冬に温泉旅行へ行くならココ!温泉ソムリエおすすめの冬温泉10選

2019/11/26

だんだんと寒さが増す季節。あったかい温泉に家族でゆっくり浸かろうと、旅行計画を立てている人も少なくないのでは。そこで今回は、アウトドアナビゲーターで、温泉ソムリエとしても活動する渡部郁子さんに、ファミリーで行きたいおすすめの温泉を教えてもらいました。

冬には冬の、その時期ならではの温泉選びを

温泉のイメージは冬、というかたが多いと思います。じつは、温泉の立地や成分、いっしょに行く仲間によって、おすすめの季節があるので、夏には夏の、冬には冬の、その時期ならではの温泉選びができるようになると、温泉の魅力が一段とアップします。親子や三世代で行く冬の温泉選びに役立つ成分の知識や、冬しか楽しめないイベント温泉などをご紹介します。

冬の温泉選びは「塩化物泉」に注目

温泉の泉質は、大きく分けて10種類の特徴によって分類されています。なかでも、よく温まる温泉の泉質といえば「塩化物泉」です。塩の湯、傷の湯、などとも呼ばれ、塩の効果で体の芯から温まり、湯上がり後もぽかぽか状態が続きます。塩には殺菌効果があることから、傷が治りやすいとして、古くから傷の湯といわれることがあり、「動物がこの温泉で傷を治した」などの言い伝えが残っているところも多いです。

ほかにもよく温まると言われる泉質は、血管拡張作用のある二酸化炭素泉や、貧血などに効果的な含鉄泉などです。温泉を選ぶ際には、泉質にも注目してみてください。

冬の温泉は体に負担のない入浴を心がけよう

冬は外気と湯温の温度差が大きくなるため、体にとって負担が大きい季節です。赤ちゃんやご年配のかたなど、体力があまりない人にとって、温度差のある入浴は、疲れる原因にもなります。せっかくの温泉で、体調をくずしたり、風邪を引いたりしないように、体に負担のない入浴を心がけましょう。

とくに冬の露天風呂の利用は、注意が必要です。身体が濡れた状態で外に出ると、寒さのあまり、露天風呂まで走りたくなります。一刻も早く湯に浸かりたいと思うあまり、湯温を確かめずに飛び込むことにもつながるでしょう。滑って転んで大けがをしたり、湯の熱さで倒れたりしないよう、内湯でしっかり温まってから、または十分なかけ湯で体を温めてから、露天風呂を利用するようにしましょう。

冬でも水分補給は忘れずに

冬は水分補給を控えがちですが、入浴中の血液の流れをよくするためには、入浴前後に水分補給をすることが重要です。入浴後だけでなく、とくに入浴前の水分補給を心がけましょう。

また、久しぶりの温泉だからと、無理をして長湯することは控えましょう。目安は、額がうっすらと汗ばむ程度。汗がだらだらと流れるほどの入浴は、かえって体を疲れさせるので気をつけましょう。

冬ならではのイベント温泉を紹介!

全国には、冬限定で楽しめる、期間限定のイベント温泉があります。ひと味違う温泉体験を楽しみに、出かけてみませんか?

おすすめ1:川湯温泉「仙人風呂」

和歌山県の川湯温泉は、川底から湧き出す源泉を、川の水でちょうどよい湯温にして楽しむ、自分だけのオリジナル露天風呂をつくって楽しむことができる川の温泉です。

冬は河原に巨大な露天風呂「仙人風呂」がつくられ、冬の風物詩として人気があります。仙人風呂は、12月から2月までの冬季限定。土曜日は灯籠が飾られ、幻想的な雰囲気を楽しめます。日中は大自然を、夜は満天の星を眺める開放感が魅力です。

おすすめ2:しかりべつ湖コタン「氷上露天風呂」

北海道で一番高い場所にある、しかりべつ湖が完全に凍る限られた期間に出現する幻の村「コタン」で、氷上につくられた露天風呂を楽しむことができます。

脱衣所も氷と雪でつくられているので、入浴前後にはちょっとした勇気が必要。男女別の専用時間がありますが、そのほかの時間は混浴なので、家族で楽しめます。服を脱ぐ勇気がないというかたは足湯で、かけ流しの天然温泉を楽しむことができます。

おすすめ3:奥入瀬渓流ホテル「氷瀑の湯」

青森県にある奥入瀬渓流のほとりに建つ、国立公園内唯一のホテル「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。ここの渓流露天風呂で開催する「氷瀑の湯」は、厳しい自然環境を生かして、露天風呂の壁に氷瀑を再現するというもの。アイスブルーに輝く氷瀑を、温泉に浸かりながらゆっくり眺めることができます。

