どうする?子どもと行くキャンプ・アウトドアでのトイレ事情

2019/06/14

アウトドアを楽しみたいとは思うものの、なかなか一歩を踏み出せない。そんな方に話を聞くと、たいてい「トイレ問題」と「虫問題」という声をよく聞きます。小さな子どもがいれば、不安はなおさら。今回は、アウトドアの不安要素のひとつ、トイレ問題について、アウトドアナビゲーターの渡部郁子さんに、解説してもらいます。

清潔で快適なトイレも増えている!キャンプ場のトイレ事情

富士山ビューとキャンプ
Sergio Yoneda/gettyimages

最近は清潔で使いやすく、快適なトイレを有するキャンプ場が増えています。グランピングブームもあり、人気のキャンプ場はほぼ間違いなくキレイなトイレが用意されていると考えて間違いありません。

どうしても気になる場合は、事前にトイレについて管理者に問い合わせておくと安心です。「そんなことを聞くなんて…」と遠慮せず、気になることがあれば事前に調べたり聞いたりして確認しましょう。キャンプ場に到着してから嫌な思いをするのは、本人だけでなくキャンプ場にとってもデメリットでしかありません。

キレイなトイレがあると聞いていたのに、仮設トイレしか見当たらない…そんなときは、場内の他のトイレを探してみてください。広いキャンプ場の場合、場所によっては仮設トイレを設置せざるを得ないところもあります。場内の別の場所に行けば、温水洗浄トイレを発見できるかもしれません。トイレつきのコテージなども増えているので、状況によって選ぶようにしましょう。

温水洗浄トイレのほか、赤ちゃん用のおむつ替えコーナーのあるキャンプ場も増えています。オムツやトイレトレーニング期間中のお子さんが一緒の場合、トイレの状態によって、排せつがとても困難になることもありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

地域によって差アリ、アウトドア観光地のトイレ事情

父と母と娘が川で遊ぶ
Hakase_/gettyimages

近年は、観光地の公衆トイレもキャンプ場同様にキレイなところが増えています。ただし、離島や標高の高い場所、山小屋などでは、バイオトイレを設置していることも。

バイオトイレの場合、紙は流さず、ゴミ箱などに捨てるなど、独自の決まりがあるので注意が必要です。また、人の少ない観光地では、いまだにトイレが古く整備されていないことがあります。反対に、人が多く混雑している観光地でも、利用者が多いためトイレが汚れていることがあります。いずれにしても、気になる場合は、除菌シートなどを持参すると安心です。

仮設トイレもキレイに、野外フェスのトイレ事情

家族向けの野外フェスが増えています。ファミリーに人気のフェスは、キレイなトイレのある公園などを会場にしていることが多く、その場合、快適なトイレ環境でフェスを楽しむことができます。

ただし、どの会場も通常の利用者数の数倍もの人数が集まるため、キャパシティを超えてしまうトイレが多いです。そのため、日頃はキレイなトイレであっても、トイレットペーパーが切れていたり、流れが悪かったり、汚されていたりすることがあります。トイレをキレイで清潔に保つよう、個々人の心がけが大切です。

フェスによっては、仮設トイレで対応しているところもあります。仮設トイレも、最近はとてもキレイです。洋式タイプのものや、においがあまり出ない工夫がされているものもあります。見つけたら、積極的に使ってみてください。きっと良い経験になるはずです。

どうしてもトイレが見つからないときはどうする?

アウトドアで一番悩むのは、トイレが見つからないとき。特に小さい子どもは、余裕をもって「トイレ」と知らせることができません。急に「トイレ」と言われて、近くにトイレが見つからなくてやきもきしたという経験はありませんか?オムツをはずれた幼児期のお子さんの場合、いざというときのために携帯トイレや予備の紙オムツを持ち歩くと便利です。

■携帯用トイレ
アウトドアや災害時に使える携帯用トイレがあります。小便タイプと大小併用タイプがあり、種類や形状が様々です。準備しておくと、子どもの急な「トイレ!」に対応できます。

■紙オムツ
携帯用トイレを、紙オムツとビニール袋でつくることができます。ビニール袋だけだと、その後の処理が大変なので、ビニール袋に紙オムツを敷いて、自家製携帯用トイレをつくっておけば、災害時にも役立ちます。

やむを得ずトイレ以外で排せつするときはどうする?

あくまでも非常時の対応としてですが、山の中や海の上などトイレがない場合、どのようにしたらいいか知っておきましょう。トイレ設備以外の場所で排せつする場合は、環境へなるべく負荷をかけない排せつを心がけましょう。

具体的には、水を汚さないこと。川や水源の近くで排せつしないよう注意が必要です。また、土があれば穴を掘って用を足しましょう。土に埋めれば、微生物が排泄物を分解してくれます。紙を使用した場合、紙は捨てずに持ち帰りましょう。

トイレ事情を事前に調べて、楽しいアウトドアを!

アウトドアに出かける際の心配ごととして上位を占める「トイレ」問題。キャンプ場や観光地など、アウトドアを楽しめる場所には快適なトイレが増えています。トイレの不安のせいで、アウトドアに出かけないなんて、もったいない!行きたい場所があれば、トイレ事情を事前に調べて、楽しいアウトドアを体験しに出かけましょう。


◆監修・執筆/渡部郁子
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもと一緒に楽しむアウトドアスタイルを提案している。

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