その使い方で大丈夫?間違えやすい日本語「割愛」の本当の意味とは
2021/03/28
みなさんは、いつも使っている日本語の意味を正しく理解できていますか?よく意味を調べないまま使っていると、とんでもない勘違いをしているかもしれません。
たくさんの人が意味を間違えている言葉が、じつはいろいろあるのです。
意味を間違えやすい日本語の言葉について、国語科教員免許を持つサンキュ!STYLEライターのdanngoさんが解説します。
「割愛」の使い方、どちらが正しい?
今回は、「割愛」という言葉の使い方について考えてみましょう。次の2つの例のうち、どちらが正しい使い方だと思いますか?
【A】最後の文章、どう考えても余計だろ?ここは割愛した方がいいよ。
【B】最後の文章、気に入っているんだけど……指定の字数に収まらないから割愛しよう。
正解は……
答えはBでした!
「割愛」という言葉、本来は「大切に思うものを惜しみながら手放す」といった意味で使います。
漢字で「愛を割(さ)く」と書くことからも、「不必要なものを切り捨てる」という意味ではないことがわかりますね。
あまり知られていませんが、養蚕で交尾しているオスとメスを引き離すことも「割愛」と呼ぶそうです。
「省略」と同じような文脈の中で出てくる言葉なので、しだいに勘違いされてしまったようです。明らかにいらないものに「割愛」という言葉は使わないようにしたいものですね。
いかがでしたか?正しい意味で使えていたでしょうか。
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に手紙を書くときなどはとくに気をつけたいところです。
とはいえ、長い歴史の中で言葉の意味が少しずつ変わっていくのは自然なこと。勘違いされている意味も、「最近では」「俗に」という言葉を添えて辞書で紹介されることが増えてきています。
正しい意味をふまえたうえで、間違った意味も受け入れていく柔軟さがあってもいいかもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライターdanngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの専業主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。