お盆の時期、お墓参りに行く日はいつ?持って行くもの、お参りの手順も解説
2018/08/01
お盆の時期、お墓参りにいつ行くのが正解? そもそもお盆にお墓参りに行くのはなぜ?など、冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんにいろいろ聞いてみましたのでご紹介します。
お盆のお墓参り、いつ行ったらいい?
お盆を8月13日から16日としているところでは、13日の最初の日をご先祖さまの霊をお迎えする「迎え盆(お盆の入り)」と言い、この日にお墓に行くことが多いようです。しかし、関東地方では「留守参り」といい、ご先祖さまを家にお招きしている間、留守にしているお墓を守ってくれる仏さまに感謝の意を表すため、14日や15日に墓まいりをする習慣も残っています。13日が無理でしたら他の日でも問題ありません。
お盆の時期にお墓参りに行く理由は
住む地域や宗教によって、さまざまな考え方があります。お墓参りに行くことによってご先祖さまが極楽浄土へ行ける、また浄土真宗は仏様に手を合わせることで、自分自身も亡くなった後に極楽浄土へ行けるなど、お盆にお墓参りに行く理由はいろいろあります。
お盆の間は、仏壇のある自宅にご先祖さまの霊が帰ってくるから、お墓参りは意味がないのでは?という人もいます。お墓というのはあの世と現世の境界線、そのためまずはお墓にご先祖さまの霊をお迎えに行くといういわれもあります。
お墓参りにふさわしい服装
カジュアルな格好で大丈夫です。ただし、法要と合わせてお墓参りする場合は、それに合わせた礼服や黒のスーツにします。お盆の時期は多くの方がお墓参りに来ているので、派手な服装や露出の多い服装は避けるように。香水はNGです。
お盆のお墓参りに持って行くもの
お墓参りの際に掃除をしたい場合は、バケツ、ほうき、たわし、雑巾、ゴミ袋なども持っていきます。
【お供え用に】
●お花……ご先祖さまの好きだったお花が一番です。お墓の花立は1対(2本組)になっていることが多く、2束で1つのセットになります。1束だけ買うのでもOK。
●菓子・果物・飲み物……ご先祖さまの好きだったもの、季節ごとの初物など。
●半紙など……お菓子や果物などのお供えを置くためのもの。
【お参りするために】
●数珠……できれば持って言った方がいいでしょう。
●線香……おまいりする人が多ければ、束で持っていってもいいでしょう。
●ろうそく……線香に火を移すためにも持って行きましょう。
●マッチ、ライター……ろうそくに火をつけるため。風が強い日は、チャッカマンと呼ばれる着火ライター、風よけの付いた便利な風よけライターを持参するのがおすすめ。
お墓参りの正しい手順とは
宗派による違いはありませんので、基本的に下記の手順で行いましょう。何人かでお墓参りをするときは、血縁の濃い年長者の順に、そして故人と近しい間柄からお参りしていきます。お墓に行く前に管理事務所などに寄り、水桶に水を入れましょう。
1.ご先祖さまのお墓に着いたら、ご先祖様に感謝して手をあわせましょう。
2.水桶の水で、墓石に打ち水をします。
3.花立に生花を添えて水を入れ、水鉢があればそこに新しい水を注ぎます。
4.ご先祖さまの好物だった菓子・果物などをお供えします。
5.ろうそくとお線香を手向けます。
6.水桶からひしゃくで水をすくって、墓石にかけます。
7.合掌礼拝します。
合掌礼拝の前に墓石に水をかけますが、このとき墓石の下のほうに気持ち程度に水をかけるだけの方がいますが、たっぷり墓石の上から水をかけてください。 仏教の教えでは、死後の世界の1つに「餓鬼道」があり、ここに落とされてしまった「餓鬼」たちは、唯一、お墓にかけたお水だけが飲めます。その「餓鬼」たちをあわれんで、お水を与えようと言うところから墓石に水をかける習慣が始まったそうです。
※宗派や地域によっては、墓石に水をかけることは「ご先祖さまの体に水をかけることと同じ」とし、禁忌されていこともあるので確認してください。
お盆のお墓参りで気をつけたいマナー
お参りが済んだら、お供えの食べ物はお墓の前で個人を偲び、みんなで食べることが供養となります。食べきれない場合は必ず持ち帰り、家で食べてもかまいません。夏なので虫が寄ってきます。生花も家に持ち帰り、割り切って燃えるゴミとして処分します。
また、管理事務所がお花の処分を引き受けてくれる場合もあるので、確認しておきましょう。霊園で借りたバケツやひしゃくなどはきちんと返し、ひとことお礼の挨拶をしましょう。
まとめ
お墓参りは頻繁にはできませんが、お盆の時期は家族が集まりやすいので、みんなでおまいりしたいですね。お盆の時期のお墓まいりの意味や、おまいりの手順などをしっかり理解して行くと、ご先祖さまに感謝の気持ちがたくさん伝わりそうですね。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運営に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)