小学生の苦手な教科一位に挙げられる「算数」。計算、図形、文章題などさまざまな要素があり、学年が上がるにつれ複雑になり段々苦手になる子も増えてきます。そんな子どもさんを心配されている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は教員免許を生かして子ども向けの学習サポートをしている冨永ゆきが「生活に算数を取り入れる工夫」を3つご紹介します。
1お菓子や飲み物を分ける
家族や兄妹でお菓子や飲み物を分ける時はぜひ子どもにやってもらいましょう。
「1人何個ずつになるか?」これは「わり算」の考えです。
まずは個数で分ける練習をします。そして今度は「1人〇〇gずつ」と重さで分けられるようになりましょう。個包装のものではなく、「内容量〇〇g」と書かれているものを敢えて選ぶのがコツです。
あらかじめ1人分の量を計算し、分ける人数分のお皿を用意します。そして1人分ずつ量りを使って分けていきます。
また、飲み物も1人分ずつ計量カップを使って分けてみましょう。
重さや「かさ」にはそれぞれ「g」、「ml」などの単位があることも学べますね。そして、自分たちで実際に量ることで「量感覚」も養われます。道具を使って「量る」のは子どもにとってゲーム感覚で案外楽しめるものです。
2計量から料理を作る
お菓子や飲み物の計量が出来るようになったら、レシピを見ながら料理の計量にもチャレンジしてみましょう。
1人分の材料から必要な人数分の材料を計算するには「かけ算」が必要になります。
もしくは4人分のレシピだったりすると「わり算」で1人分の材料を計算した後、「かけ算」で必要な人数分を計算し直すことになりますね。
「量り」「計量カップ」「計量スプーン」を使い分けることで、「重さ」と「かさ」の違いを知る機会にもなります。
計算機を使っても「OK」です。ここで大切にしたいことは、算数の考え方です。
また、オーブンで焼く、煮込む、冷蔵庫で冷やす、などの工程がある場合、「時間」を計る必要があります。
その際、タイマーで必要な時間をセットするだけでなく、「○○分後に焼けるということは何時何分になる?」ということを一緒に考えてみるといいですね。
3お手伝いポイント制
お手伝いをしたらお小遣いをあげているご家庭は少なくないと思います。ここで提案したいのは、お手伝いをポイントでカウントし、「○○ポイント貯めたら○○○円と交換」と決めることです。
例えば「50ポイントで500円」というように。ポイントカードを作ってもよいですし、カレンダーに書き込めば手軽です。
子どもが何か欲しいものがあったとき、現在の持っているポイントを数え上げたり、「あと7ポイントあれば500円が手に入る」というふうに自然と計算するようになります。また、金銭感覚やお手伝いを通して生活力も鍛えられますね。
自宅で算数の基礎を作る
算数を生活に取り入れるのに特別な道具やテクニックは必要ありません。普段の生活でちょっと算数を意識するだけです。
「勉強のための勉強」となると子どもの興味は薄れてしまいますが、「生活の知恵」として実践を伴って伝えると子どもは積極的になります。家庭で算数の基礎が出来れば、学校の授業にも取り組みやすくなるのではないでしょうか。
■執筆/冨永ゆき
5人の子ども育てる母として、育児と家事で日々忙しい人たちに向けて暮らしをラクにするノウハウを発信中。「らく家事」、「やめ家事」など、「手放す」ことに関するアイデアを得意としている。小中高の教員免許を所有しており、子ども向けの学習サポートの仕事も行う。
編集/サンキュ!編集部