「ハーモニー体操で人を元気に!」ある主婦ダンサーの挑戦の軌跡

2019/02/21

生まれつきの側わん症とアレルギーの発症で、生活上の苦労が絶えなかった女性。その彼女がダンスと出会い、更なるチャレンジに挑んでいます。多くの人を笑顔にしてきた軌跡と今後について教えてもらいました。

■お話を聞いたのは……原 奈美さん(東京都 33歳)サンキュ!読モブロガー。高校卒業後、スポーツクラブのインストラクターを経て独立。現在は自身で主宰するスタジオのほか、福祉施設や高校などでエクササイズ指導を行う。夫と長女(10歳)の3人家族

健康を意識したのは自身の側わん症とアレルギーがきっかけ

重度の側わん症がきっかけで、高校からダンスを始めた原奈美さん。いずれは自分のスタジオを持ちたいと思いつつ、高校卒業後は大手スポーツクラブのインストラクターとして忙しい日々を送っていました。

そんな折、「普通に外を歩いているとき、いきなり呼吸困難になったんです。通りがかりの人が救急車を呼んでくださって、一命を取り留めましたが、本当にびっくりしました」。

すぐに原因がわからず、大病院を転々としたそうですが、1年後、ある先生が〝運動誘発性食物アナフィラキシーショック〞という原因を突き止めてくれたのだとか。「まさか、花粉と運動、そこに特定の果物が加わると重篤化するとは夢にも思いませんでした。原因がわかるまでに6度の呼吸困難を経験し、病名がわからない不安や、健康であることのありがたみを実感しました」。

"心と体のバランスが取れたラクな自分"でいるためのサポートをしていきたい

22歳のときに自身のダンススタジオをオープン。生徒一人ひとりとじっくり話をするほど、心と体は密接につながっていると実感した原さん。「そんなときに出合ったのが"ハーモニー体操"の本。言われたとおりに体を動かすのではなく、自分が気持ちいいようにラクにやる。頑張りすぎない。疲れたら休む。など、その内容は従来のエクササイズとまったく違いました」。

本を頼りに体操を展開している本部に問い合わせ、講習を経て原さん自身もハーモニー体操の指導者に。小さな子どもでも年配のかたでも簡単に始められるハーモニー体操は、痛みの緩和や改善にも効果的だそうで、「1人でも多くの人に痛みに悩まない生活をしてほしい」と原さんは施設、学校、自身のスタジオを飛び回って、体操の指導を続けています。

「雑誌『サンキュ!』の読者モデルに応募したのも、ハーモニー体操を広めたいというのが大きな理由なんです」。活動を通して原さんが強く感じるのは家事や育児、仕事で忙しい今のママたちこそ、心と体のバランスをくずしがちということ。「体の不調といっても、話を聞くとその原因は心にあったりして、単なる体操教室だけでは解決できないことも多いです。心が不安定になると、当然体にも影響が出てきますしね」。

自分もママであり、すごく共感できるとも。「だからこそ、今後はハーモニー体操を通してのコミュニティーづくりや、体操を超えた新しい形のサポートをしたいと思っています」。

質の高い指導をするために自らの学びも続けています

「生徒さんたちの悩みを解決するためには、相手の気持ちに寄り添うことが大切」と原さん。そのために常に学びを欠かさず、話をよく聞くように心がけています。

ハーモニー体操の教室に通い指導を受けています

コンラッド先生による「ハーモニー体操」の教室に定期的に参加。指導者としての声のかけ方やフォローのタイミングも学ぶ。ハーモニー体操のベースは"自分のペースでラクに動く"こと。だから楽しい。体はすべて協調しながら動くことを骨格模型から学ぶ。

足の裏でしっかり地面を踏み締めるのもトレーニング

芝生や砂浜など、日常と違う場所や地形を歩いて、地面を踏み締めるのも有効なトレーニング、と原さん。その際は愛用の5本指の靴をはいて。

年配のかたがたから学ぶことがたくさんあります

「ご高齢といわれる皆さんは、私よりずっとたくましくて。私が悩みを相談することも多いです」と原さん。「毎日少しでも楽しく、ぎりぎりまで自立して過ごせるお手伝いをしたいと思います」。

ハーモニー体操 とは?

ハーモニー体操は、自分の体や心を自分でよくしていこうという体操。筋肉の強さ(筋トレ)や可動域(ストレッチ)に注目した従来のトレーニング理論とは一線を画し、体のさまざまな部位が協調して動くことで、特定の部位への負担を減らし、痛みも解消することをめざす。ある動きをしたら体がどんなふうに動くか考え、その変化も感じながら進めていくのが特徴。受講者はアスリートから学者、芸術家、子どもから高齢者まで幅広い。

参照:『サンキュ!』9月号「挑戦するわたし」より。掲載している情報は18年7月現在のものです
撮影/キムアルム、Pakorn Lopattanak 構成・文/宇野津暢子 撮影協力/介護付有料老人ホーム カーサプラチナ花小金井

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