気温が下がるにつれて、甘みを増しておいしくなるれんこん。きんぴら、酢の物、煮物と大活躍で、辛子蓮根などの郷土料理にも使われる身近な野菜です。
お店でれんこんを買うとき、どの部分に注目しているでしょうか?じつは専門家によると、おいしいものを選ぶコツは「食べない部分」に注目すること…らしいのです。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、れんこんを選ぶコツを教えてもらいます!

穴は食べられないけれど…
れんこんの断面に10個前後空いている穴。
当然ながら実際に食べるのは穴じゃない部分ですが、売り場で選ぶときには、まず見てほしいのは穴の部分です。
れんこんはそもそも、湖や沼に育つハス(蓮)の水中にできる地下茎のことですが、れんこんの穴は水上の葉から水中の根へと酸素を運ぶための通り道なのです。
この穴の大きさが揃っているのが、れんこんがおいしい証拠。
そのため、大小さまざまな大きさの穴が空いているれんこんではなく、できるだけ同じくらいの穴が並んだものを選ぶようにしましょう。
穴の大きさはレンコンそのものの大きさにもよりますが、同じくらいの大きさのレンコン同士であれば、穴が小さいもののほうがおすすめです。
全体の見た目は「ずんどう」がポイント
れんこん全体の見た目としては、途中で曲がったり太さが急に変わったりしないで、ずんどうな体型のものを選ぶようにしましょう。同じくらいの大きさのもの同士なら、ずっしりと重いほうがおすすめ。
また、表面は泥がついたまま売れられているものもありますが、もし洗ってあるタイプであれば、すべすべで茶色いシミがないものがおいしい証拠。
じつは表面がなめらかなものを選ぶのは、れんこんだけでなくさつまいもやにんじんでも共通なので、覚えておくと便利です!
切り口は黒ずんでいないものを選んで
スーパーに並んでいるれんこんはたいていカットされていますが、その断面は時間が経つほどアクが回って黒ずんでいきます。
そのため、断面がより白っぽいもののほうが、カットされてから比較的時間が経っていないということになります。
(あまりにも白すぎると漂白されている可能性もあるため、薄い褐色~黄色っぽい自然な白さがおすすめ。)
また、穴の中まで黒ずんでいるものは傷み始めているため避けましょう。
おいしくなる時季のれんこんを堪能しよう!
れんこんは1年を通して手に入りますが、暖かい時季のれんこんは水分が多くてみずみずしく、寒くなるにつれてデンプンを蓄え甘みが増します。
また暖かい時季に比べて日持ちもしやすいので、急いで使い切らなくてもいいのも嬉しいポイントです。
ただ、れんこんは前述のように水の中で育つため、乾燥に弱い野菜なので、節がついているものは湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で包んでポリ袋へ。
カットされているものは断面をラップで包んで、水分が失われるのを防ぎましょう。
食物繊維やビタミンCなど体に嬉しい栄養素もしっかり含んでいる、れんこん。ぜひ「穴」に注目して品質のよいものを選び、旬の味を堪能してください!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。Instagramは「@megumi_kitchen_and_atelier」。
編集/サンキュ!編集部