おすすめ4 :ひらゆの森「雪見露天風呂」

日本有数の豪雪地帯、平湯温泉にある「ひらゆの森」は、キャンプ場や宿泊施設を備えた温泉施設。良質なかけ流しの天然温泉と、野趣あふれる広い露天風呂が魅力です。

男女あわせて16の湯船があり、それぞれ温度や湯の色が異なります。冬の露天風呂は雪見どころか、雪まみれ状態。雪だるまをつくりながら温泉に浸かるなんていう贅沢な温泉体験が可能です。

期間限定イベントとあわせて楽しむ温泉

温泉地では、冬限定の魅力的なイベントを開催しています。イベント時期にあわせて、絶景や貴重な体験を楽しみにでかけてみませんか?

おすすめ5:雪かまくらを楽しむ「湯西川温泉」

鬼怒川温泉からさらに北上した山奥深く、栃木県日光市の最北部に位置する湯西川温泉は、平家の落人が見つけたという伝説の残る場所。

年間さまざまなイベントが行われていますが、とくに冬の「かまくら祭」(1月下旬~3月上旬)は必見。1,200個ものミニかまくらの美しいライトアップは、日本夜景遺産に認定されています。ライトアップのほか、かまくらの中でバーベキューを楽しんだり、大きなソリ遊び会場が設置されるなど、親子で雪あそびを満喫できます。

おすすめ6:神の湯に浸かる「昼神温泉 御湯」

長野県にある昼神温泉では、毎年冬の時期、12月1日から3カ月間にわたって、各旅館の玄関前に「湯屋守様」が飾られます。湯屋権現様が温泉に浸かるこの時期に昼神温泉の湯に浸かると、神様と同じお湯に入るとされ1年間のご利益が得られると言われています。

おすすめ7:華麗な花火と雪あそび「阿寒湖温泉」

「まりも」で有名な阿寒湖は、北海道有数の温泉地でもあります。2月上旬から3月上旬にかけての厳冬期に開催する「阿寒湖氷上フェスティバルICE・愛す・阿寒 冬華美」期間中は、結氷した湖上で、毎日花火が打ち上げられます。氷点下の世界を存分に楽しむ、さまざまなコンテンツが用意されています。

おすすめ8:イルミネーションを楽しむ「ナガシマ温泉」

冬になると全国各地で開催されるイルミネーション。国内最大級のイルミネーションスポットとして知られる「なばなの里」は、東海地域を代表する温泉地、三重県の長島温泉にあります。ナガシマスパーランドをはじめ、さまざまな施設を有する一大温泉リゾート地で、イルミネーションとあわせて、温泉を満喫できます。

温泉を家族で楽しむなら

冬といえば温泉が恋しくなる季節。季節を問わず入れる温泉ではありますが、家族で楽しい温泉の思い出をつくりたいというかたにおすすめする温泉をご紹介します。

おすすめ9:家族で楽しむ混浴体験「泡の湯」

子どもが小さいうちは、パパ・ママいっしょに温泉を楽しみたいもの。数は少ないですが、日本各地に、混浴で入れる温泉があるので試してみてはいかがでしょうか。

例えば、白骨温泉にある泡の湯の大露天風呂は、乳白色のお湯が体を隠すので、初心者にも挑戦しやすい混浴です。ぬるめのお湯でゆっくり楽しめます。

おすすめ10:温暖な地域で"温泉デビュー"「星野リゾート リゾナーレ熱海」

0~2歳ごろの小さな子どもといっしょに温泉に行くなら、冬でも寒さが穏やかな場所がおすすめ。例えば、早咲きの梅や桜で知られる熱海なら、冬でも温暖な気候で、体温調節の未熟な赤ちゃんといっしょでも入浴前後の寒さが気になりません。赤ちゃんの温泉デビューにもおすすめです。

写真は「星野リゾート リゾナーレ熱海」の"ソラノビーチBooks&Café"。温泉はもちろん、こういったアクティビティでのんびり過ごせるのも魅力ですね。

無理のない入浴で、冬の温泉を楽しもう

冬ならではの魅力ある温泉は、寒さの厳しいところに多く、湯温と気温の差が大きいことから、体への負担が大きくなりがちです。くれぐれも無理のない入浴で、冬の温泉を楽しんでくださいね。

◆監修・執筆/渡部郁子
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもといっしょに楽しむアウトドアスタイルを提案しています。

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