「旦那デスノート」の逆をいく「旦那エンジェルノート」を!Stay Homeのいまこそ「夫婦仲改革」の第一歩を踏み出そう
2020/05/17
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って広がる「Stay Home」の取り組み。ずっと家にいる=夫婦がずっといっしょにいる、という状態にストレスを感じている人も多いのではないでしょうか。
「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんは、こんなときだからこそ「夫婦仲改革」の第一歩を踏み出そう!と話します。その理由と方法を教えてもらいました。
夫婦の関係性をガラリと変えるのに最適な時期
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛、そしてテレワークの積極導入によって、夫婦がいっしょにすごす時間がコロナ以前と比べて倍……なかには、数十倍になったというかたもいるでしょう。
そんな状況のなか、妻たちの声を聞くと「いっしょにすごせてうれしい」派、「そろそろ疲れた」派とさまざまな思いが錯綜しているようです。いずれにしても、夫婦ですごす時間が長時間化する今は、これまでの2人の関係性をガラリと変えるのに最適な時期かもしれません。
働き方も変えなくてはならない、家計も見直さなければならない、いろいろと変える意識が芽生えてきています。もしあなたが「夫といる時間にそろそろ疲れた」派であったら、2人の関係をゼロベースから立て直すいい機会。夫のことを今ひとつ愛せない妻たちは、とくに意識改革必須な時期なのです。
「夫を好きになる体質」に自分を変えてみようではありませんか!
夫婦仲の専門家が教える「夫を好きになる体質」の鍛え方
「変える」というと、なんだかゼロから意識をつくっていくような感じもしますが、よく考えてみてください。「夫を好きになる体質」は元々あなたに備わっていたものです。永遠の愛を誓い、心躍るハネムーンで笑いあった仲ではありませんか?あのころのメモリアルが、遠い昔のことのように薄れてしまっているだけなのです。
筆者が運営する夫婦仲相談所には「新婚当初のように思いやれる2人にもどりたい」と切ない思いを吐露するかたが大勢います。あのころ、どれくらいお互いを受け入れていたか、今一度思い返してみる。そこをベースに「夫婦仲改革」の第一歩を踏み出すことができるのです。
ここからは、「夫を好きになる体質」の鍛え方をご案内します。鍛え方といっても、まったくむずかしいことではありません。Stay Homeで夫にイライラが募っている妻は、ぜひ一度お試しアレ。
鍛え方その1:できないことは「できない」と夫に頼る
デキる妻は、なんでも自分でやってしまいがちです。「家事は私の分担だから全部やる」「家計管理は私がやったほうが節約できる」「家族のスケジュールは私がたてる」など、デキるが故に、自分の役割を強く主張します。筆者はそれをプロデュース妻と名づけています。
夫側はプロデュースされる側なのでラクちんです。しかし、これがうまく回っているときはいいのですが、妻も人間なので、体調やメンタルの不調によってできない場合もある。無理してすると気持ちに余裕がなくなる。そして、イライラを夫に向けるというフローになります。
完全遂行を手放して、「できないからお願い」と夫に頼る勇気を持ちましょう。もちろん上から目線の命令ではなく、やさしい口調で伝えること。夫も最初はうまくできないかもしれませんが、妻に頼られる感覚は本能的に好きです。やっているうちに必ずできます。
「夫はできないから私がやる」というミッション完遂思考を手放してみてください。頼られることで夫が大人化し、見違えるほどたくましくなるはずです。
鍛え方その2:夫への「どうして?」のイライラ矢印は自分へも向いていると心得る
夫への不満を言葉に出す妻はよく「どうして」や「なんで」を頭言葉に使います。
・どうしてお姑さんに注意してくれないの
・どうして記念日忘れて飲みに行くかなあ
・なんでくだらない雑貨買うのに1,000円以上使うの
・なんで歯みがきせずに寝るの
もちろん夫側の行動に問題があるから、そのような言葉が出るわけですが、言われる側に立って考えてみると「どうしてって聞かれても……明確な答えなんかないよ」が本音ではないでしょうか。人間ですから、そのときの気分でめんどくさかったり、買いたくなったりするもの。それを咎める口調で畳みかけられても、困ってしまいますし、その「どうして」に対して「どうして」とツッコミたくなるかもしれません。
「妻がつくった料理に醤油をかけたら『どうして醤油をかけるの!』と怒られたんですが、どうして醤油かけちゃダメなんですか?」とか……。
夫婦とはいえ違う環境で育った2人。それ以前に男と女、不可解なことがあって当然です。ドンとかまえてください。夫の行動に「どうして」が浮かんだら、笑い飛ばすくらいがちょうどいいんです。記念日を忘れようが、靴下をほったらかしにしようが「かわいい」と感じるマインドセットを。
鍛え方その3:「旦那デスノート」の逆をいく「旦那エンジェルノート」
少し前に、夫の愚痴を言い合う「旦那デスノート」が話題になりました。しかし、夫婦関係を変革しようとする今、その方向へ思考を走らせるのはストレス発散が目的だったとしても、夫婦仲専門家としてはおすすめできません。常に夫がいる状況で「旦那デスノート」など書こうものなら、逆にストレスが溜まる一方です。
むしろ、いまのような時期には、夫のいいところをピックアップして、「旦那デスノート」の逆をいく「旦那エンジェルノート」をつくってみようではありませんか。夫のアクションひとつひとつを凝視し「なかなかやるじゃない!」と気持ちが弾んだことを付箋に書く、あるいはスマホにメモしていきましょう。
たとえば……
・子どもと3時間も遊んでくれた
・買い物から帰ったら、洗濯ものを取り入れて収納までしてあった
・自宅筋トレを続けて細マッチョになって意外にかっこいい
などなど。重要なのは、テキスト化すること。テキスト化することで、小さなことでも脳に焼きつくのです。「旦那エンジェルノート」の内容が充実するのに比例して、夫のことを好きになっていくでしょう。
Stay Homeは「老後シミュレーションのタイミング」と前向きに捉えるべし!
夫婦ですごす時間が増えたことに起因する夫婦不仲の悩みは本来、定年以降の世代に訪れるものでした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、一時的とはいえそれが一気に早まることになった。筆者はこの事態を「老後シミュレーションのタイミング」として、前向きに捉えるべきと考えます。
夫リタイア後の熟年妻の悩みは尽きません。夫の昼食がめんどくさい、自分が友人と出かけると夫もついてくる、夫がいい年して浮気した、など。そんな将来が訪れたとしても慌てないよう、そしてできればそんな将来を回避できるよう、ステイホームの今こそ「夫婦仲革命”の第一歩を踏み出してください。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。