若いアジアの女性

女性ホルモンは、女性の元気と若さを保つ『お守り』だった!

2021/01/23

女性の健康を一生支える産婦人科医の対馬ルリ子先生と、女性のキレイをサポートする美容家の吉川千明先生が、女性ホルモンと、その変化によって起きるカラダやココロの変化についてわかりやすく解説する『もっとキレイの女性ホルモン塾』。
女性ホルモンと聞くと、なんだか難しいんじゃない?と遠ざけたくなりますが、実は美容やメンタルにも関わる、女性なら知っておいたほうがいいことばかりなのです。今回のテーマは『女性ホルモンは、女性にとっての“お守り”』です。お守りって一体どういうことなのか、一緒に見ていきましょう!

女性ホルモンってどんなもの?その役割は?

骨、血管、皮膚、心など、全身の健康をサポート
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があるということ、月経や排卵、妊娠に大きく関係しているということはご存じですか?
簡単にそれぞれの特徴を説明すると、
●エストロゲン・・・卵巣内の卵胞を成熟させて、排卵に備える、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くする、真皮のコラーゲンを増やしてお肌の潤いやツヤを出す、積極性や明るさを増す、気持ちを安定させる
●プロゲステロン・・・受精卵の着床に備えて子宮内膜をさらにふかふかにする、体温を上げる、体内に水分・糖分を蓄える、妊娠に備えて血管を拡張させて骨盤内に血液をためる、脳が敏感モードになり、心身を守ろうとする、性格が内向的になる
「えっ、なんで女性ホルモンが肌やメンタルにまで関係するの?」と不思議に思われたかもしれません。実は女性ホルモンは、子宮や卵巣ばかりではなく、女性の体のあらゆる部分に作用しているのです。たとえば骨、関節、筋肉、皮膚、粘膜、髪、胃腸、血管、脳機能、自律神経、女性ホルモン以外のホルモン系、免疫系などです。体だけでなく、明るさや包容力、ごきげん力といったメンタルにも大きく作用しています。
そのため閉経期を迎えて女性ホルモンが減少してくると、生殖機能が失われるだけでなく、若さや健康を失い、病気になりやすくなります。
具体的に挙げると、骨がもろくなる、関節が痛む、お肌や粘膜が乾燥する、髪が細く少なくなる、胃腸が弱くなる、動脈硬化が進む、認知機能が低下する、自律神経のバランスが乱れる、元気がなくなりくよくよしやすくなる、などの症状が起きてきます。これらの症状は、一見するとまったく関係がないように見えますが、背後には女性ホルモンの減少や乱れが関係しているケースがとても多く見られます(もちろんほかの原因により起こるケースもあります)。
そう、女性ホルモンは女性の体の健康を保つための『お守り』のような存在なのです。
更年期になり、あれこれと不定愁訴を訴えてあちこちの診療科を回る人がとても多いですが、「特に異常がありませんね」と言われてしまうことが多々あります。そういう場合には、ぜひ婦人科で相談をしてほしいと思います。
目立った症状が現れるのは更年期(40代後半〜50代前半)からですが、30代後半のプレ更年期になると、少しずつ不調を訴える人が増え始めます。実はこの不調の背景にあるのも、女性ホルモンの減少があることが少なくありません。ぜひ「ひょっとしたら女性ホルモンが関係している?」
と考えてほしいですね。

女性ホルモンは、ライフステージごとの健康にも影響!?

月経回数が多くなり、子宮や卵巣の病気も増えている
月経がスタートしてからの人生は、大まかに4つのライフステージに分かれます。思春期、成熟期、更年期、老年期です。

※提供:NPO法人女性医療ネットワーク 種部恭子先生

ライフステージごとに生じやすい健康トラブルをまとめたのがこのイラストです。
一昔前まで、子どもを4〜5人、多い人だと10人ほど産む女性もいました。妊娠すると授乳期も含めておよそ2年間は生理が止まりますから、生涯の月経回数は今よりずっと少なく、50回程度と言われています。
現代は子どもを産まない人、1〜2人しか出産しない人が多くなり、どうしても生涯の月経回数が増えます。平均して400〜450回とされています。この月経回数の多さは、実は異常事態といってもよく、月経にまつわるトラブルを訴える人が非常に多くなっています。月経不順や月経痛、月経前症候群(PMS)を始め、子宮内膜症や子宮筋腫などです。
もう一つのポイントは、妊娠する力(妊孕力:にんようりょく)が高い時期と、社会的な成熟期がずれていることがあります。20代〜30代前半はキャリアを積み上げる時期にあたるため、どうしても妊娠を考える時期は、社会的な成熟期にあたる30代半ば以降になる人が少なくありません。この時期は妊娠する力が低下し始めていますから、いざ妊娠したいときに不妊に悩む人が多くなります。
そして、上のイラストを見てもらうとおわかりのように、人生100年時代においては、更年期(閉経をはさんだ10年間、およそ45〜55歳くらい)はまだ人生の真ん中だということがあります。昔は更年期を意識するころに平均寿命を迎えていましたが、現代では閉経以降の女性ホルモンがまったくない状態で、あと半分の人生を過ごしていく必要があります。
女性のお守りである女性ホルモンがない状態で人生後半を元気に過ごしていくためには、かかりつけの婦人科を持つことに加えて、検診をきちんと受けること、栄養などの生活習慣を見直すことが重要です。

女性が健康を守るために、必要な検診は?

ビキニ検診だけでなく骨密度や甲状腺なども受けて
少し前まで、治療や検診は働く男性の健康を守ることが目的で、妊娠時以外の女性の健康(性差)はほとんど考慮されてきませんでした。そのため健康診断や各種検診も、男性の健康を主軸として考えられています。
現在、企業や自治体などで女性向けの検診として行われているのは、乳がん検診と子宮がん検診(子宮頸がん、子宮体がん)です。ビキニを身につける部分を調べるため、『ビキニ検診』と呼ばれています。
しかし女性の健康を守るにはこれだけでは不十分で、貧血、骨密度、甲状腺機能、リウマチなどの膠原病(こうげんびょう)、メンタルなども重要視する必要があります。ぜひ、これらの項目もオプション検診としてつけたり、人間ドックなどで受けるようにしてください。

(監修者 プロフィール)
対馬ルリ子(つしま るりこ)
産婦人科医 医学博士
医療法人社団ウィミンズ・ウェルネス理事長
NPO法人女性医療ネットワーク代表理事
1984年、東京大学医学部産婦人科学教室入局。都立墨東病院総合周産期センター産婦人科医長、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックを開院。全国600名の女性医師・女性医療者と連携し、女性の生涯にわたる健康のための情報提供、啓発活動等を活発に行っている。

吉川千明(よしかわ ちあき)
美容家 オーガニックスペシャリスト
メノポーズカウンセラー 
食、女性医療、漢方、植物療法、ファッション、インテリア、旅、とナチュラルでヘルシーな女性のライフステイルを提案する美容家。2002年よりスタートした産婦人科医の対馬ルリ子先生とのセミナー「女性ホルモン塾」は通算140回を超え、女性達にライフステージに合わせたケアの仕方の大切さを伝え続けている。

二人の共著『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』(集英社)が好評発売中。


取材・文/渡邉由希

 
 

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