調理師の資格「調理師免許」を取得する方法|メリットや資格所有者の声も紹介

2018/11/12

料理をつくるのが好きな人なら、調理師の資格に一度は興味を持ったことがあるのでは? 国家資格である調理師の資格を取るためには調理師学校に通って、時間も費用もかかりそう……とあきらめていませんか? 実は、学校に通わなくても取れる方法があるのです。調理師免許のことから活躍の場まで紹介します。

調理師免許がなくても料理人にはなれる?

街のレストランや料亭などで料理人として働いている人のなかには、調理師免許を持っていない人もいます。調理師免許を持っていなくても、料理人にはなれます。調理師は、一定の調理技術と食品の「栄養」や「衛生」などの知識を兼ね備えた資格。この国家資格を持っている人のみ調理師と名乗ってもいいことになります。

資格を取得して仕事に生かしています

【サンキュ!ブロガーacoさん】 調理師免許取得
■取得期間……約半年

■取得にかかった金額……受験手数料6,100円、3日間集中講習12,000円、そのテキスト代1,728円、合格後の免許申請手数料5,600円(栃木県収入証紙)、合計25,428円

■現在の仕事……そば屋さんで定食などの調理、調理補助をしています。週3日、1日4時間のランチタイムのみの勤務で、月4万円です。

■この資格を取得して良かったこと……食中毒や衛生面に詳しくなり、子どもたちがウイルス性の病気にかかった時などにもその知識を生かすことができます。転職を考える時、資格を取る前よりも職種の選択肢が増えました。
※調理師免許試験を受けるには、2年以上の実務経験が必要です


【サンキュ!ブロガーにいかわみかさん】 調理師免許取得
■取得期間……約3年

■取得にかかった金額……講習会に約3万円、試験料に約5000円

■現在の仕事……カフェで仕事をしています。

■この資格を取得してよかったこと……カフェの面接のとき、とても好印象を持たれました。食や衛生面などの知識が増え、自分の自信につかながりました。収入面ではそんなに変化はありませんが、資格取得はよかったと思います。

調理師資格のメリット

この資格は、調理の経験と幅広い知識の証明になり、就職・転職やキャリアアップに生かせます。衛生や調理などの正しい知識を身につけた人材は、食にかかわる場所で重宝され、採用条件に「調理師免許を持っている者」と表記している所もあります。すでに飲食関係で働いている人なら、調理師資格を取得することで給料がアップしたり、責任のある仕事を任せてもらえるようになったりもします。

将来、自分のお店をオープンさせたい場合は、独立・開店がスムーズになります。飲食店を開くためには、「保健所の承認」と「食品衛生責任者の資格」が必要になりますが、調理師免許を持っていると「食品衛生責任者の資格」は申請するだけで取得することができるのです。

資格はどうやって取るの?

資格を取得するには、大きく分けて2つの方法があります。

方法1:厚生労働大臣が指定した調理師養成施設を卒業する
厚生労働大臣が指定した調理師養成施設を卒業すると、無試験で調理師の免許が取得できます。専門学校、短期大学、4年生大学、高等学校など、夜間のクラスを設けている学校もあるため、働きながら通うこともできます。

方法2:2年以上の実務経験をし、調理師国家試験に合格する
飲食関係で2年以上の実務経験を経験し、調理師国家試験に合格すると資格を取得できます。

2年以上の実務経験をし、調理師国家試験を受験する場合、この試験勉強は通信講座を受講する人や独学で勉強する人がいます。

どっちの取り方がおすすめ?   

厚生労働大臣が指定した調理師の養成施設では、知識や技術の基礎をしっかり習得することができます。これらの学校には飲食店などからの求人が集まってきます。そのなかから希望に沿った就職先を紹介してもらえるので、一人前の調理師として早く活躍したい人には近道といえます。

費用の面からは、飲食店で働きながら試験を受けて資格を取得するほうがおすすめ。調理師は腕と経験がものをいう世界。見習いやアルバイトなどで飲食関係の仕事をしながら2年下積みをし、それから調理師の免許を取得するという人も多いです。

実務経験として認められている職種は、飲食店営業、惣菜製造業、魚介類販売業、学校・病院などの給食施設。1つの飲食店で2年以上ではなく、過去に働いていた所での経験も合算できます。この場合、過去の職場ごとの実務経験証明書が必要です。

※アルバイトやパートの場合は、週4日以上、1日6時間以上の勤務が条件になります。

受験資格、費用、試験日程など

試験は年1 回、各都道府県で行われ、どこでも受験できます。試験の時期や試験会場、受験料などは各都道府県で異なります。試験はマークシート方式です。

【調理師国家試験】
・受験資格……2年以上調理の実務経験があるかた
・試験日程……年1回 
・試験内容……筆記試験
・受験料……各都道府県に問い合わせてください
・問い合わせ先……受験を予定している各都道府県の衛生主管部などの担当部署または保健所

資格取得後、活躍できる場所は?

調理師が活躍できる職場はレストラン、日本料理店などの飲食店だけでなく、福祉の現場や病院、学校や会社の食堂など多岐にわたります。働き方も正社員、アルバイト、パートとさまざま。ライフスタイルに合わせて働くこともできます。

ステップアップをめざすなら、レストランや日本料理店などで朝から晩までみっちり働くことをおすすめします。

育児や家事との両立を考えるなら、学校や保育園・幼稚園、給食センターなどの勤務時間が短い施設がおすすめです。病院や老人ホームなどの福祉施設で食事をつくる仕事は朝・昼・夕食とシフト制の所もあるので、パートなどで働くこともできるでしょう。

まとめ

調理師の資格は、手に職をつける第一歩。人が生きて行くためには食は欠かせないもの。手に職をしっかりつけておけば、働き口に困ることはないでしょう。昨今では、調理師免許の資格を老人ホームなどの施設で生かしたいという人も増えています。高齢化が進むなか、食事や栄養の知識を持つ調理師の需要はますます高まっていくことでしょう。

取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)
※記事の内容は2018年9月時点のものです。
※記事内でご紹介しているリンク先は、削除される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

参考文献・参考サイト

「調理師をめざす人の本」立岡孝志監修 成美堂出版刊

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND