なぜ夫以外の男性に惹かれてしまうのか?不倫をくり返す妻たちの告白

2022/05/29

不倫をするのは男性だけではありません。今回は、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、妻たちの不倫に関して解説をしてもらいます。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

>>>三松真由美の記事をもっと見る

浮気=男性がするものという概念は崩れつつある

以前「浮気をくり返す夫の頭の中はどうなってんの?」という記事を書きました。記事では、実際に複数回浮気をくり返しているという男性4人に取材した結果をご紹介しています。

今回は逆のパターン。つまり「不倫をくり返す妻の頭の中はどうなっているのか」という事例をご紹介したいと思います。

SNS、マッチングアプリの普及によって、男女が出会う環境が整いすぎてしまいました。Netflix配信のドラマ『金魚妻』やテレビ東京『うきわ ―友達以上、不倫未満―』など女性側の心が持っていかれるテーマのドラマが話題になる時代です。

浮気=男性がするものという概念は崩れつつあります。当事者たちの言葉を、告白形式でお届けします。

告白1:自分自身にもどれる場が不倫(42歳 女性)

私が嫁いだ相手は、その町の人ならだれもが知ってる名家の長男。小さな田舎町ですが、義父は町長で地主。夫の親戚も地場の有名企業のオーナーで、地元では有名な一族です。この一族にとって私は、後継ぎを産む道具。私もそこは割り切って、ちゃんと男子を2人産み、役割を果たしました。

つまりこの家では、私は〇家の嫁、〇君の母でしかありません。そんな私が自分自身にもどれる場が不倫です。

ただし、現在の“名家の嫁”の立場を失うつもりはないので、相手は“熱くなりすぎない人”が絶対条件。例えば、息子のPTAで知り合った他学年のパパさんとか、義父の秘書のかたとか。相手も既婚者で、自分の立場を守りたい人や私との不倫がばれたら困る人など、絶対に秘密を守れる人を選んできました。夫も将来の町長候補ですし、世間体を気にして離婚はないとは思いますが、用心するに越したことはありません。

家の中ではよい妻&よい母、不倫中は1人の女性という今の形は、ある意味、いい感じにバランスがとれていると私は思っています。

三松真由美の解説

「○○さんの妻、○○ちゃんの母という“役割”から逃れたい」、「1人の女性として見てもらいたい」という思いは多くの女性が抱きがちです。多くのかたは趣味や仕事の中で自分自身を見つけるのですが、このかたの場合は不倫の中に自分の“居場所”を見つけた、というパターンと言えるでしょう。

告白2:一度だけの相手と、恋愛感情なしの不倫をくり返す(34歳 女性)

milicad/gettyimages

不倫の目的はズバリ性的な快楽です。夫とはしばらくレスなんです。結婚した当初はそれでも、半年に1回ぐらいはありましたが、3年目ぐらいから全く何もなくなりました。2人で話し合ったこともありましたが、私のことは家族としては好きだけど、性的な目では見られないとはっきり言われました。

相手にその気がないなら、私は別の方法で自分の性に向き合うしかないと思いました。夫のせいで、一生できないなんて許容できません。かといって、今の夫と離婚して新しい夫を見つけても、また同じことにならない保証はありません。だから、現状のまま不倫をすることが一番確実だと考えました。

基本的には同じ相手とは会わず、一度だけの相手と、恋愛感情なしで行為に集中するようにしています。ときには「ハズレだな」ということもあったりしますが、マッチングアプリや女性向け風俗などをうまく活用すれば、ほぼ満足できることのほうが多いですよ。夫も、私から「何でしてくれないの」と責められるより、私が外で性欲を満たして家の中で笑顔でいるほうが幸せだと思います。だから罪悪感はありません。

三松真由美の解説

夫婦それぞれの性欲に差がある場合、夫婦間のレスが不満になり、それが不倫につながるパターンは少なからずあります。なかには「外で処理してきていいよ」というパートナー公認の不倫になることも。とはいえ、パートナーが外で誰かとベッドを共にすることに対して、心が乱されることがないかたばかりではありません。この夫婦の場合も妻はともかく、夫のほうは心がざわついているかもしれません。

告白3:不倫ではなく、大人同士の非日常体験(50歳 女性)

