家庭菜園歴15年、育てた野菜でごはんをつくるのが楽しみのサンキュ!STYLEライターのracssです。
お米も野菜も高くて困る今日このごろ、家庭菜園で少しでも食費を節約したいところですが、実際にお得を感じるためにはいくつかポイントがあることに気づきました。

家庭菜園の初期費用をかけすぎると元を取れないことも
最盛期になってトマトやきゅうりが毎日のように収穫できるとやりがいがありますが、かかる費用と家庭菜園の収穫で食費に貢献する量を比べて本当にお得なんでしょうか?
私が以前に試算したところ、3種類の夏野菜を苗から植えるためにプランターや土を一から購入してそろえるとすれば、1万円前後の準備費用が必要と出ました。形から入ろうとするとなかなかの出費です。
知り合いからお古のプランターや道具を譲ってもらうなど、初期費用をできるだけ抑える工夫ができるといいですね。
私ははじめはすでにあった花壇の一角からスタートしたので苗だけの出費ですみましたが、もっと植えたくなったときにプランターをそろえたら思っていたよりお金がかかってびっくりしたのを覚えています。
とはいえ2年、3年と続けていけば初期費用も回収できますから、長続きさせられるかどうかが鍵になりそうです。
地域に合った品種選びが失敗しないコツ
何を植えたら元が取れるんでしょうか?
食費の足しにしようと始めてもうまく育たないと元が取れませんから、失敗しない野菜を堅実に選ぶというのが最初のうちはいいと思います。
私が15年の家庭菜園経験から超初心者の人にもおすすめできるのは、苗からならミニトマト、ししとう。種からならラディッシュや小松菜といったところでしょうか。
ほかに初心者向きとされている野菜はたくさんありますが、品種が地域の気候にあっていないと収穫量が上がりません。限られたスペースで育てるなら、近所の経験者さんが植えているものを真似するのがおすすめ!
苗や種は地元のお店で多く売られている品種がその地域に向いているもの。とくに地元でつくった苗を仕入れていれば、地域の気候にも馴染んでいると考えられます。
ちなみに冷涼な北海道で私が初めて育てたオクラ、ナスはほんの少ししか収穫できずがっかりでした。逆に夏のカブやほうれん草が成功。それぞれの野菜の好む気候と自分の住む地域の相性を知ったうえで選ぶ必要もありますね。
スーパーでは割高な野菜を育てるとお得感を感じやすい
スーパーでは割高な、薬味やハーブ系、山菜系の野菜を中心に育てているとメリットを感じやすいもの。例えばシソや小ネギは使いたいときにちょっととることができれば重宝しますよね。
私の家庭菜園では、多年生のミョウガやウド、アスパラ、ルバーブ、オレガノやチャイブなどが育てていてよかったもの。わが家の環境にも合っているようです。
ほかに毎年にんにく、青しそ、赤紫蘇、ルッコラ、ラディッシュを必ず育てます。どれも育てるのはむずかしくありませんがスーパーで買おうとするとちょっと割高なものたちです。
買ったほうが安い…としても続ける価値はある
野菜の直売所や安いスーパーが近くにある環境なら、買ったほうが安い野菜もたくさんあります。
なすもきゅうりもじゃがいもも、わざわざつくらなくても大袋で買えちゃいますよね。
それでも「自分で野菜を育てる方法を学ぶ」という目的で家庭菜園を続けることには一定の価値があります。野菜作りを学んでおけば、いざというときは自分の食べるものをつくることができるからです。
わが家でもコロナ禍で外出自粛があったころには、家庭菜園をやっていてよかったとしみじみ感じました。
そしてとりたての野菜には、ほかでは味わえないおいしさがあります。切ると水が滴るアスパラ、完熟してからとるトマトの味の濃さ、間引き菜の柔らかく根まで食べられる特別感。これを知ってしまうと、お得かどうかなんて関係なくなってしまうかも。
家庭菜園やってみない?
家庭菜園でお得を感じるための考え方をいくつかご紹介しました。
必ず元がとれる種類の野菜を堅実に育てるか、少しずつ使いたい薬味系の野菜を育てるか、野菜作りを学ぶために続けるか、この3パターンが私の考えるお得な家庭菜園のやり方です。
もちろん変わった品種を育てて楽しんでもいいし、少し余裕があればおしゃれなプランターでそろえて見た目にこだわってもいいですよね。単純に植物とふれ合うと癒やされるという点も、お金に替えられない大きなメリット!
春のスタート時期を逃しても育てられる野菜もあります。今からでも家庭菜園をやってみませんか?
◆この記事を書いたのは・・・racss(らっくす)
調理師・食育インストラクター2級・菜園家。
もっと楽しく&健康的に食べたくなる食のはなしを発信します。