天気予報

冬の天気予報で聞きのがしてはいけないキーワードとは?気象予報士が解説

2025/01/04

冬になると、基本的には毎日寒いし、天気も日本海側で雨や雪・太平洋側では晴れという典型的な日が多くなって、もう天気予報なんて真面目に聞かなくてもだいたいわかる!と感じている人も多いかもしれません。しかし、冬の天気予報には、聞きのがさずにぜひ役立ててほしい重要なキーワードが存在します。

今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、日々の何気ない天気予報のなかで「これだけは聞きのがしてほしくない」キーワード4選をご紹介します。

サンキュ!STYLE 取材班メンバー。気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を...

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【1】3℃以下の予想気温

気温

ひとつ目はキーワードというより「キーとなる数字」ですが、予想気温が3℃以下だと、路面が凍結するおそれがあります。「あれ?凍るのって0℃じゃないの?」と思われそうですが、天気予報で言われる予想気温というのは地面からだいたい1.2m~1.5mくらいの、大人の顔の高さくらいの気温なのです。

つまり、地面付近は予想気温の数字よりも2~3℃低くなるため、予想気温が3℃なら路面凍結の可能性がある、というわけです。そのため、最低気温が3℃以下なら朝晩に、そして日中も3℃以下なら1日をとおして、路面の状態に注意して移動する必要があります。

【2】冬型の気圧配置

冬型の気圧配置
冬型の気圧配置のイメージ(筆者作成)

「明日は冬型の気圧配置になるため、日本海側では雨や雪が降るでしょう」…冬になるとよく聞く天気予報で、もはや風物詩のように思っている人もいるかもしれませんが、じつはこのキーワード、情報量が多いのです。

冬型の気圧配置になると日本海側では天気がくずれるものの太平洋側では晴れるので、太平洋側では何も注意すべきことがないと思われがちですが、冬型の気圧配置は体感温度を大きく変えます。というのも、非常に湿度の低い風が吹きやすくなるためです。

カラカラに乾いた北風や北西風が吹き、体感温度を大きく下げるほか、空気が乾燥することで火災が延焼しやすく、実際に各地で火事のニュースが増えるのも冬型の日です。

一方、冬型の気圧配置のとき日本海側でよく発生する雷は、じつは夏のゲリラ豪雨のときの雷よりもボルト数が大きいという特徴も。そのため冬型の日は、周りに高い建物がない開けた場所で長時間過ごすのは避けるようにしましょう。

【3】雪混じりの雨

傘

真冬になると、関東の平野部のように雪があまり降らないような場所でも、純粋な雨ではなく雪が少し混じった雨が降ることがあります。もちろん、雪が混じる程度では積もることはありませんし、交通機関がマヒすることもありません。

では通常の雨と同じように過ごせばいいかと言うと…そうではないのです。というのも、雪が混じった雨というのは、ものすごく滑りやすいのです。ノーマルタイヤの車で運転するのは危険が伴いますし、革靴などの滑りやすい靴では転ぶおそれも。

さらには、路面がぬれているように見えてシャーベット状になってしまっているパターンもあり、天気予報で「明日は雨に雪が混じりそうです」と言われたら、たとえ完全な雪でなくても慎重に行動してください。

【4】湿った雪

雪

天気予報で雪が降ると言われるとき、ただの雪ではなく「湿った雪」あるいは「湿った重たい雪」と表現されることがあります。じつはこの表現、さまざまな災害への注意喚起のために使われているのです。

湿った雪は、たとえサラサラの雪と同じ量が降って同じ深さで積もったとしても、圧倒的に重くなります。そのため、たいした量の雪が降っていないと感じていても、雪の重みで電線が切れたり、車庫の屋根が壊れてしまったりすることがあるのです。

こういった現象を「着雪」と言い、通常はシーズンのはじめに多いものの、真冬でも一時的に気温が上がったり低気圧が発達したりすることで降ることがあります。

天気予報の何気ないひとことを役立てよう!

天気予報で使われる表現は、なんだか風物詩のように思えるものが多く、ふだんあまり注意を向けずに聞いている人も多いかもしれません。ただ、キーとなる言葉や数字に注目することで、日々の生活のちょっとした困りごとを事前に避けることができ、災害に遭わずにすむことも。今回ご紹介したキーワードにぜひ耳を傾けてみて、冬を少しでも快適に過ごしてくださいね!

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部

 
 

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