不倫かそうでないかの線引きは、相手と性交渉を行ったかどうか、ですよね。なので私は不倫していません。

夫以外の男性と飲みに行ったり、ドライブしたり、泊まりがけで出かけたりもしますが、セックスは絶対にしていません。ふつうにデートして、食事してお酒飲んで、まあ……キスとか軽いボディータッチはありますが、プラトニックです。

別に寝たいから夫以外の男性と会ってるわけじゃないんです。思わせぶりな会話とか駆け引きとかの“大人の恋愛ごっこ”が楽しいんです。これぐらいの年になると相手の男性もヤリたい人ばかりじゃないですから、大人同士で非日常を楽しもう、と割り切れるんです。

え?夫の気持ちですか?どうですかね。私がいろいろと出かけていることは知っていますが、プラトニックであることは信じてくれているみたいです。

三松真由美の解説

「どこからが不倫なのか」という議論はこの手の話題では必ず出てくるテーマです。法律的には「性行為があったかどうか」が重要ですので、このかたの場合は不倫にはあたらない可能性もあります。しかし、裁判になった場合には、パートナーに精神的苦痛を与えていないかなどの点も論点になることも考えると、このかたのように「私は大丈夫」と気楽に割り切るわけにはいかないかもしれません。

告白4:かっこいい人を見ると「素敵だな、一緒に遊びたいな」(24歳 女性)

Deagreez/gettyimages

私って恋愛体質で、ホントは結婚に向いていなかったのかもしれません。でも、授かっちゃったので、今の彼と結婚したんです。夫も昔はイケメンでモテたんですよ。私が彼を手に入れるためにわざとデキ婚にもちこんだ……なんて言いふらす女子もいたぐらいでしたから。

でもホント残念なのが、20代後半からだいぶ髪が薄くなって、まだ30歳になったばかりなのに、詐欺レベルで頭髪が寂しいんですよ。カッコ悪いんです。「あれ、私、騙された?」みたいな。

私はもともと10代のころから声優とか2.5次元とかの追っかけもしていたし、ホストも大好物です。基本、イケメンにやさしくされると好きになっちゃう。で、結局スマホとかからほかの人とのデートがバレて、彼に怒られて、私がごめんなさいって泣いて謝って……でもまたかっこいい人を見ると「素敵だな、一緒に遊びたいな」って思っちゃう。

で、一緒に飲みに行ったりして、またバレて怒られる。でも「娘のために離婚はしない」って彼は言ってるから、とりあえずまだ大丈夫みたいです

三松真由美の解説

最後に強烈なかたが来ました。ここまであっけらかんと不倫を語られると、ジェネレーションギャップを感じますが、彼女の場合はまさに文字通りの“浮気”であって“本気”でないところが、夫も許してしまうポイントなのかもしれません。この夫婦の場合、もしかすると夫の頭髪問題の解決が有効かもしれません。イマドキはさまざまな技術がありますので、それによって夫さんのイケメン度が復活すれば、案外彼女の浮気は収まる可能性もありそうです。

いまや不倫は特別なことではない

コンドームや授乳用品などを製造しているジェクス社が行った「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ 2020」によれば、“浮気・不倫経験がある”と答えた男性は20代から60代の平均で67.2%、女性は46.3%でした。

2017年のデータでは男性が平均で37.0%、女性の平均で24.4%でしたから、3年間で男女とも大幅に浮気・不倫経験者が増えたことがわかります。

また、2020年の調査を年齢別にみると、浮気・不倫経験の割合が最も高かったのは男性では30代(72.6%)、女性では20代(64.2%)でした。

この調査対象は未婚者も含んでいますので、既婚者の浮気・不倫だけを指しているデータではありませんが、いずれにしても、とくに若い世代を中心に、不倫が特別なことではなくなっていることがうかがええます。

あなたのパートナーが浮気をする……そんな場面に直面することは「ありえない」と笑ってすませることができないデータです。自分にとって今のパートナーとの関係はどうなのか。浮気調査のデータを、並んで見ながら「うちはどう?浮気する可能性ある?」と問う、あるいは問われるのは意外と勇気が必要かもしれませんね。



◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

三松真由美さん最新刊「夫とだけ、感じません」発売中

出典:Amazon

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND