離婚の概念, 結婚指輪をオフに取得

コロナ禍で「離婚してやる!」が頭に浮かんだ妻に見てほしい映画3選

2020/06/16

「離婚してやる!」という言葉が頭に浮かぶ……できれば避けたい状況です。しかし、浮かんでしまったからには、どうにかしなければいけません。そこで今回は、夫婦仲相談所の所長として数多くの夫婦をカウンセリングしてきた三松真由美さんに、「離婚してやる!」が頭に浮かんだ妻に見てほしい映画を紹介してもらいました。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

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「withコロナ」の時代、離婚の決断を急いではいけない

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言、そして数カ月におよんだ外出自粛。緊急事態宣言が解除された現在、筆者のもとには「夫婦で顔を合わせる時間が長くなり、夫の見方が変わった」という妻たちからの報告が多く寄せられています。

頼りがいがある、家事を率先してやってくれた、子どもの勉強をこまめに見てくれたというポジティブな声がある一方で、自己チューな面が発覚した、現状に文句ばっかり言っててこちらまで暗くなったなどのネガティブな声も少なくありません。

なかでも深刻なのが「こんな人だったっけ……もう、一生いっしょにやっていくのは無理」といった声。すなわち“離婚”の2文字が脳裏をかすめた妻たちです。

しかし「withコロナ」の時代を生きていくうえで、「離婚」という決断を簡単に下してしまうのはおすすめできません。ステイホーム期間中に夫と離れたいと考え始めたのであれば、まずは一呼吸置こうというのが筆者の意見です。

普通ではない社会環境、家庭環境なのでは自分自身も気がつかないうちに心が疲弊していきます。離婚という結論を出す前に、自身の心に癒しを与えてください。おうちでできる癒やしアクションはいくつかありますが、すぐにできるものでおすすめなのが「映画鑑賞」です。一人時間を見つけて約2時間、どっぷり現実から離れてみてください。

なお、映画紹介のなかでは一部ネタバレに近い内容にも触れています。知識ゼロの状態で楽しみたいというかたは、とりあえずタイトルだけチェックしてみてくださいね。

離婚を考えたときにみたい映画その1:「31年目の夫婦げんか」

31年目の夫婦げんか(字幕版)

主人公は結婚31年目の熟年夫婦。淡々とした生活に虚しさを感じる妻と、日本の熟年層でよく見かける理屈ばかりの怒りっぽい夫。妻は子どもの手が離れて、夢を失ったと話します。

筆者の夫婦仲相談所にも、こういった夫婦は意外と多いです。そして、妻の不満をひとことで言えば――「夫といっしょにいてワクワクしなくなった」です。

本作の夫婦たちは、そんな状況を改善するために=もう一度ワクワクするために、夫とともにカップルセラピーへ行くのですが、そのセラピーの内容はというと「脱!セックスレス」。家で2人きりだとバカらしくて言えない言葉、照れくさくてやらないスキンシップを、第3者(セラピスト)からのオーダーでトライすることになるのです。

筆者はカウンセラーの立場で「そうよね。第3者に言われないとこんなことしないでしょねぇ」と拍手しながら観入ってしまいました。「そこであきらめちゃだめでしょ!」というシーンの連発です。


しかし、長年かけてできあがった夫婦の間の溝は簡単には埋まりません。まず女性として見てほしい妻へのタッチをすることで溝を埋めてゆく。そして会話が生まれていく……積もった不満を夜の営みの復活から解消方向に向かわせるセラピーですね。31年目にして初めて寂しかった思い吐露する妻と、言えなかったことを少しずつ言葉に出す夫。

「主人公の年齢が高いので気持ちが入らない」など否定せずに観てください。トミー・リー・ジョーンズとメリル・ストリープ、名優の奥深い演技にきっと魅了されます。

映画を見終わったあとは、「自分たち夫婦は結婚31年目に2人でカップルセラピーに行って、セックスレスを解決してラブラブに戻ろうなんて思うのか」と、自分に投げかけましょう。

離婚を回避するためには、夫婦の未来を想像する力をつけることが重要です。本作は、その想像力を養うには最適の作品と言えるでしょう。

離婚を考えたときにみたい映画その2:「恋妻家宮本(こいさいかみやもと)」

恋妻家宮本

ドラマ「家政婦のミタ」で知られる脚本家の遊川和彦氏の映画監督デビュー作。

子どもが巣立ち、いきなり夫婦2人きりになりどうしていいかわからない夫は、ある日、離婚届を見つけます。妻の欄にはばっちり名前が書いてあって捺印されている怖い用紙。
こんなとき、世の夫達はどういうリアクションを取るでしょうか。問い詰める、怒り狂う、泣き出す……この映画の主人公である宮本は、「知らないふりをして悶々とする」という反応でした。

夫を演じるのは阿部寛、妻は天海祐希。誰もがうらやむ美男美女の夫婦です。だからこそ、夫が妻の白髪を見つめるシーンが印象に残ります。結婚して20年以上経過すると老いへの不安、この人がいなくなったらどうしようという切羽詰まった感……「31年目の夫婦げんか」同様、夫婦の未来を想像するにはうってつけの作品です。

そして、「離婚」を考え始めた妻の方にはばっちりハマる内容でしょう。ファミレスで何が食べたいか、なかなか決定できない夫であれば、そこは妻が決めてあげればうまくゆく。お互いフォローしながら物事を決定してゆけばいい。決定に文句があればとことんやり合うことが大事。それを飲み込むと溝ができてゆく……そんなことを気づかせてくれる作品です。

離婚を考えたときにみたい映画その3:「マリッジ・ストーリー」

マリッジ・ストーリー

ステイホーム期間中に「離婚」の2文字が1度でもよぎった妻は必見の映画、と言っても過言ではないでしょう。

スカーレット・ヨハンソン演じる妻ニコールとアダム・ドライバー演じる夫チャーリーは、離婚の準備を進めています。日本の離婚は区役所で書類もらって2人でハンコ押せばOKですが、アメリカはそう簡単ではありません。とくに息子のことを巡っては、多くの悩みを抱えることに……この悩み方が半端ではないので、離婚を考えている人にとってはそれだけでも参考になるでしょう。

また、夫婦の描き方も非常に現代的なのも本作の特徴。夫は料理ができて、子どものめんどうをよく見るし、夜中に起こされても文句言わずに子どもに寄り添ういいパパ。妻は仕事で輝きたいと考えていて、夫だけ仕事が充実しているのは悔しいと感じています。

夫婦仲相談所の視点から見ると、夫が妻以外の女性と夜をともにしたことが、離婚劇においてさほど重要視されていなかった点も非常に重要なポイント。「寝たことより、いっしょにいて楽しかった」……この言葉の重さについては、世の妻の方々にも、ぜひよく考えていただきたいです。

まとめ:「離婚」を考えるときは平常心で

「離婚」という重要な決定は、非日常で心がざわつく時期にしてはいけません。平常心に戻ってからするのが正しい選択です。もし「離婚してやる!」が頭に浮かんだときは、この3本を鑑賞してください。きっと一呼吸ついて、落ち着いて考えることができるはずです。



◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

 
 

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