イベントを通してフェムテック・フェムケアを啓発!参入企業をサポート~連載『はじめよう!フェムテック』

2025/03/07

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。32歳の長女一人。


●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。「はじめよう!フェムテック」を機に女性の健康や幸せについてさらに考えるようになり、知識のアップデートを心がける34歳。

<ゲスト>
●野口俊英さん Toshihide Noguchi
フェムテックジャパン代表、株式会社G-Placeシニアマネジャー。2021年1月Femtech Japanを創設後、東京・表参道の結婚式場でリアルイベント「Femtech Japan Femcare Japan」開催、ナレッジサイト「Femtech Japan College」開設、認定資格「Femtech Mentor」制度創設、北海道から沖縄県まで日本全国の学校や企業等のトイレに快適な生理用ナプキン設置サポート「誰もが快適な生理を」など、女性特有の健康課題の解決へ向け取り組む皆様の支援を行っている。https://femtech-japan.com/


認知が広がりつつある「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。ゲストは、フェムテックジャパン代表の野口俊英さんです。主催イベントや協賛イベントなどを通して実感されている企業の動きや注目の商品・サービスについてうかがいました」(伊久美)

注目の商品サービスも多数ある中、課題は企業のマネタイズ!

■野口「フェムテックジャパンは、女性特有の健康課題の解決を目指す啓発活動を行っています。代表的なことで申しますと、東京・表参道で年に2回、フェムテックジャパン・フェムケアジャパンのオフラインイベントを開催しています。このほか日本全国で開催されているイベントの協賛や協力、“誰もが快適な生理を”と題して、全国の学校や企業に対してトイレに快適なナプキンを設置するサポートを行っております」

■東島アナ「イベントではどのようなことをされているのでしょうか」

■野口「フェムテックやフェムケア関連の商品やサービスを提供する40~50社の企業や団体、自治体などのフェムテックサプライヤーにご出展いただいています。毎回、1日に約800人以上の来場があり、来場者のかたがたが商品に触れたりトークしたりできるリアルな場となっております」

■伊久美「私も伺ったことがありますが、出展者のかたはもちろん、トークショーやセミナーなどにも参加ができ、すごく熱量を感じるイベントでした」

■東島アナ「フェムテックということで、女性が関わる世界ではありますが、野口さんがフェムテックジャパンを立ち上げることになったきっかけはどんな事だったのでしょうか」

■野口「現在、所属しているG-Placeにて家庭用品の卸売りを担当していたのですが、そのときの同僚社員が、生理用の布ナプキンのように快適な紙ナプキンを開発したいという強い思いから生理用品が製品化されました。もう十数年前ですが、生理用ナプキンといえば大手企業しか販売していないなか中小企業である私共が販売したところ、多くのお客さまから“こんな快適な商品を待ち望んでいた”というお声をいただきました。弊社だけでなく、女性が快適に過ごせる商品やサービスをお持ちのサプライヤーさんはたくさんいますが、世の中に上手く伝えられていない皆様が多いと感じ、そういう方々のサポートをしたいという思いで、フェムテックジャパンを立ち上げました」

■東島アナ「野口さんご自身が携わってきた中で、注目している商品やサービスはありますか」

野口「たくさんあるのですが、例えば私の妻も受けていますが、皆さんにぜひ知っていただきたいのが、MRIの乳がん検診です。音はうるさいですが放射線も使わないですし寝ているだけの検査で、マンモグラフィー(乳房X線検査)のように痛みを伴いません」

■伊久美「えっ、無痛なのですか? それは女性全員が望んでいることですよ。マンモグラフィーは、苦手なかたがたくさんいらっしゃると思いますので」

■東島アナ「MRI乳がん検診は、現在どのくらい活用されているのでしょうか」

■野口「47都道県全県にその医療機関があるわけではなく、まだ保険適用の申請もできません。クリニックにより異なりますが1回2万~3万円くらいかかります。ただ何年かに1回は受けていただくのが望ましいですね。というのもMRIはマンモグラフィーとは違う胸をつぶさない検査法でして、がんの発見率も約5倍と言われています」

■伊久美「このMRI乳がん検診というのは、どのくらい周知されているのですか?」

■野口「一生懸命に告知はしています。開発された2004年から比べると医療機関も10倍以上増えていますが、まだまだというところですね」

■伊久美「ほかにも気になっている商品やサービスはありますか」

■野口「最近の傾向として気になるのは、更年期対策や妊活対策のメンタルヘルスケアですね。イベント出展も増えてきました」

■東島アナ「フェムテックジャパンのイベントを定期的に開催されている野口さんですが、来場者や参加企業が増えたり、関係者に男性が増えたりするなどの一方で難しいなぁと直面している面はありますか」

■野口「皆さんとてもいい取り組みをしていらっしゃるのですが、サプライヤーも一気に増えたということで、初期から立ち上げフェムテックの代表となっていた企業が、マネタイズが厳しくなり事業を停止する、ということも起こっています。その代わりに大企業が事業化に2~3年かけてやっと参入してきましたから、当然質も変わってきたように思います」

■東島アナ「それは野口さんから見てよいことなのでしょうか」

■野口「市場原理ということもあり、今はよいことなのだと思います。ですが大企業が入ってきたときに、そこにマーケットがついていけないと、今度は大企業撤退のようなことが起こり、結果“フェムテックってマーケット的に厳しいのでは?”という悲しい流れをつくってしまいます」

■伊久美「フェムテック事業は、今後どのようになっていくとお考えですか」

■野口「まだまだマネタイズが厳しくはありますが、そうは言いながらも、いろいろな大学で調査や研究、イノベーションも進んでいます。まだ表面化していことも多いと思いますので、時代が流れて5年後、私の中では良くも悪くも見えていませんが、どうなっていくかは楽しみです。もちろん携わっていきたいです」

■伊久美「フェムテックという言葉や意味はだいぶ認知されてきたように思いますが、言葉だけが独り歩きするのは賛成ではないのです。元々は女性の健康課題を本当に考えて解決していこう!という話ですから、生活者のためにフェムテックが伸びていくことを望んでいます」

■野口「流行りとか儲かりそうとかで入ってきた企業さんもいますが、結果、残るのは、思いがありしっかり流れをつくれる企業だと思います」

■東島アナ「今後もフェムテックジャパンのイベントを通して、快適な商品・サービスをより多くのかたに伝えていただきたいです」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回のゲストもフェムテックジャパン代表・野口俊英さんです。

【イベントインフォメーション】
2025年「フェムテックジャパン・フェムケアジャパン」のイベントは、7月10日(木)開催
https://femtech-japan.com/event/250710/

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にニッポン放送でオンエア。お聴き逃しのかたは『radiko』のタイムフリー機能で、放送1週間後までお聴きになれます。

●撮影/寿 友紀 

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