「あふれた物を片付けろ」と散らかる家にいら立つ夫は、実は嫉妬している!?
2023/07/29
夫や同居の義母から「物が多すぎる。もっとキレイにできないの」としかられるというあかねさん。前回、整理収納アドバイザーの中山真由美さんは、あかねさんの片づけられない心情に寄り添いつつ、片づけの基本を丁寧にレクチャー。今回は、あかねさんの宝物の推しグッズの片づけ方や、「早く片づけろ」と詰め寄る夫のかわし方を聞きました!
<教えてくれた人>: 整理収納アドバイザー 中山真由美
整理収納アドバイザー。自身が汚部屋出身だからこその「片づけ下手さん」に優しく寄り添うアドバイスが人気。個人宅...
「アイドルグッズは俺の目に入らないところに隠してくれ」と、夫に言われました
中山:あかねさんはアイドルやキャラクターのグッズも多いと言っていましたね。そのことで、ご主人から何か言われる?
あかね:はい、いろいろ言われます。夫も物が多かったけど、子どもが増えて収納スペースや自分の時間が減ったことで、服や本、ゲームなどを売ったんです。それで「俺は最大限捨てた。なのにお前は全然できてない」と怒られています。
中山:そうなの・・・。
あかね:私も片づけてはいるけれど、夫が求めるレベルには届かず、何も言えません。最近「アイドル系は俺の目に入らないところに隠してくれ」と言われて、グッズをゴミ袋に入れられました。「戻すときに半分に減らせ」と、強制的に捨てさせられて・・・。
中山:辛かったね。そういうご家庭、多いですよ。夫はアイドルグッズが一番嫌なんじゃないかな、きっと。嫉妬するんだろうね。
あかね:そうなんかなあ~。
中山:そこから派生して、全部の物が多すぎだ、邪魔だと言っていると思うから、まずそこから片づけましょう。
あかね:アイドルうちわとか、どうしまえばいいのか困ります。
中山:夫が焼きもちを焼かないよう、押し入れとか目につきにくい場所にキレイに収納しましょ。押し入れの扉を開けると祭壇みたいになっているの。欲しいでしょ?そういうの。
あかね:はい、ほしいです(笑)。押し入れあけたら私の癒しの時間が始まる、みたいな。
中山:ポスターは穴を開けちゃいけないから、貼ってはがせるテープを四隅に貼って、月ごとに替えてみたりして。そうやって整えていけば、夫も文句を言わなくなるんじゃないかな。
あかね:そうなるといいな~。
捨てる基準は「推しよりランクが低い物」。大事な物を置く場所を作るために片づけよう
中山:あかねさんはアイドルグッズをどこにしまいたい?
あかね:クローゼットです。
中山:では洋服の片づけからスタートですね。捨てる基準は、あかねさんにとって「推しよりランクが低い物」。それらはサヨナラして、どんどん売っちゃいましょう。推しグッズが買えるくらいのお金になるかも!
あかね:(笑)。
中山:片づけの目的は、表向きは「部屋をきれいにする」だけど、真の目的は「大好きな推しを守る」こと。そのためにどうでもいい物を手放して、推しスペースを作るんですよ。そうすれば自分の気持ちも落ち着くし、家族にもやさしくなれるでしょ?
あかね:そうですね。それとキャラクターも好きで、グッズがいっぱいあるんです。
中山:キャラグッズは外に出ていても、夫は何も言わないよ~。
あかね:そうなんですよ!キャラクターのぬいぐるみを飾っていても何も言われなんですよ。
中山:どの夫もそうよ。スティーブ・ジョブズみたいなミニマリストじゃない限り、何も言わない(笑)。隠さなきゃならないのはアイドルグッズ。だって夫が女性アイドルのポスターを飾っていたら、あかねさんだっていやでしょう?
あかね:そういうことかぁ~!
中山:推しに嫉妬しているのよ~。だから許してあげて(笑)。
捨てるか残すか迷ううちに時間だけが過ぎて、結局挫折、の繰り返し。どうしたらいいですか?
中山:クローゼットの片づけで挫折しないために、夏休み前とか夏休み明けとか、ゴールを決めましょう。それから毎日最長15分でいいので、片づける時間を決めるといいですね。
あかね:子どものお昼寝中にできるかな。
中山:15分だと、衣装ケース(45×50cm)1段分が目安。それとタイマーをかけてやりましょう。もっとできそうと思っても、15分以上は疲れちゃうからやらないで。
あかね:15分で終わるかな・・・。
中山:捨てるのに悩むと時間がかかりますよね。
あかね:そうです。迷っているうちにどんどん時間が過ぎて片づかず、しんどくなって挫折、の繰り返しだったので。
中山:だから、捨てる・残すを考える時間は5秒!始める前に、種類ごとにまとめると判断しやすくなりますよ。何をどれだけ持っているか、ひと目でわかるから「これはよく使う、これはそうでもない」ってジャッジしやすいの。
あかね:タイマーをスタートする前に、仕分けをするんだ。
中山:そうそう。そして、悩んだら推しと比べてね。毎日続けると片づけ力がついて5分でできるようになるので、そうしたら「今日は2段分やってみよう」と少しだけ範囲を広げましょう。
あかね:あせりは禁物なんですね。
中山:片づけに疲れたり苦しくなったら、週に2日は休んでもOKよ。体調不良のときも休んでくださいね。
あかね:はい。わかりました。それにしても私がこうだから、夫や義母に「子どもたちに片づけが身につくか、心配や」って言われるんです。
中山:物を減らせば大丈夫!物を手放すのは「暮らしを整えるための前向きな行為」なんです。それができれば、お子さんたちに「捨てることは悪いことじゃない」って伝えられるから。
あかね:はい。子どものためにも頑張ります。
夫に「早く片づけろ」と言われたら、「トレーニング中だから口を出さないで」と切り返しましょう
あかね:夫に「ちまちまやってないで、早く何とかしろ!」って言われたら、どうしたらいいですか?
中山:「私は今、片づけのトレーニングをしているんです。努力なくして成功なし。だから口を出さないでください」って言ってください(笑)。
あかね:わかりました!
中山:あかねさんにもできますよ。1年後にはスッキリとしたお部屋が手に入るはず。長い人生でたった1年間頑張れば、夫や義母とも円満になり、お子さんのしつけにもプラスになって、あかねさんの心も晴れるでしょう。ぜひ、熱が冷めないうちにやってみてくださいね。
あかね:自分のペースで片づければいいと言ってもらえて、すごく前向きになれました。ぼちぼち頑張ってみます!
「大事な推しグッズを守るために片づける」という中山さんのアドバイスで、やる気を取り戻したあかねさん。完璧主義の理想からも少し離れられて、片づけに対するハードルが下がったように見えました。1カ月間後のあかねさんにどんな変化が訪れたでしょうか。次回お届けします!
イラスト/髙栁浩太郎 取材・文/神坐陽子 企画/サンキュ!コメつぶ