら節約してみてはいかがでしょう?
取材・文/かきの木のりみ