平成25年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」は世界で注目されている日本人の伝統的な食文化です。しかしながら、日本の郷土料理を詳しく知っている人は多くないようです。国内の郷土料理には、その料理が生まれた歴史があります。その歴史というスパイスを加えるとさらに料理もおいしくなるし、実際に郷土料理が食べられる地域へ行ったときの感動も大きくなることでしょう。まずは、身近にわが家で簡単に食べられる郷土料理を紹介します。
郷土料理クイズ:「じぶ煮」はどこの郷土料理でしょう?
郷土料理は、各地域の食材を上手に活用して、風土に合った食べ物として作られ受け継がれています。郷土料理が献立として学校給食にも取り入れられていることを知っていますか? たとえば、クイズにもある「じぶ煮」は、石川県の学校給食にも取り入れられている郷土料理だそう。
「じぶ煮」という名前は、岡部治部衛門(おかべじぶえもん)という人が朝鮮から伝えた料理という説、煮ているときに「じぶじぶ」という音がするからという説、また江戸時代にキリスト教の宣教師が伝えたポルトガル料理がもとで、日本の料理になったという説など、諸説あります。
「じぶ煮」には、グルテン、米粉を加えて練った生地を竹でできたすだれに挟んで作る「すだれ麩」という麩を使います。「すだれ麩」は、石川県金沢市のほか、茨城県結城市の特産品でもあり、結城市のほうは、グルテンに小麦粉を加えて練った生地をすだれの上に広げて天日干しにして乾燥させて使います。ハレの日の食材とされ、結婚式の料理として、すだれ麩をごま酢あえにして提供されているようです。
▼じぶ煮をおうちで作ってみよう!
郷土料理や伝統料理を受け継ぎ、次世代に伝えているのは国民の2人に1人しかいない!?
農林水産省の「食育に関する意識調査報告書」(平成31年3月)によると、「地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法などを継承し、子どもに伝えている国民の割合」が約50%! 2人に1人しか伝えていない状況です。
子どもは、成長に応じた「食体験」によって、食べることを楽しみにする子どもに成長していきます。
和食(郷土料理)は旬の食材を使用しながら、いろいろな食材を一度に食べることができるので、効率的に食体験をすることができる料理です。
小さいころの食体験が将来の食嗜好をつくるともいわれている中、家庭で「わが家の郷土料理」体験と知識を増やしていきましょう。
背景や歴史を学びながら郷土料理が楽しめるサイトを利用しよう
郷土料理が生まれた歴史や由来などを知って食べると、食卓での話題にもなり、おいしさも食に対する興味も増すのではないでしょうか?
農林水産省のウェブサイト「うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味~」では、全国の郷土料理を見ることができます(※)。
「うちの郷土料理」サイト内では、気になる地域やごはんもの・汁ものなどの種類から検索することができ、その郷土料理が生まれた地域の風景や暮らしが写真・動画から学べるだけでなく、再現可能なレシピを紹介していること!がポイントになっています。
自宅にいながらにして、旅行気分と郷土料理が味わえるサイトはなかなかの充実感。
「ママ・パパの生まれたところで有名な料理はね…」「この料理はなんだろう?」など、家族でコミュニケーションをとりながら次世代の子どもたちへの食の橋渡しに役立ててみてはいかがでしょう。
※令和2年2月末までに10都道府県を掲載予定。令和3年度末までに47都道府県の郷土料理の掲載完了を予定しております。
▼私の地元の郷土料理はなんだろう?
協力/農林水産省