引数を持つアジア カップル

コロナ禍で増加傾向に!?「被害者意識が強すぎる妻」たちに知ってほしいこと【シリーズ・夫を不幸にする妻】

2020/05/31

夫婦仲相談所の所長として数多くの夫婦をカウンセリングしてきた三松真由美さんによれば、「夫を不幸にする妻」には、いくつかの共通した思考・行動パターンがあるそうです。

シリーズ「夫を不幸にする妻」では、そんな負の思考・行動パターンをくりかえしてしまう妻たちをご紹介していきます。

今回登場するのは「被害者意識が強すぎる妻」。

被害者意識が強いと、確かにいっしょにいるだけで気が滅入って不幸になりそうですが……。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

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理想と現実で大きく乖離がある夫婦円満事情

化粧品メーカーのマンダムが2019年に実施した、夫婦円満寿命に関する意識調査によれば、夫の53.4%、妻の56.5%が夫婦関係を「どちらかが先に死ぬまでずっと続けたい」と回答したそうです。半数以上が永遠に一緒にいたい、と答えているということ。

ただし、上記の質問には“理想の婚姻関係は”という条件が付いていました。では、理想ではない、実際のところはどうなのでしょうか?同調査によれば、74.4%が「(現在の夫婦関係に)不満あり」と答えていました。

不満の中身は1位が性格、2位が態度、3位が配慮。「性格なんてわかった上で結婚してるはず」と頭の中では理解していても相手の性格への不満を積もらせる。これが結婚のリアルなのです。

そこで今回の夫を不幸にする妻シリーズでは、「性格」にスポットを当てて考えてみましょう。

いつでも被害者ぶる妻にうんざり――栄斗さん(仮名:30代)のケース

不安障害更年期女性、ストレスの多いうつ病、精神衛生疾患を持つパニック発作者、頭痛や片頭痛は、家庭の床に壁に背中を向けて座っています
Chinnapong/gettyimages

うちの妻は、ちょっとしたことでもすぐに被害者ぶって涙ぐむんです。ママ友グループで嫌味を言われたとか、息子の担任がひいきするとか……もちろん、彼女がツライと感じればそれはツライことなのでしょうけど、正直「いちいち大げさな……」と思ってしまいます。

この前は僕の兄貴の妻から「パートの仕事を辞めて、ちゃんと就職しろ」と強要されたって大騒ぎして、夏休みの実家帰省は僕1人で行ってくれ、もう2度と義姉には会わないって。

そんな感じに、ちょっとしたことでこれみよがしに怒りながら泣くんです。それに加えて、最近はコロナ禍で拍車がかかっていて……僕の手洗いする時間が短すぎると文句ばかり言てきて、ネットニュースを見ては自粛してない人たちをディスるわ、テレビに向かって政治家をなじるわ……ホントに気が滅入ります。

彼女の思考は、ある意味シンプルですよ。辛いことは他人のせい、世の中のせい、かわいそうなのはいつも私。べつに1人で悩むならいいけど、慰めることを強要したり、怒りをぶつけてくるのがホントにツライ。

付き合ってる頃は、感受性が強くてかわいいって思えたんですけど、アラフォーにもなって怒ったり泣いたりを繰り返すなんてこっちがまいります。いいかげん、大人になってほしいです。

本当に性格“だけ”の問題なのか?精神科医に聞いた

栄斗さんの妻、これはたしかに一緒にいるだけで気が滅入ってしまいます。一方で、ただ性格が悪い、幼いのひと言で片付けるのには、やや病的な感じもします。

そこで今回は、精神科医師の越宗紀一郎先生に、上記の内容を伝えて、見解をうかがってみました。

「説明いただいた内容を見る限り、栄斗さんの妻は『情緒不安定性パーソナリティ障害』や『境界性パーソナリティ障害』の可能性が考えられます。例えば気分の振れ幅が大きく『ほどほどの状態』がなかったり、同じ人物に対してプラスの感情を持つ時とマイナスの感情が際立つことが極端であったりといった特徴が合致するところでしょうか。

患者の8割前後が女性と言われており、20代をピークに有病率は減少していきますので診断基準を満たすような強い症状が『ずっと続く』わけではありませんが、単純な疾病と違い『完治する』ということは少ないかもしれません」(越宗紀一郎先生)

直接診察をしたわけではないので、栄斗さんの妻が本当に越宗先生が話す状態なのかはわかりません。しかし「8割が女性」と言われると、ドキリとしますね。

「夫に腹が立ってしかたない」「なんで私ばかり家事しなきゃいけないの」「子どもにどう接していいかわからなくてイライラする」という自覚があれば、落ち着いているときに夫に「ねえ、わたし大丈夫かな?」と確認してみるのがよいそうです。

また越宗先生は、栄斗さんの妻に関して「見捨てられ不安」が顕著とも話していました。これは「夫から見捨てられたらどうしよう」というもの以外にも、「職場解雇になったらどうしよう」、「世の中から忘れられたらどうしよう」、「友達にスルーされたらどうしよう」と無限に広がっていきます。

最近はコロナ自粛や、生活様式の激変で不安が高まっている時期。これまで抑え込めていた気質がヒョコッと噴出という可能性もあります。

緊急事態宣言は解除されたものの、不安を抱えた日々はしばらく続くでしょう。栄斗さん夫妻の例を他人事と思わず、もし心の不調を感じたときは、しかるべき対応を取るようにしてくださいね。

■監修:汐入メンタルクリニック 精神科医師 越宗紀一郎氏
東海大学医学部卒業後、聖ヨゼフ病院にて初期臨床研修、内科・救急医療に従事。精神科専門病院での勤務を経て2010年より汐入メンタルクリニックにて外来診療・精神科デイケア・就労支援・心理カウンセリング等を行う傍ら、一般病院でのコンサルテーション・リエゾン精神医学、介護施設への訪問診療等に携わっている。



◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

 
 

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