乳がん検診は受けたほうがいいとわかっていても、「痛そう」と検査を避けていませんか。
乳がん検診に関する不安や疑問について、乳がん検診も行っている千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・ 日帰り手術クリニック健診プラザの鈴木隆二理事長に解説してもらいました。
- Q. 乳がん検診とはどのような検診ですか
- Q.乳がん検診で乳がん以外の病気が見つかることはありますか
- Q.乳がん検診を受けたほうがいいのはどのような人ですか
- Q.乳がんがあるかを自分でチェックすることはできますか
Q. 乳がん検診とはどのような検診ですか
乳がん検診とは、 乳がんを早期に見つけるための定期的な検査です。 おもに以下の3つの方法で行います。
・視診・触診 :
医師の手と目で乳房をチェックする方法です。 しこりやひきつれ、 皮膚の変化、 乳頭からの分泌物などの有無を確認します。
・乳腺超音波検査(エコー):
機械で音波を当てて、 乳腺やしこりの状態を画像として見る検査です。
若い女性に多い 「高濃度乳腺(乳腺が密な状態)」という状態があります。この場合、マンモグラフィだとしこりを見つけにくい場合があるのですが、 エコー検査なら画像で判断しやすくなります。
・マンモグラフィ(乳房X線撮影) :
乳房を板ではさんでX線撮影します。 石灰化(がんの初期兆候)を捉えるのが得意です。とくに40歳以上のかたにおすすめの検査法です。
Q.乳がん検診で乳がん以外の病気が見つかることはありますか
乳がん検診では、次のような病気も見つかることがあります。
・線維腺腫:さわるとゴムの玉のようにコロコロしている良性腫瘍
・乳管内乳頭腫: 乳首からの分泌物の原因になる良性腫瘍
・乳腺症 :ホルモンの変化で乳房の張りやゴツゴツとしたしこりを感じる状態。 がんではないが痛みの原因になり得る
このように乳がん検診は、乳がんだけではなく 「乳房のトラブル全般の早期発見」 に役立ちます。
Q.乳がん検診を受けたほうがいいのはどのような人ですか
乳がん検診は基本的にすべての女性に大切な検査ですが、 次のような女性ホルモンに関係するリスクがある人は、意識的に受けたほうがいいとされています。
・40歳以上の女性
・家族に乳がんの人がいる(とくに母・姉妹)
・初潮が早かった/閉経が遅い
・出産・授乳経験がない/初産が遅かった
・肥満・飲酒習慣がある
なお、40歳以上の女性では、2年に1回のマンモグラフィ検査が推奨されます。
Q.乳がんがあるかを自分でチェックすることはできますか
「セルフチェック(自己触診)」 と呼ばれる方法があります。チェックは次の手順で行えます。
1.鏡の前で、 乳房の左右差・くぼみ・ひきつれがないかを確認する
2.指の腹で 「の」 の字を書くようにふれてしこりを探す
3.乳首を軽くつまんで、 分泌物がないか確認する
セルフチェックは、お風呂でボディソープを使って行うとスムーズにできます。 月に1回、 生理が終わった約1週間後のタイミングで行うのがベストです。
Q.乳がん検診は痛かったり苦しかったりしませんか
乳がん検診で痛みを感じることはあります。とくにマンモグラフィ検査では、乳房を板ではさんで圧迫するため、不快に感じる人も少なくありません。なかでも、生理前など乳房が張っている時期は、より痛みに敏感になりやすい傾向があります。
ただし、
・圧迫の時間は数秒間だけ
・放射線量は非常に少ない
・痛みに配慮してくれる施設も増えており、技術の高い技師も多い
これらの点から、マンモグラフィで感じる痛みは「命を守るためのちょっとの我慢」と言えます。なお、エコー検査は痛くありません。マンモグラフィが苦手なかたは医師と相談しながら検査方法を組み合わせて選びましょう。