【高3の秋までにいくら貯めれば足りますか？】教育費のギモンQ&A

0歳から大学卒業まで、教育費は「選択」の連続……。思い込みで後悔しないよう、曲がり角ごとに専門家がアドバイス！　ビミョーにわからない疑問をQ&Aでスッキリ解決します。

＜教えてくれた人＞
ファイナンシャル・プランナー　竹下さくらさん
教育費、奨学金のエキスパート。著書に『緊急対応版「奨学金」上手な借り方　新常識』（青春出版社）など。

ウソ？ホント？【0歳】学資保険だけでなく、つみたてNISAなどの投資も検討したほうがよい！

→　ホント！ 　どれも一長一短なので、組み合わせるのが理想的

教育費がかかるのは大学進学時なので、それまではなるべく家計からやりくりし、高3の秋までに貯めるのが基本。「色々な貯め方がありますが、一長一短なので組み合わせて。預貯金や学資保険で確実に用意したうえで、投資や保険を追加するのがおススメ」（竹下さくらさん、以下「」内同）。

■高3の秋までに400万円以上は貯めたい！

児童手当を全額貯めれば約200万円に。月収からも毎月1万円を積み立てれば、18歳までに合わせて約400万円を貯蓄可能。「大学資金を確実に貯めつつ、つみたてNISAも活用すれば、投資でプラスアルファもめざせます」。

サンキュ！Data：貯め方は"学資保険"が根強い人気！

貯め方ランキング※2

1位…… 学資保険
2位…… 貯蓄
3位…… ママが働いて収入UP
4位…… 終身保険
5位…… つみたてNISA

学資保険が人気。満期金は100万～500万円と幅があり200万～300万円の人が多かった。つみたてNISA活用派は意外にも少ない結果に。

教育費の貯め方メリット＆デメリットは？

●学資保険：手堅く貯められる
契約者である親が亡くなったとき、支払いは免除されつつ、学資金は満額受け取れる。一括、もしくは大学4年間の学費に合わせ、分割受け取りも可能。

◆特約が多いと払った金額のほうが多くなることも
途中で手をつけにくく、着実に貯められるのがメリット。「保険料払込期間を10歳までなど短くすれば返戻率も上がり、払った金額より多く受け取れます。ただし、加入は子の年齢制限があり、特約をあれこれつけると元本割れすることがあります」。

●つみたてNISA：投資初心者でもOK
年40万円まで、20年間は非課税で運用できる投資の制度。金融庁が長期の運用向きだと選定した投資信託がメインで、基本的にほったらかしでOK。

◆利益が出る保証はないが、お金が増える可能性有
預金より増やせる可能性があるのは魅力だが、元本保証はないので、教育費として貯めるならあくまでサブに。「いつ売却してもよく、必ずしも大学進学用に使わなくてもOK。お得なタイミングで、他の用途にも使える予備費と考えて」。

●ドル建て終身保険：毎月の貯蓄に余裕があれば！
保険料の支払いや運用をドルで行う終身型の生命保険。15年など指定期間を超えると満期金が増えていく。途中解約は戻ってくるお金が減るので注意。

◆途中解約せずに長くかけられるかが鍵
長くもつことで、お金がだんだん増える可能性があるのはつみたてNISAと同じ。ただ途中解約をすると損をする点やドルでの支払いのため、為替の影響を受ける点が違う。「途中解約せずに続けられる人向き。長くかけて老後資金にしても」。

ウソ？ホント？【3歳】3歳児から幼稚園・保育園が無償に！ここから小学校低学年までが貯めどきだ！

→　ホント！ 　世帯年収に関係なく無償。この時期に月2万円以上は貯めたい！

小さいころにいかに貯められるかが、教育費で成功するコツ。「幼稚園や保育園の費用を払っているつもりでその金額分貯めておくと、将来大きな助けに。小学校高学年になると塾に通う子が増えるので、10歳までが貯めどき」。

ウソ？ホント？【小学4年】受ける子が増えてきた"中学受験"。子どもに合った学校選びができるから、取りあえず受けてみてもよい！

→　ウソ！ 　慎重に考えて。私立中学入学後に年間140万円を払っていけるかどうかが判断基準

文科省の調査によれば、私立中学にかかる教育費は年間で約140万円。「合格すれば、ほとんどの子が高校もそのまま私立に進学します。大学資金を貯めながら、中高6年間の教育費を払っていけるか、下の子がいる場合はその子が中学受験を希望しても応援できるかを含め、慎重に判断を」。

ちなみに小学4年生～6年生の塾代もどんどん上がる！※3

中学受験する場合、小3の2月から新小4として塾に通い始めるのが一般的。「塾代は学年とともに上昇し、6年生では年100万円以上に。子どものためにと、働きに出るママも多数います」。

※1 所得制限内の家庭の場合
※2 サンキュ！モニターアンケートより（21年12月実施、回答者数95人）
※3 SAPIX・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミーホームページ参考

参照：『サンキュ！』2022年5月号「教育費のウソ？ホント？」より。掲載している情報は2022年3月現在のものです。監修／竹下さくら　構成／岡部さつき（風讃社）　編集／サンキュ！編集部