【連載】熟れすぎMANGO VOL.112

2017/09/26

「「夫婦」を楽しむちはるのスーパーポジティブY談」をお届けします。

コンドームって…。

 先日、年下の女友達の誕生会に顔を出した。少し前、その娘と一緒に飲んだ時、彼氏がコンドームを買いに行くのをめちゃっくちゃ嫌がるのだという話を聞いた。ならば、誕生日プレゼントはコンドームをあげよう! とふいに思い立ち、薬局に入った。店内できょろきょろコンドームの並ぶ棚を探したけど見つからない。そういえば、私はコンドーム買った経験が、ほとんどないのだ。海外のお土産やノベルティグッズでたまに貰ったり、ここぞという時は旦那さんが買ってきてくれてたんだっけ。
 
 店内の地味めな一角にコンドームコーナーを発見。どれがいいんだろ? 5種類ほど並んだコンドームの箱を凝視する。『めちゃうす』と大きく書かれた商品に「一番人気!」というポップが付いていた。3箱まとまったお買い得パックもある。これでいっか。あまり時間をかけて悩んでいるのも恥ずかしい。レジに向かおうとして、「いや、これだけ買うのも恥ずかしいだろ」と思いはじめる。健康ドリンクもオマケに付けようと思い付き、カゴに入れたけど、なんだか更にヤル気まんまんな買い物カゴになってしまったようで一人で慌てる。結果、お買い得パックを隠すようにどうでもいい日用品まで買い込んでしまった。いい歳こいて意外とウブな私…。
 
 誕生日会の席、そんな訳で一杯になってしまった薬局の袋を申し訳なく渡したのだけど、友達はとても喜んでくれた。「めちゃうす、凄い嬉しい! コンドーム買うのって未だに勇気いるんですよね」うんうん、あんたの気持ちが激しく分かったよ。

 そんな話で盛り上がっていたら、「僕はコンドームについては少しうるさいよ」と手をあげる男子が。聞けば男性誌のライターをやっていて、少し前にコンドームの特集で勉強したばかりらしい。

 「では、コンドームの名前の由来はなんでしょー?」いきなりクイズ形式で、ちょっと面白い。「あ、それ知ってるー!」お酒が進んだ様子のテンション高めの男子もいきなり会話に入ってきて、「今度産む!だから、コンドームって言うんだよね」と、ダジャレ説に自信マンマン顔だ。「ブブーッ! 諸説はあるんだけど、一番有力な説は、イギリスのチャールズ二世のお抱え医師の名前からきていると言われています。チャールズは子供が14人もいたので、これ以上増えたら王位継承問題でトラブルが起こるということになり、Dr.コンドームが避妊用具を作るよう命じたそうなのです」おぉー、さすがコンドーム博士! そんな古い歴史があったのね。ちなみにその当時のコンドームは、羊の腸で作られていたと言われているそう。王妃さま、ゴワゴワして痛そう…。

 「じゃあ、日本人のコンドーム使用率は何パーセントくらいだと思う?」ふーむ。使用率って言われても、半々くらいかなぁ。夫婦間だと慌てて買って来てまで必須アイテムとして使わないかもだねぇ、と女子達。独身の男子達は「彼女だと70パーセント、浮気なら100パー使うよ」などとほざいている。さて、コンドーム博士によると、2008年の調査で日本のコンドーム使用率はわずか42パーセント。この数値は、世界でエイズ人口が最も多いと言われている南アフリカと同等。世界でワースト3位なのだそう。

 いつの間にかみんなを巻き込んでのコンドーム談議。日本だと「ゴム」とか、私の世代だと「サック」とか(古すぎか!)呼ぶ事が多いけど、世界でも色んな呼び方があるのだそう。オーストラリアでは、「愛のグローブ」。香港では「防弾チョッキ」。フランスでは「イギリスのレインコート」なんて意味の言葉で呼ばれているらしい。いいなと思ったのは、アイルランドの「ジョニー」。コンドームが相棒的な感覚なのかしらと思ったり。日本だったら、「太郎」みたいな感じかな(笑)。

 意外と奥が深かったコンドームトーク。もっと余裕で買えるおばちゃんになんなきゃなぁとつくづく思った夜だった。

文/ちはる

ちはる テレビ、CF、著書の企画、 プロデュースなどで活躍中。2012年、14歳年下の旦那くんと再婚。 目黒でカフェ「チャム・アパートメント」を経営。

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