秋になると日本にやって来る台風が多くなる…そう聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。なんとなく「秋は台風シーズン」というイメージがありますが、なぜ秋は台風が多く来るの!?
今回は、気象予報士・防災士の資格を持つライター・植松愛実が、秋に台風が多く来る理由と、今のうちにぜひやっておきたい&簡単にできる備えについて解説します。

なぜ秋は台風が多くやって来る?
日本に住んでいると、なんとなく「秋は台風シーズン」というイメージがあると思います。実際、台風の接近や上陸は9月がもっとも多くなっていて、台風の影響を受けやすい季節といえます。
秋に台風が多くやって来るおもな原因は、「風の位置が変わるから」です。偏西風という言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、日本付近を西から東へ吹く強い風である偏西風が、夏の間は北海道あたりに吹いていたのが秋になると本州付近に南下してきて、ちょうどこの風に乗って台風が本州付近に来やすくなってしまいます。
おまけにこの偏西風は、風速が速いという特徴も持っているため、秋は台風が急接近するような事例も増えてしまうのです。
まずは家の中でこれをチェック!
台風シーズンにそなえて、避難経路を確認したり、側溝の掃除をしたり…とやるべきことはたくさんありますが、まずは家の中でサクッとチェックしたいのが、非常用品の使用期限です。
災害にそなえてよく家庭で備蓄されるもののなかには、意外と使用期限があるものが多いです。イメージがつきやすいものとしては電池やカセットコンロ・カセットボンベなどですが、電気やガスと関係ない使い捨てカイロやばんそうこうにも使用期限はあります。
使用期限がすぎた使い捨てカイロは暖かい状態が短い時間しか続かなかったり、また期限のきれたばんそうこうは粘着力が落ちていることも。だいたい使用期限は数年となっていることが多いので、確認して期限をすぎていたら買い直しましょう。
たとえ期限内でも…
食品については、たとえ消費期限内だとしても、備蓄品を入れかえる必要があることも。たとえば、家族の構成や年齢が変わることによって、食べなくなってしまっているものがある場合です。
とくに子どもの好みは変わりやすいので、とりあえず今あるものはいったん食べてみるのがおすすめ。もしまた食べたいと感じたら同じものを買い足し、逆に好みにあわなければ違うものを新たに買うようにしましょう。
台風シーズンにそなえよう
台風はだいたい年間で25個くらい発生する年が多く、そのうち半分弱は列島各地に接近し、特に秋には上陸しやすくなります。大雨や暴風にそなえていろいろやることが多くなって大変な季節ですが、まずは家のなかにあるものの使用期限を見るだけという簡単なことから始めてみましょう。
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部