片づけられない女です。夫や同居の義母に「家が汚い」と責められる日々が辛いです

2023/06/30

相談者のあかねさんは、夫や義母から「物が多い。何とかしろ」とたびたび言われるそう。ご自身も片づけたいのは山々だけど、捨てるのが苦手で途方に暮れる毎日・・・。そんなあかねさんに強力助っ人が登場!片づけ下手な人の気持ちが誰よりわかる整理収納アドバイザー・中山真由美さんが救いの手を差し伸べます。


【相談者】
あかねさん<仮名>
38歳

夫(37歳)、長女(5歳)、二女(3歳)、三女(0歳)、夫の両親の7人家族。結婚10年目。玄関共用の二世帯住宅で、1階にあかねさん一家、2階に義父母が暮らしています。

【回答者】
整理収納アドバイザー
中山真由美さん

整理収納アドバイザー1級認定講師。RittaStanza代表。片づけたお家は1000軒超!片づけ下手を克服した体験に基づく実践しやすいアドバイスが大人気。著書に『10分でスッキリ! 捨てない片づけ』(主婦と生活社)。

3人の育児をほぼワンオペ。物が多いのはわかっているけど、どうしたら片づくのか、見当もつきません

あかねさん(以下、あかね):二世帯住宅で夫の両親と同居していますが、夫や義母から「物が多すぎる。片づけろ」とよくしかられるんです。

中山さん(以下、中山):片づけが苦手なのは昔から?

あかねさん:中学まではきっちり整理してました。ペンが少しでもずれているとイヤなくらい完璧主義で。でもだんだんしんどくなってきて「もうどうでもいいや」と思った瞬間、物があふれて片づけられなくなりました。

中山さん:今はどんな状況ですか?

あかね:5歳、3歳、0歳の娘がいるんですが、子どもが増えて完全にキャパオーバー。片づけたいけどやり方がわからない、どこから手をつけたらいいの?っていう状態です。

中山:うんうん。

あかね:『サンキュ!』を見てやってみるけどうまくいかず、夫や義母には「何で片づけられないの」「〇〇さんは3人子どもがいても、部屋がめっちゃきれいよ」と比較されて、落ち込みます・・・。

「完璧に片づけたい」人ほど、思い通りにならないと一気に散らかります

中山:なるほどね。あかねさんは小さいころから「こうあるべき」という思いが強かったのかな。

あかね:はい。「〇〇すべき」って思いがちだよねって、よく言われます。

中山:「こうあるべき」という思いが強かったり完璧主義な人って、自分の思うように片づかないと、一気にいやになって散らかることが多いんです。「理想通りにできないなら、もういいや」って放棄しちゃう。

あかね:ああ、わかります~。

中山:あかねさんも、中学のときに収納の限界が来たのよね。つっぱり棒とかコの字ラックとか何を駆使しても、スペースが足りずどうにもならなくなった。

あかね:そうですそうです。それで物があふれ出して、あ~もういいわってなって。なんでわかるんですか?(笑)

中山:でも心の奥底に「完璧に整えたい」「そうするべき」という思いが根強く残っていて、それが片づけの邪魔をしてるみたいですね。

完璧に片づいた部屋なんて目指さなくていい。大事なのは「どんな暮らしがしたいか」を考えながら片づけること

中山:だけど「こうあるべき」ということは一切ないんです。あかねさんにはあかねさんの暮らし方があるので、それに合った片づけをすればいいだけなの。

あかね:はい。

中山:それに小さな子を3人も育てながら家事をして、SNSで見るような超シンプルな家にするのは、普通は無理なんですよ。片づけのプロの私でも、体調が悪かったり仕事が忙しいと部屋は散らかります。

あかね:そっかぁ。

中山:誰かと比べる必要はないし、無理してお手本のような部屋を目指さなくていい。そこは安心してくださいね。

あかね:そう言われてホッとしました。でもやっぱり・・・

中山:きれいにしたいなって思うよね。了解!では、あかねさんはどんな暮らしをしたいか、教えてくれますか?

