トップアスリートの最新腸内環境ケアに学び、燃費のよい体になろう~連載『はじめよう!フェムテック』
2024/12/03
2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。
<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。32歳の長女一人。
●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった33歳。
<ゲスト>
●古田雄一郎 Yuichiro Furuta
森永乳業(株)食品素材統括部 販売企画機能性グループ マネージャー。1996年麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、森永乳業入社。酪農部で生乳取引や飼料販売などを経て、子会社の(株)クリニコで医療食販売や在宅医療事業などに従事。2010年より機能素材事業部で機能性素材販売などBtoB事業を行う。2015年以降も、所属部門の業務を引き継いだ食品素材事業部にて、機能性素材の販売企画に携わり、2022年4月より現職。https://www.morinagamilk.co.jp/
認知が広がりつつある「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。ゲスト、腸内環境のスペシャリスト、森永乳業の古田雄一郎さんです 。「今回は、古田さんの夢を伺いました。確かに、腸のスペシャリストなら、大谷翔平選手の腸事情を知りたいですよね(笑)。実現することをお祈りしています!」(伊久美)
腸活をすることで、太りにくい体を目指せる!?
■東島アナ「今回のゲストも、腸内環境のスペシャリスト、森永乳業の古田雄一郎さんです。日頃から腸内環境について考えていらっしゃる古田さんですが、今、夢があるそうですね」
■古田「はい。やはり、大谷翔平選手の腸内環境を見てみたい、知りたいと思っています!」
■伊久美「それは世界中の人が知りたいですよね。実現してほしいなぁ!」
■古田「そうですね。2024年は打者に専念されましたが、フルシーズン、アメリカの時差、長距離の移動に耐えられているだけでも、とんでもない腸内環境なのではないかなと思っております」
■伊久美「やはり、長距離を移動することは腸に悪いのですか」
■古田「そうですね。国内のアスリートから相談を受けることもあるのですが、国内の移動だけでも腸の調子を崩される選手もたくさんいますし、日本では活躍できるけれど、海外ではどうしても力を出し切れない、という選手もいらっしゃいます。そういったことからも、腸内環境ケアというのは大事です。ですから、大谷選手の今年のご活躍を見ていると、とんでもない腸なのだろうなぁと感じています」
■東島アナ「そこで今回は、トップアスリートの腸内環境について伺います。今の移動の話もそうですが、スポーツ界でも腸内環境の研究が進んでいるのですね」
■古田「コンディショニングサポートという意味で、そのかたの能力を100~120%生かしていただき、最高の状態にもっていくためには、腸活はすごく大事だといわれています。わかりやすくいうと、大崩れさせないということです。ちょっとした腸のトラブルくらいであれば力を出せると思うのです。ただ、大崩れしてしまうと、力の半分も出せないことがある。ですから、本当によい状態をキープしていくために、腸活は非常に大事になってくると思います」
■伊久美「アスリートのかたがたは、下痢を起こしやすいということですか!?」
■古田「そうですね。一つはストレスが原因だと思います。脳腸相関といわれますとおり、脳の状態は腸に影響がありますし、体全体に負荷もかかります。例えば、走って横腹が痛くなったりすることがあると思うのですが、あれはお腹の中の悪い菌のガスが要因の一つだったりします」
■伊久美「謎の横腹の痛み、経験あります(笑)」
■古田「特に右の方が痛くなりますよね。あれは、走ると筋肉の方に血液が行くので、腸に血液が足りなくなくなり腸の動きが悪くなる。そうすると、悪い菌が増えてくるのです。しっかり走るためにも腸ケアは大事だと思います」
■東島アナ「伺っているとトップアスリートのかたはもちろんですが、私たちの生活にも影響してくるポイントですよね。気になるところでいいますと、体重のコントロールも腸内環境に影響を与えるそうですね」
■古田「女性も気になるところかなぁと思いますが、実はアスリートは体に負荷をかけますので、体中が炎症状態になります。そうすると、食べたものを体にためやすい、必要以上に体に吸収させてしまうようになるのです。そうすると、せっかく食事制限などをしても、結果がともなわなくなってきます。そういうかたが腸ケアをすると、太りにくい体質を目指せます」
■伊久美「太りにくい体質、よいですね。最近よく“痩せ菌”、“デブ菌”という言葉を耳にするのですが、これはどういうことでしょうか」
■古田「たくさん痩せるとか太るというわけではなく、ためにくい体をつくりやすい原因となる菌というのが存在していまして、その主導的な役割が“痩せ菌”です。腸はすごくデリケートな存在で、腸がダメージを受けると肥満に繋がることもあります。腸を痛めるような菌を“デブ菌”といいます」
■伊久美「やはり、先週教えていただいたような腸によい食べ物を摂れば、“痩せ菌”が増えるということですね」
■古田「少しがっかりされるかもしれませんが、皆さんのお腹の菌のメンバーというのは3歳くらいまでで決まっているのです。ですから食生活を変える中で、その菌のメンバー構成がうまくバランスがとれるとよい状態になりますし、特定の悪い菌が増えたりすると悪い状態になります」
■伊久美「3歳の時に“デブ菌”ばかりだと、一生“デブ菌”だらけなのですか(笑)」
■古田「そんなことはありません(笑)。菌のメンバーは人のお腹の中に何百種類とあるので、メンバーのバランスを整えれば問題ないです。例えば、プラウディア菌というのが“痩せ菌”として有名なのですが、ビフィズス菌も含めて菌が出す成分が、体に余分なものをためにくくする方向に働きます。その働きが炎症を抑えたり、脂肪をためにくくしたりすることがわかっています。つまり、効率のよい、燃費のよい体に移行していくみたいなイメージをしていただけたらと思います」
■伊久美「何を食べれば、燃費がよくなりますか」
■古田「本当に普段の食事というのが、なによりも一番大事です。ヨーグルト、根菜類、パンは全粒粉が含まれたものを選んでいただくなど、積み重ねをしていただくのがよいと思います」
■東島アナ「体のことなので、個人差はあると思いますが、毎回、古田さんにお話を伺うと、意外と基本的なところにゴールがありますね。そして、腸の研究も進んでいるので、これも腸に繋がっていたのか!という発見があります」
■古田「実は今、人工腸管という人の腸を再現できる新しい機械もあって、例えばどういう菌がいて、どういう餌をあげたらどんなことが起こるのか、どんどんわかってきています。一人一人にとって、何を食べるのが一番よいのか?もかなりわかってきています。大きく分けると5パターンくらいの腸内細菌(叢)に分かれています。自分のパターンを知って、どういうものが合っているのか試すこともできるようになっています」
■伊久美「興味があります!!!」
■古田「多少お金はかかりますが、今はいろいろなところでチェックできます。近い未来、毎日トイレへ行くと、自分の腸の状態がわかるような時代もそう遠くはないと思います」
■伊久美「今回もすごくいいお話をありがとうございました、腸活がんばります」
合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
●次回は、株式会社八恵堂・代表取締役 久留島さやかさんをゲストにお迎えします。
【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にニッポン放送でオンエア。お聴き逃しのかたは『radiko』のタイムフリー機能で放送1週間後までお聴きになれます!
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