ウィズコロナ5つの新習慣!お口のケアで感染予防できるって知ってる!?
2021/01/03
歯みがきなどの「お口のケア」には、虫歯や歯周病予防だけでなく、インフルエンザウイルスなどの感染リスクを下げる効果が!気をつけたいお口のケアのポイントを教えてもらいました。
<教えてくれた人>
歯科医師 加地彰人さん
あき歯科医院理事長。日本老年歯科医学会専門医。医院での診察、訪問診療などで口腔ケアの大切さを普及している。
「お口のケア」はウイルス感染予防の第一歩です!
「口や鼻から入ったウイルスなどの病原菌は、粘膜に付着し、細胞内で増殖して感染します。その際、口の中の細菌がつくり出す酵素が粘膜を破壊するため、ウイルスが侵入しやすくなるのです。感染予防には、口の中の細菌の増殖を抑えるケアが大事!高齢者を対象に、普通に歯みがきをしたグループと歯間ブラシなどを使って念入りにケアをしたグループを比較した研究で、後者のグループではインフルエンザにかかった人が10分の1以下だったという報告も。今まで以上にていねいなケアを習慣化しましょう」。(加地さん)
「お口のケア」の効果は?
●感染リスクが減る!
唾液には抗ウイルス作用があるIgA抗体やたんぱく質が含まれています。口の中を常に清潔に保つようにケアすれば、唾液が出やすくなり、感染予防につながります。
●腸の免疫力が上がる!
口の中の細菌を飲食や唾液とともにのみ込むことで、腸内細菌のバランスがくずれて、免疫力が低下。しっかりお口の中をケアしておけば、腸も正常に働きやすくなります。
ウィズコロナ時代こそ実践!5つの新習慣
「新しい生活様式では、食後の歯みがき以外にもお口のケアを心がけることが、感染予防の大切なポイントになります」。(加地さん)
1 朝起きたら、まずうがい
「寝ている間は唾液量が減り、細菌が増殖した状態になっています。朝起きたら、うがい、すすぎをしましょう」。さらに毎食後に加えて、就寝前にも歯みがきをすることで細菌の増殖を抑えられます。
2 ダラダラ食べはしない
食事のときはよくかんで、唾液の分泌を促すことが大事。唾液には、細菌や病原菌を防御し、食後の細菌増殖のリスクを減らしてくれる働きがあります。「ただし、長時間ダラダラ食べ続けていると、唾液の働きが発揮できず、細菌が増えやすい状態に。特に糖分が多いおやつは、ダラダラ食べしないように気をつけましょう」。
3 舌の汚れをブラシで落とす
舌苔(ぜったい)といわれる汚れが多くついていると、ウイルスが体内に侵入しやすくなります。「朝の歯みがき後、舌用ブラシで奥から手前に3回ほどこするだけでキレイになります。毎日行う必要はありませんが、定期的に汚れをチェックしてケアしましょう」。
4 緊急時は、ぬれティッシュで代用ケアを
「家の外でも食後の歯みがきはマストですが、緊急時などで歯みがきできないときも。そんなときは、ぬれティッシュなどで歯の汚れを拭き取って、口の中を清潔に保つようにして」。また、キシリトール配合のガムをかんだり、お茶でうがいをするのも効果があります。
5 定期的に歯石取りをする
歯科医院でプロによる歯石取りや歯周ポケットの清掃をしてもらうと、さらに感染リスクが抑えられます。「通常、3カ月くらいで歯石がついてくるので、季節ごとにメンテナンスに行くのがベストです」。
参照:『サンキュ!』2021年1月号「ウイルスに負けない衣食住」より。掲載している情報は2020年11月現在のものです。 構成・文/宮原元美 取材協力/一般社団法人 日本訪問歯科協会(https://www.houmonshika.org/) 編集/サンキュ!編集部
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