あかね:私、探し物がすごく多いんです。どこに何があるかわからなくて、全部ひっくり返さないと見つからない。だからイライラしない部屋にしたいです。

中山:OK!片づけるときは「自分がしたい暮らし」のイメージ、あかねさんならサッと物を取り出せる部屋をイメージして、それをかなえるために作業していきましょう。

あかね:はい!

1日15分。すき間時間にできる「A4捨て」で、物を減らすトレーニング!

中山:ところであかねさんは、捨てるのが苦手よね?

あかね:そうですね(笑)。

中山:中学生のときに鍛えた収納力はあかねさんの強みよ。でも物を減らさないと片づかないことも、きっとわかっているのよね。

あかね:ええ。

中山:そこで、私が提案する「A4捨て」という方法にトライしてみて!

【A4捨てのやり方】

① A4サイズの白紙を用意し、テーブルや床に置く。

② 片づける範囲を決める。(例:引き出しの半分、化粧ポーチ、キッチンカウンターの小物入れ1つなど)

③ A4用紙の上に乗る分だけ②の物を並べる。用途や形などざっくり種類別に分けて、物が重ならないように並べるのがポイント。

④ タイマーを15分にセットして、A4捨てをスタート!紙の上に並べた物を眺めて、捨てる物を紙の外に出す。(例:劣化している物、次に使う予定がない物、最後に使ったときのことを思い出せない物など)


あかね:これなら赤ちゃんが寝てる間にできそう!

中山:やってみると、文房具の引き出しにホチキスの芯が3箱もあったりして(笑)。

あかね:はいはい、同じ物がいくつも出てくること、私もよくあります~。

中山:A4用紙の上に並べてみると、何をどれだけ持っているか把握できるし、「こんなにあっても使い切れないな」と思えてきて手放しやすくなりますよ。

あかね:なるほど~、やってみます!

「もったいない」と大量に溜め込むほど、パワーを奪われる。だから潔く手放して

中山:あかねさんの「捨てられない物」って何かな?

あかね:えっと、書類や絵本、私の趣味のグッズ、アイドルやキャラクターのグッズとか・・・。

中山:結構あるんだ。お子さんが3人いるから子ども服もいっぱいあると思うんだけど、取っておいても着ない服もありますよね。

あかね:そうですね。下の子に着せようと思って数年ぶりに引っ張り出すと、しみや毛玉が意外と目立ったりして。

中山:次の子が着られる服って意外となかったりするのよね。だからサイズアウトしたらきれいな服は人に譲って、それ以外の物は潔く処分するのがおすすめ。家に入ってくる物の量って半端ないから、意識的に外に出す必要があるんです。

あかね:本当にそうですね。

中山:それに「もったいない」「いつか使うかも」と大量に溜め込むことで、自分のパワーをすごく奪われるから。

あかね:それ!私もずっと経験してます。

中山:辛いよね。それでイライラして子どもに当たっちゃったり。

あかね:「子どものせいにするな」って夫に怒られて、悪循環です。ああ、先生に見抜かれ過ぎて、めっちゃ恥ずかしい(笑)。

中山:ふふふ。先ほど自分がしたい暮らしをイメージしたけど、いきなりそこにはたどりつかないもの。片づけも1日10分、15分とコツコツ取り組むことで、力がついてきます。

あかね:ちょっとずつ片づけることが大事なんですね。

中山:そうそう!自分がしたい暮らしをいつもイメージしながら、物を手放す方向に少しずつシフトしていきましょうね!


これまで1000軒を超えるお家を片づけてきた中山さんの、全てを見透かすかのような鋭い指摘の数々に、あかねさんも編集部も心底驚いた今回の悩み相談。次回はアイドルなどの推しグッズを片づける秘訣に切り込みます!

イラスト/髙栁浩太郎 取材・文/神坐陽子 企画/サンキュ!コメつぶ

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